恋人同盟〜モテる二人のこじらせ恋愛事情〜

葉月 まい

文字の大きさ
22 / 25

二人きりの夜

しおりを挟む
1月末。
めぐと弦の視察の日がやって来た。
二人はスーツ姿で新幹線に乗り、愛知県のテーマパークへと向かう。

「新幹線なんて、すごく久しぶり。速いねー、静かだね」
「めぐ、ご機嫌だな」
「うん!だって氷室くんと一緒なんだもん。楽しくて仕方ないの。あ、お菓子食べる?」
「ははっ!遠足のおやつだな」

ちょっとしたデート気分を味わっていたが、あっという間に名古屋駅に着き、タクシーに乗り換えて目的地までたどり着いた。

「もう着いちゃったね。って、見て!氷室くん、お城だよ、素敵!」

おとぎ話に出てくるような真っ白な外壁と青い屋根のお城が見えてきて、めぐは目を輝かせる。
早く行こう!と弦の手を引いてエントランスに近づくと、パークの制服を着た女性スタッフが声をかけてきた。

「こんにちは!グレイスフル ワールドの雪村さんと氷室さんですね?」

めぐはパッと弦の手を離して姿勢を正す。

「はい、そうです。初めまして」
「初めまして。私はここフェアリーランドの広報担当、衣笠きぬがさと申します。お二人の滞在中は私がご案内いたしますね」
「雪村と氷室です。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそ。では早速パークの中へどうぞ」

赤いタータンチェックのロングコートにチロリアンハットを被った衣笠は、小柄でキュートな、まさにおとぎの国の女の子のような雰囲気だった。

「こちらにいらっしゃるのは初めてなんですよね?」

歩きながら衣笠が振り返り、めぐは頷く。

「はい。ずっと来てみたかったんです。うちのグレイスフル ワールドはリアリティーを大切にしているので、こういうファンタジーの世界に憧れていて」
「そうなんですね。そう言っていただけると嬉しいです。グレイスフル ワールドは世界旅行気分を味わえる、リアルなパークですよね。私、いつもテレビで雪村さんと氷室さんを拝見しているので、今日は芸能人にお会いしたような気分です」
「ええ?まさか、そんな」
「本当ですよ、なんだか緊張します。でもお二人ともテレビで見るより更に素敵ですね。憧れちゃうなあ」

頬に手を当ててうっとりする衣笠は、年齢は同じくらいに見えるが仕草がなんとも可愛らしい。
それがまた、このフェアリーランドの雰囲気にも合っている。

メルヘンな街並みに見とれながら歩いていると、やがて大きな宮殿のような建物が見えてきた。

「あちらがキャッスルホテルです。まずはお部屋にご案内しますね。少し休憩してください」
「えっ、あんなに素敵なお城がホテルなんですか?」
「ええ、そうです。お二人にはスイートルームをご用意しました」
「スイートルーム!?そんな、普通のお部屋で構わないです」
「いえ、閑散期なので空きがたくさんありまして。どうせなら1番いいお部屋に泊まっていただきたいのです。グレイスフル ワールドのホテルよりは格が落ちると思いますけど」
「まさか、そんな。可愛らしさに既にやられてます」

めぐがそう言うと、衣笠はふふっと笑う。

「雪村さん、とってもお綺麗なのに気さくな方で安心しました。今日はこのあと、お二人で好きなところを回ってくださいね。明日は歓迎セレモニーがありますので、よろしくお願いします」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」

両パークが友好な関係であることをアピールする為、記念写真を撮ることになっており、めぐも弦もパークの制服を持参していた。

「それでは、こちらがスイートルームです」

ゴージャスな内装のロビーからエレベーターで6階まで上がり、突き当たりの部屋のドアを衣笠が開ける。
中に足を踏み入れためぐは、優雅な雰囲気の部屋と窓の外に広がる景色に感嘆の声を上げた。

「わあ、とっても素敵!ね、氷室くん」
「ああ、そうだな。家具も上質で高級なものばかりだし」

すると衣笠が嬉しそうな笑顔を浮かべる。

「ありがとうございます。喜んでいただけてホッとしました。ベッドルームは左右に2部屋ありますので、お一人ずつご利用いただけます。それからこちらがパークのパスポートとミールクーポンです。今日は終日ご自由に楽しんでください。もし必要であれば、私も同行しましょうか?」

