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第一章・最愛の坊ちゃま
2・出会い
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乗り合い馬車で約1週間揺られ、ブラシリア国の王都まで来た。着の身着のまま風呂にも入れずにここまで来て、流石にさっぱりとしたいと思い宿に泊まる。
明日はジョナサンの従兄弟に会う為に、ガドリン公爵家を訪ねるつもりだ。だから完璧に身嗜みを整えなくては!紹介の手紙があると言っても薄汚いままでは門前払いだろうし、何といっても雲の上の公爵家…万全の準備が必要だろうね。
ジョナサンの従兄弟に迷惑になってはいけないし、追い出されない程度に身綺麗にしておこうと思う。それで適当な宿屋に泊まったのだが…その日は生憎、相部屋しか空いてなかった。どうする?と聞かれて困ったけれど、丁度その場に相部屋の相手の人が居合わせて「一人旅同士仲良くしよう!」と言われて了承したんだ。旅はナントカって言うし、こういうのも良い経験になったりする?って前向きに考えた。それに人懐っこそうな相手だしとホッとしたけど…何と!朝起きたら金を根こそぎ取られていた。僕って、ホント馬鹿…
子供だと思って始めから計画的だったのかも知れないな。それより困ったのは宿代だ。
ジョナサンの従兄弟に連絡して借りようとしたけど、そこまで甘えて良いのかと葛藤する。それで残りの荷物で何とかお代の変わりにならないかと交渉してみる。宿屋の主人は自分にも責任があると思ったのか、それでいいと言って後でお金を持って来てくれたら返すからと約束してくれた。それに心底ホッとして公爵家までの道を急ぐことに。
宿屋で公爵家までの道を聞いて、手紙だけを握りしめ1時間かけて歩いた。僕は生まれた時から田舎の領地しか知らず、見るもの何もかもが珍くキョロキョロとしてしまう。そろそろなんじゃないかな?そう思っていると、大きなお屋敷が見えて来る。アノー伯爵家とは雲泥の差の、その圧倒的な存在感にたじろいで…
流石王家に連なる公爵家だと臆したけれど、ここまで来たらもう引き返せない。そして立派な門のところに騎士が二人立っているのを確認して、思い切って声を掛けてみることに。
「あの…すみません。こちらはガドリン公爵家ですよね?こちらの執事さんに会いに来ました。執事さんの従兄弟からの紹介状もこちらにあるのですが…」
そう元気良く言ったけど、どうにもその騎士達は複雑そうな顔をしている。どうしたのだろう?と困惑していると…
「執事のブランはもうここには居ない。前公爵様と一緒に昨日ここを発たれた。今頃領地に向かっている道中だ。おまけにもうここには戻って来ないだろう」
──ガ、ガーン!!
僕は金縛りにあったように固まった。何だって…領地に行ったの?おまけに昨日…
まさかの事に頭が追いつかず押し黙っていると、その騎士達が追い打ちをかけてくる。
「ブランに用があるのなら公爵領に向かうしかない。こちらは息子である公爵様がお住まいだが、その公爵様も今は陛下に同行して隣国へと行かれている。だから勝手に知らない者を通す訳にはいかない!」
──公爵様も…居ないだって?
それを聞いた僕は「ありがとうございます…」と弱々しく呟いて、クルリと来た道を戻る。だってそうするしかないと思わない?僕はすっかりと途方に暮れた…
せめてお金があったなら…何とか執事の後を追えたかも知れない。公爵領がここからどのくらい離れているのか分からないけど、無一文の僕が行ける筈もなくて。
──僕って、なんて馬鹿なんだろう?警戒心がなさ過ぎ!それなのに一人でやっていこうなんて…
家を出て来たはいいが結局は考えが甘いんだ。それを嫌っていうほど痛感する。
もう少し準備をしてから出るべきだったのだろうか?それはよく分かっているけど、限界だったのも事実。僕は服の上から母の形見であるプロミスリングをぎゅっと握りしめた。そして行く宛もなく、ただトボトボと歩いた。
──それから1週間。
僕はボロボロになっていた…見た目も心も。伯爵家の令息だなんて、見る影もないだろう。そう言ったところで誰も信じないだろうな…顔は真っ黒になり、歩く力も殆ど残っていない。
おまけに最初こそは可哀想に思った人がパンをくれたりしたけれど、これだけ汚くなってしまったら顔を顰めるだけで誰も近付きもしない。もう少し早く何とかすべきだった…こうなるくらいなら、アノー伯爵家の令息だと告白して、保護を求める事も出来た筈だった。だけど家族への恨みとプライドから躊躇しているうちに、こうなってしまって…
建物と建物の間の隙間に目立たないように腰掛ける。お腹が空き過ぎて、そのまま身動きも出来ない。虚ろな瞳をこじ開けて思った…このリングを売ったなら、いくらになるだろうと。だけど…
「も、もう…こう…なったら、死ぬ時は一緒…」
何とかそう呟きながら死を覚悟した。そして最期の時は、きっと天国から母が迎えに来てくれる。叱られるだろうな…そう思ってキュッと目を閉じた。
──カツン。カッ…カッ。
そんな死にかけてる僕の前に、誰かの足音が響く。もう死んだのかと見に来た?と思うけど、目を開く元気もない。すると…
「君…君大丈夫かい?死んでないよね」
そう涼やかな声が聞こえる。子供のようだけど、男の子なのか女の子なのかさえ分からない。もしかして冷やかし?と警戒すると…
「おい、起きろ!そんな所に居たら本当に死ぬぞ?」
今度は大人の男の声がする。うん…誰?
