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誕生日と結婚記念日
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「すみれ、お誕生日おめでとう!」
瑠璃と一生が声を揃えてそう言うと、すみれは嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
今日、6月2日は、すみれの3歳の誕生日。
ダイニングテーブルの上のホールケーキには、3本のろうそくと、名前入りのチョコプレートも飾られている。
「さあ、ろうそく吹き消してね。あ、その前にお願い事してね」
「おねがいごと?」
「そう。目をつぶってお願いするの」
すみれは頷くと、手を組んでうつむいた。
「げんきにあかちゃんがうまれますように」
「ふふふ、ありがとう。じゃあろうそくに、ふうーってしてね」
すみれは大きく息を吸い込むと、ふうーっと一気にろうそくの火を吹き消した。
瑠璃と一生は、拍手で祝う。
「おめでとう!すみれ。はい、お誕生日プレゼント」
「ありがとう!あけてもいい?」
「もちろん!」
すみれは、大きな布に包まれたプレゼントを受け取ると、結んであるリボンをほどく。
中を覗き込んで、わあ!と嬉しそうに目を輝かせた。
「かわいい!うさぎさんのぬいぐるみ!」
一生が、そっと取り出して渡すと、胸にギュッと抱きしめて頬を寄せる。
「わあ、ふわふわ」
瑠璃は、そんなすみれの写真を撮ると微笑んだ。
「瑠璃。はい、これ」
ふいに一生に声をかけられ、瑠璃は、え?と顔を向ける。
目の前に、ピンクのバラの花束が差し出されていた。
「まあっ!なんて綺麗…。一生さん、これは?」
「結婚記念日に、瑠璃への感謝の気持ちを込めて」
「え、あっ!結婚記念日…。ありがとうございます。ごめんなさい、私、何も用意してなくて…」
すみれの誕生日ばかりが頭にあり、すっかり結婚記念日の事を忘れていた。
「いいんだよ。瑠璃には、いつもたくさんの幸せをもらってる。すみれが産まれてきてくれたのも、赤ちゃんが産まれてくるのも、全部瑠璃のおかげだよ。ありがとう」
「そんな…私の方こそ、一生さんのおかげで毎日幸せでいられます。ありがとう」
見つめ合って微笑む二人に、すみれが笑いかける。
「とうさまとかあさま、なかよしね」
思わず二人は笑い出す。
「ああ、そうだよ。とうさまもかあさまも、すみれも、産まれてくる赤ちゃんも。みんなみんな、仲良しだよ」
一生が瑠璃とすみれの肩を抱きしめてそう言い、皆で笑い合った。
すみれは、プレゼントのぬいぐるみをすっかり気に入り、胸に抱きしめたまま眠りにつく。
瑠璃はそっと頭をなで、お休み、すみれと呟いてからおでこにキスをした。
リビングに戻ると、飾ったばかりのピンクのバラの花束が目に飛び込んでくる。
瑠璃はまた幸せな気持ちになった。
一生と二人でソファに座り、改めてシャンメリーで乾杯する。
「来年は、四人でお祝いだね」
「そうね」
瑠璃のお腹に二人は手を重ねる。
「男の子かな?女の子かな?」
「一生さん、知りたい?主治医の先生は、もう分かったって仰ってたの」
「瑠璃は?教えてもらったの?」
「ううん。すみれの時と同じように、産まれてからのお楽しみにしたくて」
「じゃあ今回もそうしよう」
一生はそう言って微笑んだが、瑠璃のお腹を見ながら、でも気になるな…と呟く。
「どっちだろうなー。瑠璃はどう思う?」
「ええー?分からない。つわりとか体調も、すみれの時とあまり変わらないし…」
「じゃあ、女の子かな?」
「でも、叶恵ちゃんは男の子じゃないかって言うの。私の顔つきが違うからって」
一生は、少し離れて瑠璃の顔を見る。
「そうかな?いつもの可愛い瑠璃にしか見えない」
「ちょ、やだ!一生さんたら。真面目な顔でなんてことを…」
両手で頬を押さえる瑠璃にクスッと笑ってから、一生は、ふと真顔に戻って瑠璃にキスをする。
瑠璃は、ますます顔を赤らめてうつむいた。
「何年経っても可愛いよ。何年経っても瑠璃が好きだ。いや、前よりももっともっと、瑠璃への想いが募っていく。俺はずっとずっとこの先も、瑠璃に恋し続けるんだろうな」
一生に見つめられて、照れたように笑いながら瑠璃も口を開く。
「私も、いつもいつも一生さんのことが大好きです。一生さんに優しく触れられると、胸がキュッてなって、凄く幸せなの。ずっとずっと、私は一生さんのそばにいたいです」
一生は、優しく微笑んで瑠璃を抱きしめる。
「ずっとずっと一緒にいるよ。それが俺達二人の願いだから」
「ええ」
一生は、瑠璃の潤んだ瞳を覗き込むと、またゆっくりとキスをする。