聞かれてめぐは首を振る。

「いいえ、大丈夫です。衣笠さん、ありがとうございました」
「どういたしまして。何かありましたらいつでもこちらの番号にご連絡ください」

そう言って差し出された名刺を受け取り、めぐと弦も自分の名刺を差し出した。

「わあ、雪村さんと氷室さんの名刺いただいちゃった」

嬉しそうに笑う衣笠は、どこまでもキュートだった。



「素敵なところだね。まさにおとぎの国」

ホテルでひと息つくと、二人は早速パークに繰り出した。
弦と手を繋ぎ、めぐはあちこちに目を奪われる。

「しかも氷室くんと初めてのデート!もう夢の世界だね。仕事だけど」
「ははっ!確かにな。でも純粋に楽しもう。端から端まで見て回るぞ」
「うん!早く行こう。アトラクションも楽しそうだよ。それになんと、絶叫マシンがないの!」
「それは良かったな、めぐ」

虹をくぐり星空を飛ぶ魔法のカーペットに乗ったり、美しいお城の舞踏会のショーを観たりと、二人は記録用の写真を撮りながらパークを巡る。
チュロスやポップコーンの食べ歩きメニューやお土産もたくさん買い、湖のほとりにあるレストランでディナーを味わった。

夜のショーと花火も楽しんでから、二人は大満足でホテルの部屋に帰った。

「楽しかったね。うちのパークとはまた違った非日常感。子どもはもちろんだけど、大人も童心に帰って楽しめる……って感じかな?」

パソコンをカタカタと入力しながら、めぐはソファでレポートをまとめる。

「それにほら、マスコットキャラクターのフェアリーちゃん!可愛いよね。グッズも色んなのがあって、子ども達にも大人気だし」
「ああ、そうだな。うちは大人をターゲットにしてるしリアリティーを大事にしてるからマスコットキャラクターはいないけど、やっぱりいるといいな」
「うん。今は私達がゆるキャラ代わりに宣伝活動してるもんね。でもいてくれたらいいなあ」
「ポリシーに反するから難しいかも。けどやっぱり家族連れで遊びに来たら、子どもが楽しめるエリアもあるといいよな。そういった場所限定でキャラクターを作ってもいいかも」
「あ、なるほど」

弦の言葉にめぐは頷く。

「そしたら、例えばだよ?スイスやアルプスのエリアに可愛い女の子のキャラがいたり、オーストラリアにはカンガルーやコアラのグッズを展開したり、とかは?」
「おお、それいいな!その国の雰囲気を壊さずにそういう可愛らしさを入れていくの」
「うん。ロシアのマトリョーシカのお土産も、そのキャラで作ったり」
「いいね。名前はグレイスちゃんとか?」
「あはは!うん、グレイスちゃん。ロイヤルブルーがうちのテーマカラーだから、洋服もその色で。んーっと、こんな感じかな?」

めぐがノートにさらさらと鉛筆で女の子の絵を描くと、弦は眉間にしわを寄せた。

「めぐ……、絵心は壊滅的だな。妖怪にしか見えん。子どもが泣き出しそう」
「えー、酷くない?お口がにっこりしてて可愛いでしょ?」
「怖い、夢でうなされそう」
「ちょっと、氷室くん?」
「まあまあ。アイデアはいいと思うから、企画課に提案しようか」
「うん!うちの新たな魅力になるといいな。明日歓迎セレモニーでフェアリーちゃんに会えるから、色々参考にさせてもらおう」
「そうだな。さてと、そろそろ寝るか」

弦は立ち上がるとめぐの荷物を持ち、リビングに繋がるベッドルームに運んだ。

「めぐがこっちの部屋でいいか?」

振り返ると、めぐは頬を膨らませてむくれている。

「なんだ?あっちの部屋がいいの?」
「違う。氷室くんと同じ部屋がいい」
「一人で寝るのが怖いのか?」
「どうしてそうなるの!おかしいでしょ?私達つき合ってるのに別々の部屋で寝るとか」
「別におかしくないだろ?」
「おかしいもん!」