「坊ちゃま、薄汚れた乞食のようです。少しお金を恵んでやったらどうでしょう?だけどそもそも坊ちゃまが気にされることではないと思いますが」
乞食!そうか、乞食に見えるのか。そりゃそうだ…だけど見世物じゃないんだ!冷やかしなら早く去って欲しい。そう声に出したいが、そんな気力も僕には残っていない。
「何を言ってる?この私、ジュリアス・エドモアの目に入ったという事が重要なんだ。四の五の言わず助けてあげなさい!」
──えっ…ジュリアス…エ、エドモア…!!!
その名を聞いて僕の心が突如ざわつく。轟々と音が鳴り響き凄い衝撃だ…だけどそれが何故かは分からない!ジュリアス…何だったっけな?どうにも引っかかる。そんな事を考えていると、突然ガッと肩を掴まれて、無理矢理といった感じで起き上がらせられる。
「い、痛ーっ!」
骨が折れるかのような痛みに、思わずパチッと目を見開く。はぁっ?何なの…
だけどその瞬間、僕の肩を掴む男など一切目に入らなかった。目の前でじっと僕を見つめる男の子…その子に僕の目は釘付けになる!
艷やかなプラチナブロンドに、深い蒼の瞳…スッと通った鼻筋にまるで花の蕾のような紅い唇。子供ながらも、この世のものとも思えぬ美麗さが際立っている…まるで神か?
そう思った時、僕の頭の中に謎の映像が浮かびあがる。まるで女神が如く美しい男性主人公が、負けず劣らずの美丈夫達と恋模様を繰り広げている。
『ジュリアス・エドモア』
目の前の男の子…今はまだ幼いけど、僕が夢中になってやっていたBLゲームの主人公…その人に違いないっ!
明日はジョナサンの従兄弟に会う為に、ガドリン公爵家を訪ねるつもりだ。だから完璧に身嗜みを整えなくては!紹介の手紙があると言っても薄汚いままでは門前払いだろうし、何といっても雲の上の公爵家…万全の準備が必要だろうね。
ジョナサンの従兄弟に迷惑になってはいけないし、追い出されない程度に身綺麗にしておこうと思う。それで適当な宿屋に泊まったのだが…その日は生憎、相部屋しか空いてなかった。どうする?と聞かれて困ったけれど、丁度その場に相部屋の相手の人が居合わせて「一人旅同士仲良くしよう!」と言われて了承したんだ。旅はナントカって言うし、こういうのも良い経験になったりする?って前向きに考えた。それに人懐っこそうな相手だしとホッとしたけど…何と!朝起きたら金を根こそぎ取られていた。僕って、ホント馬鹿…
子供だと思って始めから計画的だったのかも知れないな。それより困ったのは宿代だ。
ジョナサンの従兄弟に連絡して借りようとしたけど、そこまで甘えて良いのかと葛藤する。それで残りの荷物で何とかお代の変わりにならないかと交渉してみる。宿屋の主人は自分にも責任があると思ったのか、それでいいと言って後でお金を持って来てくれたら返すからと約束してくれた。それに心底ホッとして公爵家までの道を急ぐことに。
宿屋で公爵家までの道を聞いて、手紙だけを握りしめ1時間かけて歩いた。僕は生まれた時から田舎の領地しか知らず、見るもの何もかもが珍くキョロキョロとしてしまう。そろそろなんじゃないかな?そう思っていると、大きなお屋敷が見えて来る。アノー伯爵家とは雲泥の差の、その圧倒的な存在感にたじろいで…
流石王家に連なる公爵家だと臆したけれど、ここまで来たらもう引き返せない。そして立派な門のところに騎士が二人立っているのを確認して、思い切って声を掛けてみることに。
「あの…すみません。こちらはガドリン公爵家ですよね?こちらの執事さんに会いに来ました。執事さんの従兄弟からの紹介状もこちらにあるのですが…」
そう元気良く言ったけど、どうにもその騎士達は複雑そうな顔をしている。どうしたのだろう?と困惑していると…
「執事のブランはもうここには居ない。前公爵様と一緒に昨日ここを発たれた。今頃領地に向かっている道中だ。おまけにもうここには戻って来ないだろう」
──ガ、ガーン!!