二人は時間を忘れて何度もキスを交し、幸せを胸いっぱいに感じていた。
瑠璃と一生が声を揃えてそう言うと、すみれは嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
今日、6月2日は、すみれの3歳の誕生日。
ダイニングテーブルの上のホールケーキには、3本のろうそくと、名前入りのチョコプレートも飾られている。
「さあ、ろうそく吹き消してね。あ、その前にお願い事してね」
「おねがいごと?」
「そう。目をつぶってお願いするの」
すみれは頷くと、手を組んでうつむいた。
「げんきにあかちゃんがうまれますように」
「ふふふ、ありがとう。じゃあろうそくに、ふうーってしてね」
すみれは大きく息を吸い込むと、ふうーっと一気にろうそくの火を吹き消した。
瑠璃と一生は、拍手で祝う。
「おめでとう!すみれ。はい、お誕生日プレゼント」
「ありがとう!あけてもいい?」
「もちろん!」
すみれは、大きな布に包まれたプレゼントを受け取ると、結んであるリボンをほどく。
中を覗き込んで、わあ!と嬉しそうに目を輝かせた。
「かわいい!うさぎさんのぬいぐるみ!」
一生が、そっと取り出して渡すと、胸にギュッと抱きしめて頬を寄せる。
「わあ、ふわふわ」
瑠璃は、そんなすみれの写真を撮ると微笑んだ。
「瑠璃。はい、これ」
ふいに一生に声をかけられ、瑠璃は、え?と顔を向ける。
目の前に、ピンクのバラの花束が差し出されていた。
「まあっ!なんて綺麗…。一生さん、これは?」
「結婚記念日に、瑠璃への感謝の気持ちを込めて」
「え、あっ!結婚記念日…。ありがとうございます。ごめんなさい、私、何も用意してなくて…」
すみれの誕生日ばかりが頭にあり、すっかり結婚記念日の事を忘れていた。
「いいんだよ。瑠璃には、いつもたくさんの幸せをもらってる。すみれが産まれてきてくれたのも、赤ちゃんが産まれてくるのも、全部瑠璃のおかげだよ。ありがとう」
「そんな…私の方こそ、一生さんのおかげで毎日幸せでいられます。ありがとう」
見つめ合って微笑む二人に、すみれが笑いかける。
「とうさまとかあさま、なかよしね」
思わず二人は笑い出す。
「ああ、そうだよ。とうさまもかあさまも、すみれも、産まれてくる赤ちゃんも。みんなみんな、仲良しだよ」
一生が瑠璃とすみれの肩を抱きしめてそう言い、皆で笑い合った。
すみれは、プレゼントのぬいぐるみをすっかり気に入り、胸に抱きしめたまま眠りにつく。
瑠璃はそっと頭をなで、お休み、すみれと呟いてからおでこにキスをした。
リビングに戻ると、飾ったばかりのピンクのバラの花束が目に飛び込んでくる。
瑠璃はまた幸せな気持ちになった。
一生と二人でソファに座り、改めてシャンメリーで乾杯する。
「来年は、四人でお祝いだね」
「そうね」
瑠璃のお腹に二人は手を重ねる。
「男の子かな?女の子かな?」
「一生さん、知りたい?主治医の先生は、もう分かったって仰ってたの」
「瑠璃は?教えてもらったの?」
「ううん。すみれの時と同じように、産まれてからのお楽しみにしたくて」
「じゃあ今回もそうしよう」
一生はそう言って微笑んだが、瑠璃のお腹を見ながら、でも気になるな…と呟く。
「どっちだろうなー。瑠璃はどう思う?」
「ええー?分からない。つわりとか体調も、すみれの時とあまり変わらないし…」
「じゃあ、女の子かな?」
「でも、叶恵ちゃんは男の子じゃないかって言うの。私の顔つきが違うからって」
一生は、少し離れて瑠璃の顔を見る。
「そうかな?いつもの可愛い瑠璃にしか見えない」
「ちょ、やだ!一生さんたら。真面目な顔でなんてことを…」
両手で頬を押さえる瑠璃にクスッと笑ってから、一生は、ふと真顔に戻って瑠璃にキスをする。
瑠璃は、ますます顔を赤らめてうつむいた。
「何年経っても可愛いよ。何年経っても瑠璃が好きだ。いや、前よりももっともっと、瑠璃への想いが募っていく。俺はずっとずっとこの先も、瑠璃に恋し続けるんだろうな」
一生に見つめられて、照れたように笑いながら瑠璃も口を開く。
「私も、いつもいつも一生さんのことが大好きです。一生さんに優しく触れられると、胸がキュッてなって、凄く幸せなの。ずっとずっと、私は一生さんのそばにいたいです」
一生は、優しく微笑んで瑠璃を抱きしめる。
「ずっとずっと一緒にいるよ。それが俺達二人の願いだから」
「ええ」
一生は、瑠璃の潤んだ瞳を覗き込むと、またゆっくりとキスをする。
二人は時間を忘れて何度もキスを交し、幸せを胸いっぱいに感じていた。
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