そう言うとめぐは、ガシッと正面から弦に抱きついた。

「なにそれ?」
「くっつき虫。離れませんから」
「はいー?バカなこと言ってないで……」
「バカじゃないもん!」

めぐは弦が部屋から出て行こうとしても、ピタリとくっついて離れない。
はあ、とため息をついた弦は、ピンとひらめいた。

「めぐ、俺今からシャワー浴びるけど?」

途端にめぐはパッと離れる。
よしっ!と弦はガッツポーズをして「じゃあな」と出て行った。



「氷室くんめー、このままで済むと思ったら大間違いよ」

めぐはバスタブに浸かりながら、メラメラと闘志を燃やす。

「大体さ、俺の方がめぐを好きな気持ちが大きいって言うけど、どこがなの?もう片時も君を離さないよ!っていうのなら分かるけど。せっかく二人きりの夜なのに、あっさり『あばよ!』って」

ブツブツ呟いているうちに本気で腹が立ってきた。

「おやすみのチューもないんだよ?それで恋人だって言えますか?いいえ、言えません!もらいに行きましょうとも、おやすみチューを」

ザバッとお湯から出ると、身体を拭いてバスローブを着る。
髪も乾かして寝る支度を整えると、「あとはチューだけ!」と拳を握りしめて部屋を出た。

同じ頃、シャワーを浴びた弦はバスローブ姿でビールを飲んでいた。
コンコンと部屋のドアがノックされて、思わずビクッとする。

「氷室くん、入っていい?」
「いや、ちょっとだめ」

焦りながら必死で声を落ち着かせた。
ホテルでめぐと二人きりなんて、手を出さない訳がない。
だがめぐはまだ軽くキスしただけで頬を染めるような純情さだ。
絶対に今の自分は獣にしか思われないだろう。

(めぐの為にも俺の為にも、頼むから来ないでくれー)

心の中で念じるが、全く通じなかった。

「今はだめなの?いつならいいの?」
「いや、いつでもだめ」
「どうして?ちょっとだけならいいでしょ?」
「そのちょっとが、ちょっとじゃなくなるんだ」
「何言ってるの?もう、入るよ?」
「だめだ!」

慌ててドアに向かうが遅かった。
それどころかドアを開けためぐを自分の胸で抱き留める形になってしまい、弦は一気に身体中が熱くなる。

「……氷室くん」

バスローブ姿のめぐを思わずギュッと抱きしめた。
風呂上りのめぐから甘くていい香りがして、思わず息を吸い込む。
いつもはまとめている髪をサラリとなでると、顔をうずめて耳元にくちづけた。

「めぐ……」
「んっ……」

耳に吐息がかかっただけで身体をピクンとさせるウブな反応のめぐは、汚れのない聖女のようだった。
弦はグッと唇を噛みしめて、めぐの身体を引き離す。

「めぐ、ほら。部屋に戻って寝な」
「でも、氷室くんと一緒にいたい」
「今はだめだ」
「どうして?どうやったら一緒にいてくれるの?」

潤んだ瞳で見上げられれば、理性はもはや彼方へと飛んでいきそうになる。
弦はわざと視線をそらした。

「今回は仕事で来てるだろ?この部屋だって用意してもらった部屋だ。だからプライベートは切り離そう。な?」
「……うん、そうだね」
「それにめぐ、まだ俺のこと名前で呼んでくれないだろ?まずはそこからだ。少しずつ恋人としての時間を重ねていこう」
「そ、そんなの!ちゃんと出来るよ、すぐに出来るから」

思いがけず必死に訴えてくるめぐに、弦は面食らう。

(この場をやり過ごす為にちょっといじわるな事を言ってしまったのに)

めぐは真剣な表情でギュッと自分の手を握ると、意を決したように弦を見上げた。

「大好きです、弦くん」

ドキューンと弦のハートが打ち抜かれる。
頭の中が真っ白になり、何も考えられず、動けない。

そんな弦の肩に手を置くと、めぐは背伸びをしてチュッと可愛くキスをする。

「おやすみなさい、弦くん。また明日ね」

耳元でささやくと、スルリと弦の腕をすり抜けて部屋を出て行った。

「ちっきしょー!なんだよあれ、完全に反則だろ!」

そのあと弦がベッドに突っ伏し、バタバタと暴れ回ったのは言うまでもなかった。



「おはようございます、雪村さん、氷室さん。よくお休みになれましたか?」

翌朝、10時に部屋にやって来た衣笠にめぐはにっこり微笑む。

「はい、ぐっすり。衣笠さん、とても豪華なお部屋をありがとうございました」
「いいえ、喜んでいただけて良かったです。ではこのあとの歓迎セレモニーについてお話しさせていただきますね」