僕は金縛りにあったように固まった。何だって…領地に行ったの?おまけに昨日…
まさかの事に頭が追いつかず押し黙っていると、その騎士達が追い打ちをかけてくる。
「ブランに用があるのなら公爵領に向かうしかない。こちらは息子である公爵様がお住まいだが、その公爵様も今は陛下に同行して隣国へと行かれている。だから勝手に知らない者を通す訳にはいかない!」
──公爵様も…居ないだって?
それを聞いた僕は「ありがとうございます…」と弱々しく呟いて、クルリと来た道を戻る。だってそうするしかないと思わない?僕はすっかりと途方に暮れた…
せめてお金があったなら…何とか執事の後を追えたかも知れない。公爵領がここからどのくらい離れているのか分からないけど、無一文の僕が行ける筈もなくて。
──僕って、なんて馬鹿なんだろう?警戒心がなさ過ぎ!それなのに一人でやっていこうなんて…
家を出て来たはいいが結局は考えが甘いんだ。それを嫌っていうほど痛感する。
もう少し準備をしてから出るべきだったのだろうか?それはよく分かっているけど、限界だったのも事実。僕は服の上から母の形見であるプロミスリングをぎゅっと握りしめた。そして行く宛もなく、ただトボトボと歩いた。
──それから1週間。
僕はボロボロになっていた…見た目も心も。伯爵家の令息だなんて、見る影もないだろう。そう言ったところで誰も信じないだろうな…顔は真っ黒になり、歩く力も殆ど残っていない。
おまけに最初こそは可哀想に思った人がパンをくれたりしたけれど、これだけ汚くなってしまったら顔を顰めるだけで誰も近付きもしない。もう少し早く何とかすべきだった…こうなるくらいなら、アノー伯爵家の令息だと告白して、保護を求める事も出来た筈だった。だけど家族への恨みとプライドから躊躇しているうちに、こうなってしまって…
建物と建物の間の隙間に目立たないように腰掛ける。お腹が空き過ぎて、そのまま身動きも出来ない。虚ろな瞳をこじ開けて思った…このリングを売ったなら、いくらになるだろうと。だけど…
「も、もう…こう…なったら、死ぬ時は一緒…」
何とかそう呟きながら死を覚悟した。そして最期の時は、きっと天国から母が迎えに来てくれる。叱られるだろうな…そう思ってキュッと目を閉じた。
──カツン。カッ…カッ。
そんな死にかけてる僕の前に、誰かの足音が響く。もう死んだのかと見に来た?と思うけど、目を開く元気もない。すると…
「君…君大丈夫かい?死んでないよね」
そう涼やかな声が聞こえる。子供のようだけど、男の子なのか女の子なのかさえ分からない。もしかして冷やかし?と警戒すると…
「おい、起きろ!そんな所に居たら本当に死ぬぞ?」
今度は大人の男の声がする。うん…誰?
「坊ちゃま、薄汚れた乞食のようです。少しお金を恵んでやったらどうでしょう?だけどそもそも坊ちゃまが気にされることではないと思いますが」
乞食!そうか、乞食に見えるのか。そりゃそうだ…だけど見世物じゃないんだ!冷やかしなら早く去って欲しい。そう声に出したいが、そんな気力も僕には残っていない。
「何を言ってる?この私、ジュリアス・エドモアの目に入ったという事が重要なんだ。四の五の言わず助けてあげなさい!」
──えっ…ジュリアス…エ、エドモア…!!!
その名を聞いて僕の心が突如ざわつく。轟々と音が鳴り響き凄い衝撃だ…だけどそれが何故かは分からない!ジュリアス…何だったっけな?どうにも引っかかる。そんな事を考えていると、突然ガッと肩を掴まれて、無理矢理といった感じで起き上がらせられる。
「い、痛ーっ!」
骨が折れるかのような痛みに、思わずパチッと目を見開く。はぁっ?何なの…
だけどその瞬間、僕の肩を掴む男など一切目に入らなかった。目の前でじっと僕を見つめる男の子…その子に僕の目は釘付けになる!
艷やかなプラチナブロンドに、深い蒼の瞳…スッと通った鼻筋にまるで花の蕾のような紅い唇。子供ながらも、この世のものとも思えぬ美麗さが際立っている…まるで神か?
そう思った時、僕の頭の中に謎の映像が浮かびあがる。まるで女神が如く美しい男性主人公が、負けず劣らずの美丈夫達と恋模様を繰り広げている。
『ジュリアス・エドモア』
目の前の男の子…今はまだ幼いけど、僕が夢中になってやっていたBLゲームの主人公…その人に違いないっ!
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