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始まりの時
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「うわ、すごい…」
美桜は思わず呟いて、上を見上げたまま圧倒されたように立ち止まった。
(まるでジャングルみたい)
そう思いながら、ぐるりと辺りを見渡してみる。
どこまでも高く伸び、大きな葉と葉を重ねるようにして緑の樹木が生い茂っているこの空間は、信じられないことに屋内なのだ。
熱帯雨林気候に似た、温かく湿った空気を感じながら、ゆっくりと木々の間の小道を歩き出す。
そばには小さな川が流れていて、耳を澄ますと水のせせらぎが聞こえてくる。
(とにかく、この状況を説明してもらわないと!)
しばらく思考回路が止まっていた美桜はそう思い直し、事情を知っているであろう人物を探すことにした。
(そもそも、どこからこんなおかしな事になったんだっけ?)
歩きながら考える。
高校からの友人と、冬休みを利用してイギリス旅行を計画したのだった。
正確に言うと、イギリスに住む友人に会いに来た。
「今度の正月、アレンのとこへ遊びに行こうぜ」
唐突にそう言い出したのは仁だ。
「アレンのところって、え?イギリスってこと?」
アイスラテのグラスをストローで混ぜながら、絵梨が驚いたように顔を上げた。
美桜も同じく仁を見つめる。
クリスマスももうすぐという十二月の日曜日、三人は行きつけのカフェに集まっていた。
「そっ!二人とも長い間アレンに会ってないだろ?久しぶりに四人で集まろうぜ。アレンは忙しくてこっちに来られないみたいだから、俺らがあっちに行こう」
まるでもう決まったことのように軽く言ってから、仁は絵梨と美桜の顔を交互に見る。
「二人とも正月なんか予定ある?大学の講義始まるのいつ?」
「いやいやいや、ちょっと待ってよ」
慌てて遮る絵梨に美桜も頷いて続く。
「お正月って、あと一か月もないよ。しかもイギリスなんてそんな。小学校の遠足でも、もうちょっと計画的だよ」
真顔で訴える美桜に、仁は飲みかけのコーヒーを吹き出しそうになる。
「遠足って!美桜ちゃん、あはは」
「ほんとほんと。お弁当とかおやつとか?」
「せんせー、おやつはいくらまでですかー?」
「三〇〇円までね。あ、バナナはおやつに入りませんよー」
あろうことか、さっきは美桜と一緒に面食らっていた絵梨まで、仁と一緒にふざけて笑っている。
「もう、二人とも!」
そう言ってはみたものの、美桜もいつしか笑っていた。
(なつかしいなあ、こういうやり取り。高校時代を思い出すわ)
仁と絵梨と美桜、そして高校三年生の時にイギリスから編入してきたアレンの四人は、いつも一緒にいる気の合う同級生だった。
当初から日本語は堪能だったけれど、単身日本にやってきて戸惑うことも多かったアレンに、あれこれとちょっかい…ではなく、世話を焼いていたのが仁だった。
「アレン、そんな漢字の勉強なんかより、よっぽど役に立つこと教えてやる。これから渋谷行こうぜ」
「ちょっと仁!あんたそんなこと言って、まーた可愛い女の子ナンパしに行くつもりでしょ?」
「それが違うんだよ、絵梨」
放課後、机に向かって勉強していたアレンの肩に腕を回して、真剣な顔で仁が言う。
「アレンと一緒にいると、なんと!かわい子ちゃんが向こうから声かけてくるんだよ。ナンパされちゃうんだよ、俺達」
「はあ?なんであんたがドヤ顔するのよ」
絵梨は腰に手を当てて呆れたように脱力する。
「アレン、無理して行かなくていいからね」
美桜がそう言うと、アレンは首を振ってにっこり笑う。
「いや、仁が色々教えてくれて楽しいよ」
「そう?ならいいんだけど」
「あ、じゃあさ美桜。私達も行かない?アレンに変なこと教えないように仁を見張っていよう」
そんな流れで、よく四人で遊びに行ったっけ。
アレンは一年間の留学を終えて、美桜達が系列大学に進むのと同時にイギリスに帰り、それきり会っていない。
「もうかれこれ、四年近くアレンに会ってないだろ?二人とも」
「そっか、もう四年になるのか。仁は暇さえあれば遊びに行ってるんだっけ?アレンのところに」
「暇さえって、おい。一応仕事も兼ねてね」
「ナンパも兼ねて?」
「そうそう、イギリス美人を…って違うから!」
二人のやり取りを笑いながら聞いていた美桜は、ふと呟いた。
「楽しかったなあ、あの頃。また四人で集まりたい」
だろ?と仁が前のめりになる。
「アレンも言ってたよ。みんなで会いたいって。いつでもうちに泊まりに来てくれってさ」
「仁くんはいつも泊めてもらってるの?」