ソファに座って衣笠の説明を受けると、めぐと弦はグレイスフル ワールドの制服に着替えた。
めぐの胸元にはいつものブルースターのネックレスが輝いている。

「わあ、お二人ともとっても素敵!美男美女に磨きがかかって、もう本当に芸能人にしか思えません」

感激した面持ちの衣笠に苦笑いして、めぐと弦は出かける支度を整えた。

「それではパークのイベントスペースにご案内しますね。そこで弊社の社長から記念品の贈呈がありまして、マスコミがその様子を撮影します。そのあとフェアリーちゃんと私も並んでフォトセッションとなります」
「はい!フェアリーちゃん、楽しみです」

わくわくしながら衣笠に続いてパークを歩いて行く。
小人の街がテーマのエリアを抜けると、昨日舞踏会のショーを観たステージが見えてきた。

「あちらです。もうマスコミが来てますので、先に裏手に回って社長からご挨拶させていただきますね」
「はい」

さすがのめぐも、緊張感が高まって来た。
ステージの裏に行くと、スーツを着た年配の男性が何人か立ち話をしている。

「社長、雪村さんと氷室さんをお連れしました」

衣笠が声をかけると、一斉に振り返る。

「おお、これはこれは。遠いところをようこそお越しくださいました。フェアリーランド運営会社の社長をしております、野村のむらです」
「初めまして、グレイスフル ワールド広報課の雪村と氷室と申します。本日はお招きいただきまして誠にありがとうございます。お目にかかれて大変光栄です」

めぐと弦は社長に挨拶して名刺を交換した。

「いやー、お二人ともこんなにもイケメンと美女で、やはり格が違いますな。グレイスフル ワールドが高級感と本物志向を売りにしているのがよく分かります」
「いえ、そんな。こちらのフェアリーランドもメルヘンやファンタジーの可愛らしい雰囲気で、とても素敵ですね」
「まあ、お互いそれぞれに良さがありますよね。今後はもっとアイデアを交換し合える関係を築いていきたいと思っておりますので、末永くよろしく」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」

時間になると、衣笠が進行役としてステージに上がりマイクを握った。
社長が登壇して挨拶すると、いよいよめぐと弦も招かれてステージに上がる。
友好の証の楯を受け取り、マスコミのカメラに笑顔を向ける。
最後にフェアリーちゃんも登場して、記念撮影となった。

が、弦の隣に並んだフェアリーちゃんはやたら弦にぴたりと寄り添い、うふふと言わんばかりのポーズで愛想を振りまく。

(ちょっと、近過ぎない?)

めぐはカメラに向かって微笑みつつ、横目でフェアリーちゃんの動きをうかがっていた。



「ありがとうございました。以上でセレモニーは終了です」

ステージを下りて裏手に回ると、衣笠がめぐと弦に挨拶した。

「これはお二人への記念品です。はい、フェアリーちゃん渡してね」

衣笠から紙袋を受け取ったフェアリーちゃんは、迷うことなく弦に歩み寄る。

「ありがとう、フェアリーちゃん」

弦がにっこり受け取ると、フェアリーちゃんは弦の腕を取ってムギュッと抱きついた。

「あー!フェアリーちゃん?私へのお土産はないのかしら?」

めぐがすかさず二人の間に割って入ると、フェアリーちゃんは「ほい」とばかりにめぐに紙袋を差し出す。

「ありがとう!」

弦の前に立ちはだかってお礼を言うめぐに、やれやれと弦は肩をすくめた。

その後、社長達とランチを食べながら和やかに意見交換をし、無事に視察は終わる。
めぐと弦は一度ホテルに戻って着替えてから、パークの出口で衣笠と最後の挨拶をした。

「衣笠さん、色々とお世話になりました」
「こちらこそ。お二人とも今回は本当にありがとうございました」
「衣笠さんもぜひグレイスフル ワールドにお越しください。今度は私達がおもてなししますので」
「はい、いつかきっと伺います」
「楽しみにしていますね」

笑顔で手を振ってパークをあとにする。
ようやく仕事が終わり、めぐはホッと肩の力を抜くと、弦の手をギュッと握った。

「ん?どした、めぐ」
「だってフェアリーちゃんがべったりくっついてたんだもん」
「へ?フェアリーちゃんにヤキモチ焼いてんの?」
「当たり前だよ。私の彼氏なのに」
「お子ちゃまだな、どっちも」

