クリスティーヌの華麗なる復讐[完]

風龍佳乃

文字の大きさ
9 / 9

9

しおりを挟む
一方で
伯爵の懇願でクリスティーヌは
ボーン家に来て居た
クリスティーヌは使用人達を集めている

「 私を虐げて楽しかったみたいね?
     でも残念だったわね
     あなた達が崇拝したティファニーは
     女神じゃなかったみたいよ? 」

クリスティーヌはグラスに入った水を
シャーベットにすると使用人に放った
「ひゃっ」
ティファニーの専属だったメイドが
声をあげた。

「で?私が書いた手紙はどこにいったの
    かしらね?誰の指示かしら?」

震える使用人達は
ティファニーのメイドをチラチラ
見ている

「ふーん、やっぱりあなたなのねぇー」

「申し訳ございませんでした!」

クリスティーヌはテーブルの上にあった
ナイフを飛ばして腕の服をスッと切る。
「きゃあ」

「本当なら、いけない手は切り落として
    いいと思っているけど…そうね
    あなたとあなた、そして私を笑った
    そこのあなたも。すぐに屋敷から
    出て行きなさいな。
    ぐすぐすしていたら灰にするわよ」

クリスティーヌが炎を出すとメイド達は
転がる様に部屋から飛び出して行った。

「人はねぇ立場をわきまえないと
    痛い目にあうのよ?気をつけてね ?」

クリスティーヌは残った使用人達に
微笑みを向けた。そしてクルリと
向きを変えると兄のマークレンを見た。

「ふふふっ…お兄様、今まで
    可愛いがって頂きありがとう。
    是非とも御礼がしたいわ」

パチン!

クリスティーヌが風をあてると
マークレンの身体が左右に転がった。
「くっ!や、やめろ!」

「あら?教えて下さったのは
    お兄様ですわよ?」

マークレンがぐったりと動かなくなり
クリスティーヌは風を止めた。

伯爵は一連の出来事を見ている事しか
出来なかった。

「お父様」クリスティーヌが微笑む

「は、はいっ」

「お世話になりました。お元気で」

クリスティーヌは静かに屋敷を後にした

帰りの馬車の中

「クリスティーヌ、君の復讐は
    終わったのかい?」

「そうですね」

「君の復讐は可愛いな」

「まぁいいのよ…
    守りたい人が出来たから」

「それは……」

「一目惚れだったわ。私も…」

そう、
あの時に私をまっすぐ見つめていた貴方の瞳…
私ね、貴方に救って欲しかったのかも。


クリスティーヌが俺に?

「ははっ、一目惚れされて良かったよ
    今までは理解できないでいたが
    やっぱり君は俺にとって最初から
    特別だったんだな
    ならば
    これからは2人の時間を楽しもう」

「そんな時間はあるかしら?
    私は国の女神になってしまったもの」

「国の女神?その前に…
    君は俺だけの特別な女神だよ」

2人は見つめあった後で
ゆっくり唇を重ねた…




~~完~~
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

hiyo
2025.01.25 hiyo

2度目です、やっぱり楽しく読めました。

弱い立場の人はいつだって隅に追いやられ、居ないものとして扱われたりします。
もし覚醒しなかったら……どうなっていたのでしょうね?
国の辺境にでも行って庶民の中でゆっくり年を取っていったりして~なんて思いました。
他の物語も楽しみにしています。

解除
hiyo
2024.04.09 hiyo

とても楽しく読ませて頂きました。
有難うございました。

解除
騎士団長マニア

クリスティーヌは優しいですね。
私ならもっときちんと復讐します笑
面白かったです。

解除

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!

しずもり
恋愛
 ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。 お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?  突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。 そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。 よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。 *なんちゃって異世界モノの緩い設定です。 *登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。 *ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。

婚約破棄で見限られたもの

志位斗 茂家波
恋愛
‥‥‥ミアス・フォン・レーラ侯爵令嬢は、パスタリアン王国の王子から婚約破棄を言い渡され、ありもしない冤罪を言われ、彼女は国外へ追放されてしまう。 すでにその国を見限っていた彼女は、これ幸いとばかりに別の国でやりたかったことを始めるのだが‥‥‥ よくある婚約破棄ざまぁもの?思い付きと勢いだけでなぜか出来上がってしまった。

【完結】男装の麗人が私の婚約者を欲しがっているご様子ですが…

恋愛
伯爵令嬢のグラシャは同じ女学校のシルビアと婚約者で侯爵家のアシュレイが両想いであるという噂を耳にする。シルビアは彼の幼馴染、しかもその長身と整った顔立ちから『男装の麗人』として人気を集めている。 お互いが想い合っているなら潔く身を引こう、心に決めたグラシャはアシュレイを呼び出し別れを告げようとするが…… 「俺が君を手放すと、そう思っているのか?」 勘違いした令嬢と不器用な婚約者がある噂をきっかけに急接近?!ざまぁ要素あり、基本溺愛系です。 ※ノベルバでも投稿しております。

メリンダは見ている [完]

風龍佳乃
恋愛
侯爵令嬢のメリンダは 冷静沈着という言葉が似合う女性だ。 メリンダが見つめているのは 元婚約者であるアレンだ。 婚約関係にありながらも 愛された記憶はなかった メリンダ自身もアレンを愛していたか? と問われれば答えはNoだろう。 けれど元婚約者として アレンの幸せを 願っている。

まさか、今更婚約破棄……ですか?

灯倉日鈴(合歓鈴)
恋愛
チャールストン伯爵家はエンバー伯爵家との家業の繋がりから、お互いの子供を結婚させる約束をしていた。 エンバー家の長男ロバートは、許嫁であるチャールストン家の長女オリビアのことがとにかく気に入らなかった。 なので、卒業パーティーの夜、他の女性と一緒にいるところを見せつけ、派手に恥を掻かせて婚約破棄しようと画策したが……!? 色々こじらせた男の結末。 数話で終わる予定です。 ※タイトル変更しました。

婚約破棄ですか……。……あの、契約書類は読みましたか?

冬吹せいら
恋愛
 伯爵家の令息――ローイ・ランドルフは、侯爵家の令嬢――アリア・テスタロトと婚約を結んだ。  しかし、この婚約の本当の目的は、伯爵家による侯爵家の乗っ取りである。  侯爵家の領地に、ズカズカと進行し、我がもの顔で建物の建設を始める伯爵家。  ある程度領地を蝕んだところで、ローイはアリアとの婚約を破棄しようとした。 「おかしいと思いませんか? 自らの領地を荒されているのに、何も言わないなんて――」  アリアが、ローイに対して、不気味に語り掛ける。  侯爵家は、最初から気が付いていたのだ。 「契約書類は、ちゃんと読みましたか?」  伯爵家の没落が、今、始まろうとしている――。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。