キャラメルマキアートのカップを持ち上げながら美桜が尋ねる。
「そう。あいつのうちすんごい金持ちだからさ。いつでも何人でもウエルカムだぜ」
「だぜって、あんたのうちじゃないでしょ!」
絵梨が軽く仁の肩をぺしっと叩く。
相変わらずテンポの良いつっこみに、美桜もふふっと笑った。
けれど、そうは言っても仁の家だって相当なお金持ちなのだ。
祖父の代から、不動産やレジャー施設など、いくつもの会社を立ち上げてきた有名な倉田グループの、仁はいわゆる御曹司である。
高校卒業後、仁も少しずつ家業を継いで、大学に通いながら世界中を仕事で回っているらしい。
「な?行こうって。飛行機さえ予約すればいいからさ。正月休みいつまで?」
何度も言われ、押され気味になった絵梨と美桜は答える。
「私は一月ほとんど講義ないけど、美桜は?大学はないにしても、お正月って仕事でしょ?」
「うん…、一番休めない時かな」
大学に入ってから、美桜はとあるテーマパークでアルバイトをしてきた。
幼い頃から好きだったダンスを生かし、パーク内で開催されるショーやイベントに出演している。
就職活動を始める際、色々考えて美桜はそのままそこに就職することを決めた。
四年生の後半になってからは、三年以上の勤務実績を買われ、契約社員として新たに企画にも携わるようになった。
ショーやイベントを企画し、出演もする、ダンサー兼プロデューサーといったところだ。
春休みや夏休みの繁忙期はもちろん、バレンタインやホワイトデー、イースターやハロウイン、クリスマスなど、季節を通じて一年中なにかしらのイベントを考える。
お正月は、年末カウントダウンから始まり、新春ショーを冬休みが明けるまで開催する。
その期間中、出演者はチームでローテーションを組んで休むことはあっても、個人的に有給休暇を取ったりすることは出来ない。
誰一人欠けても、ショーは成り立たたなくなるからだ。
「そうだよね、サービス業だもんね」
「うん、ごめんね」
トーンダウンした二人とは対照的に、いつもの調子で仁が言う。
「正月どんぴしゃだと飛行機も高いし混んでるしさ。一月八日くらいからならどう?」
「あ、その頃から閑散期に入るから、逆に有給消化を推奨される!」
ぱっと顔を上げて美桜が言うと、絵梨の表情も明るくなった。
「ほんと?私も講義は一月の後半から行けば大丈夫」
二人の様子を見て、仁がニッと笑った。
「よし!じゃあ決まり!飛行機の予約は俺がやるよ。アレンにも言っとく。久しぶりに全員集合ってな!」
美桜は思わず呟いて、上を見上げたまま圧倒されたように立ち止まった。
(まるでジャングルみたい)
そう思いながら、ぐるりと辺りを見渡してみる。
どこまでも高く伸び、大きな葉と葉を重ねるようにして緑の樹木が生い茂っているこの空間は、信じられないことに屋内なのだ。
熱帯雨林気候に似た、温かく湿った空気を感じながら、ゆっくりと木々の間の小道を歩き出す。
そばには小さな川が流れていて、耳を澄ますと水のせせらぎが聞こえてくる。
(とにかく、この状況を説明してもらわないと!)
しばらく思考回路が止まっていた美桜はそう思い直し、事情を知っているであろう人物を探すことにした。
(そもそも、どこからこんなおかしな事になったんだっけ?)
歩きながら考える。
高校からの友人と、冬休みを利用してイギリス旅行を計画したのだった。
正確に言うと、イギリスに住む友人に会いに来た。
「今度の正月、アレンのとこへ遊びに行こうぜ」
唐突にそう言い出したのは仁だ。
「アレンのところって、え?イギリスってこと?」
アイスラテのグラスをストローで混ぜながら、絵梨が驚いたように顔を上げた。
美桜も同じく仁を見つめる。
クリスマスももうすぐという十二月の日曜日、三人は行きつけのカフェに集まっていた。
「そっ!二人とも長い間アレンに会ってないだろ?久しぶりに四人で集まろうぜ。アレンは忙しくてこっちに来られないみたいだから、俺らがあっちに行こう」
まるでもう決まったことのように軽く言ってから、仁は絵梨と美桜の顔を交互に見る。
「二人とも正月なんか予定ある?大学の講義始まるのいつ?」
「いやいやいや、ちょっと待ってよ」
慌てて遮る絵梨に美桜も頷いて続く。
「お正月って、あと一か月もないよ。しかもイギリスなんてそんな。小学校の遠足でも、もうちょっと計画的だよ」
真顔で訴える美桜に、仁は飲みかけのコーヒーを吹き出しそうになる。
「遠足って!美桜ちゃん、あはは」
「ほんとほんと。お弁当とかおやつとか?」
「せんせー、おやつはいくらまでですかー?」
「三〇〇円までね。あ、バナナはおやつに入りませんよー」
あろうことか、さっきは美桜と一緒に面食らっていた絵梨まで、仁と一緒にふざけて笑っている。