するとめぐはうつむいて立ち止まる。

「めぐ?」
 
弦も立ち止まってめぐの顔を覗き込んだ。

「子ども扱いしないで。私だって今に大人の恋愛出来るようになってみせるからね!」

そう言ってキッと弦を見上げると、背伸びをして弦の頬にキスをする。

「ほら、行くわよ」

再び歩き始めためぐに手を引かれて、弦はひとりごちる。

「なんか、違うんだけど……。翻弄されてる?俺」
「ん?何か言った?」
「いえ、何も」

真顔に戻り、弦はおとなしくめぐについて行った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

思い出のチョコレートエッグ

ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。 慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。 秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。 主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。 * ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。 * 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。 * 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。

オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2

櫻井音衣
恋愛
会社は賃金を得るために 労働する場所であって、 異性との出会いや恋愛を求めて 来る場所ではない。 そこにあるのは 仕事としがらみと お節介な優しい人たちとの ちょっと面倒な人間関係だけだ。 『オフィスにはラブなんて落ちていない』 それが持論。 ある保険会社の支部内勤事務員で 社内では評判の “明るく優しく仕事の速い内勤さん” 菅谷 愛美 、もうすぐ27歳、独身。 過去のつらい恋愛経験で心が荒み、 顔で笑っていつも心で毒を吐く。 好みのタイプは 真面目で優しくて性格の穏やかな 草食系眼鏡男子。 とにかく俺様男は大嫌い!! ……だったはず。 社内でも評判の長身イケメンエリートで 仏頂面で無茶な仕事を押し付ける 無愛想な俺様支部長 緒川 政弘、33歳、独身。 実は偽装俺様の彼は仕事を離れると 従順な人懐こい大型犬のように可愛く、 とびきり甘くて優しい愛美の恋人。 愛美と“政弘さん”が付き合い始めて4か月。 仕事で忙しい“政弘さん”に 無理をさせたくない愛美と 愛美にもっとわがままを言って 甘えて欲しい“政弘さん”は お互いを気遣い遠慮して 言いたい事がなかなか言えない。 そんなある日、 二人の関係を揺るがす人物が現れて……。

君までの距離

高遠 加奈
恋愛
普通のOLが出会った、特別な恋。 マンホールにはまったパンプスのヒールを外して、はかせてくれた彼は特別な人でした。

残業帰りのカフェで──止まった恋と、動き出した身体と心

yukataka
恋愛
終電に追われる夜、いつものカフェで彼と目が合った。 止まっていた何かが、また動き始める予感がした。 これは、34歳の広告代理店勤務の女性・高梨亜季が、残業帰りに立ち寄ったカフェで常連客の佐久間悠斗と出会い、止まっていた恋心が再び動き出す物語です。 仕事に追われる日々の中で忘れかけていた「誰かを想う気持ち」。後輩からの好意に揺れながらも、悠斗との距離が少しずつ縮まっていく。雨の夜、二人は心と体で確かめ合い、やがて訪れる別れの選択。 仕事と恋愛の狭間で揺れながらも、自分の幸せを選び取る勇気を持つまでの、大人の純愛を描きます。

初恋の呪縛

泉南佳那
恋愛
久保朱利(くぼ あかり)27歳 アパレルメーカーのプランナー × 都築 匡(つづき きょう)27歳 デザイナー ふたりは同じ専門学校の出身。 現在も同じアパレルメーカーで働いている。 朱利と都築は男女を超えた親友同士。 回りだけでなく、本人たちもそう思っていた。 いや、思いこもうとしていた。 互いに本心を隠して。

【完結】結婚式の隣の席

山田森湖
恋愛
親友の結婚式、隣の席に座ったのは——かつて同じ人を想っていた男性だった。 ふとした共感から始まった、ふたりの一夜とその先の関係。 「幸せになってやろう」 過去の想いを超えて、新たな恋に踏み出すラブストーリー。

アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚

日下奈緒
恋愛
仕事の契約を打ち切られ、年末をあと1か月残して就職活動に入ったつむぎ。ある日街で車に轢かれそうになるところを助けて貰ったのだが、突然週末婚を持ち出され……

Fly high 〜勘違いから始まる恋〜

吉野 那生
恋愛
平凡なOLとやさぐれ御曹司のオフィスラブ。 ゲレンデで助けてくれた人は取引先の社長 神崎・R・聡一郎だった。 奇跡的に再会を果たした直後、職を失い…彼の秘書となる本城 美月。 なんの資格も取り柄もない美月にとって、そこは居心地の良い場所ではなかったけれど…。

処理中です...