「もう、二人とも!」
そう言ってはみたものの、美桜もいつしか笑っていた。
(なつかしいなあ、こういうやり取り。高校時代を思い出すわ)
仁と絵梨と美桜、そして高校三年生の時にイギリスから編入してきたアレンの四人は、いつも一緒にいる気の合う同級生だった。
当初から日本語は堪能だったけれど、単身日本にやってきて戸惑うことも多かったアレンに、あれこれとちょっかい…ではなく、世話を焼いていたのが仁だった。
「アレン、そんな漢字の勉強なんかより、よっぽど役に立つこと教えてやる。これから渋谷行こうぜ」
「ちょっと仁!あんたそんなこと言って、まーた可愛い女の子ナンパしに行くつもりでしょ?」
「それが違うんだよ、絵梨」
放課後、机に向かって勉強していたアレンの肩に腕を回して、真剣な顔で仁が言う。
「アレンと一緒にいると、なんと!かわい子ちゃんが向こうから声かけてくるんだよ。ナンパされちゃうんだよ、俺達」
「はあ?なんであんたがドヤ顔するのよ」
絵梨は腰に手を当てて呆れたように脱力する。
「アレン、無理して行かなくていいからね」
美桜がそう言うと、アレンは首を振ってにっこり笑う。
「いや、仁が色々教えてくれて楽しいよ」
「そう?ならいいんだけど」
「あ、じゃあさ美桜。私達も行かない?アレンに変なこと教えないように仁を見張っていよう」
そんな流れで、よく四人で遊びに行ったっけ。
アレンは一年間の留学を終えて、美桜達が系列大学に進むのと同時にイギリスに帰り、それきり会っていない。
「もうかれこれ、四年近くアレンに会ってないだろ?二人とも」
「そっか、もう四年になるのか。仁は暇さえあれば遊びに行ってるんだっけ?アレンのところに」
「暇さえって、おい。一応仕事も兼ねてね」
「ナンパも兼ねて?」
「そうそう、イギリス美人を…って違うから!」
二人のやり取りを笑いながら聞いていた美桜は、ふと呟いた。
「楽しかったなあ、あの頃。また四人で集まりたい」
だろ?と仁が前のめりになる。
「アレンも言ってたよ。みんなで会いたいって。いつでもうちに泊まりに来てくれってさ」
「仁くんはいつも泊めてもらってるの?」
キャラメルマキアートのカップを持ち上げながら美桜が尋ねる。
「そう。あいつのうちすんごい金持ちだからさ。いつでも何人でもウエルカムだぜ」
「だぜって、あんたのうちじゃないでしょ!」
絵梨が軽く仁の肩をぺしっと叩く。
相変わらずテンポの良いつっこみに、美桜もふふっと笑った。
けれど、そうは言っても仁の家だって相当なお金持ちなのだ。
祖父の代から、不動産やレジャー施設など、いくつもの会社を立ち上げてきた有名な倉田グループの、仁はいわゆる御曹司である。
高校卒業後、仁も少しずつ家業を継いで、大学に通いながら世界中を仕事で回っているらしい。
「な?行こうって。飛行機さえ予約すればいいからさ。正月休みいつまで?」
何度も言われ、押され気味になった絵梨と美桜は答える。
「私は一月ほとんど講義ないけど、美桜は?大学はないにしても、お正月って仕事でしょ?」
「うん…、一番休めない時かな」
大学に入ってから、美桜はとあるテーマパークでアルバイトをしてきた。
幼い頃から好きだったダンスを生かし、パーク内で開催されるショーやイベントに出演している。
就職活動を始める際、色々考えて美桜はそのままそこに就職することを決めた。
四年生の後半になってからは、三年以上の勤務実績を買われ、契約社員として新たに企画にも携わるようになった。
ショーやイベントを企画し、出演もする、ダンサー兼プロデューサーといったところだ。
春休みや夏休みの繁忙期はもちろん、バレンタインやホワイトデー、イースターやハロウイン、クリスマスなど、季節を通じて一年中なにかしらのイベントを考える。
お正月は、年末カウントダウンから始まり、新春ショーを冬休みが明けるまで開催する。
その期間中、出演者はチームでローテーションを組んで休むことはあっても、個人的に有給休暇を取ったりすることは出来ない。
誰一人欠けても、ショーは成り立たたなくなるからだ。
「そうだよね、サービス業だもんね」
「うん、ごめんね」
トーンダウンした二人とは対照的に、いつもの調子で仁が言う。
「正月どんぴしゃだと飛行機も高いし混んでるしさ。一月八日くらいからならどう?」
「あ、その頃から閑散期に入るから、逆に有給消化を推奨される!」
ぱっと顔を上げて美桜が言うと、絵梨の表情も明るくなった。
「ほんと?私も講義は一月の後半から行けば大丈夫」
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