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23 扉が開く時(ダニエル視点)
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契約を解除してからは、夢のような日々を過ごしている。
好きなだけトリシアに愛を囁き、抱き締める事が出来るのだ。
だが、大きな問題も残っていて・・・。
「そろそろ、夫婦の寝室を使わないか?」
勇気を出してそう言うと、トリシアの頬が一瞬で真っ赤になった。
使用人達も、固唾を飲んで見守っている。
私の部屋とトリシアの部屋の間には、公爵夫妻の寝室がある。
しかし、契約結婚だった私達は、勿論その部屋を使った事は無い。
トリシアの部屋側の扉に鍵を掛けて、封鎖してあるのだ。
結婚式後の初夜をスルーしてしまった私達は、同じ部屋で寝る切っ掛けを失っていた。
このままでは、一生清い関係のままである。
契約結婚だった頃は、それでも仕方ないと覚悟していたのだが、気持ちが通じたのであれば、触れたいと思うのは当然だろう。
「直ぐで無くても構わない。
トリシアの心の準備が整うまで待つから、ゆっくり検討して欲しい」
「はい」
消え入りそうな声でそう答えたトリシアを見て、まだ早かったかと少し申し訳無い気持ちになった。
それから10日程経った、ある日。
「奥様が、明日からは旦那様と同じお部屋でお休みになるそうです」
就寝する直前、マリベルが笑みを隠せない様子で、ニヨニヨと報告しに来た。
翌日のトリシアは挙動不審で、私と目が合っただけで、ポッと頬を染めて、オロオロと視線を彷徨わせる。
非常に可愛らしい。
もしもトリシアが怖がったら、暫くの間は、抱き締めて眠るだけで我慢しようか。
無理はさせたくない。
ある意味、今まで以上の禁欲生活になるが、それも仕方あるまい。
そう決意したのだが・・・・・・。
夜になって夫婦の寝室に入れば、セクシーな薄い夜着に身を包んだトリシアが、恥じらいながらベッドの縁にちょこんと座っている。
隣に座ると、涙目で見上げて来た。
えっ?可愛過ぎない?
上目遣い+涙目の破壊力が半端無い。
これ、野放しにしたらヤバくないか?
いっその事、何処かに閉じ込め・・・・・・
危なっっ!!
もう少しで危険な願望に支配される所だった。
そして、彼女の可愛らしい唇が開いて飛び出した言葉は、更に凄まじい破壊力だった。
「・・・か、可愛がって、くださいませ」
誰だよ、こんなけしからん台詞をトリシアに教えたのは。
マリベルか?
よし、特別報酬を出そう。
「そんな可愛い事言われると、手加減出来なくなりそうだ」
この時点で、『添い寝で我慢』の選択肢は完全に消失した。
いや、マジで。
この状況で、ぶっ飛びそうになる理性を、ギリギリで保った私を、誰か褒めて欲しい。
軽く肩に触れただけで、ビクッと震えるトリシアの顔を覗き込む。
「緊張しているね。大丈夫?」
余裕があるフリをしてそう聞くと、トリシアが小さく頷いた。
「少し・・・怖いけど」
「私もだよ。
今迄の人生で一番緊張しているし、君を怖がらせる事が、怖い」
「ふふっ」と、小さく笑ったトリシアの髪をそっと撫でると、栗色の瞳が微かに揺れた。
「トリシア、愛してるよ」
薄紅色の艶やかな唇が「私も」と、吐息混じりに囁く。
その唇に誘われるように、結婚式以来の口付けをした。
───翌朝、目が覚めると、隣に人肌の温もりを感じて安堵した。
(良かった。夢じゃなかった)
ゆっくりとそちらに顔を向けると、隣でスヤスヤと寝息を立てる天使の顔が目に入る。
露出した肩が艶かしくて、昨夜の彼女を思い出してしまいそうになり、そっと毛布を掛けた。
(朝から刺激が強すぎる)
暫く寝顔を愛でていた。
この天使が私の妻なのだと思うと、口元が自然と緩む。
その存在を確かめたくなって、思わず頬に触れると、微かに顔を顰めた天使が、ゆっくりと瞼を開いた。
「おはよう、トリシア」
視線が絡まると、驚いた様に目を見張り、ややあって状況を理解したらしい。
見る見る真っ赤になった彼女は、ガバッと頭まで毛布に潜ってしまった。
(残念。逃げられた。
もう少しだけ、大人しく寝顔を見ていれば良かったな)
モコモコした毛布の塊になってしまったトリシアの頭(らしき部分)を撫でながら、幸せを噛み締める。
「身体は大丈夫?」
するとモコモコの塊が、無言でコクコクと頷いた。
「ねぇトリシア、君の可愛い顔を見せてくれないか?」
今度はブンブンと首を横に振る。
(ダメかぁ。仕方ないなぁ)
苦笑しながら、毛布に包まったままの彼女を、ギュッと抱き締めた。
「ひゃあっ」と小さな悲鳴があがる。
結婚式の後は、軽く触れただけの口付けに照れて、確か、一週間程様子がおかしくなった。
今回は、それ以上も覚悟しなければならないな。
まあ、いいか。
そんな所も可愛いから。
─────────────────
《おまけ》
ダ「あの台詞を教えたのはマリベルか?」
マ「そうですよ。だって、下手したら、慣れるまで手を繋いで寝ようとか言い出しそうだったので」
ダ「な、何故分かった!?」
マ「何年坊ちゃんに仕えていると思ってるんですか?」
ダ「・・・坊ちゃんって呼ぶな」
マ「大体、結婚式以来、唇へのキスをしてなかったなんて、そんな情けない男に育てた覚えはありません!
魔法使いでも目指してたんですか!?」
ダ「・・・・・・」←何も言えない
好きなだけトリシアに愛を囁き、抱き締める事が出来るのだ。
だが、大きな問題も残っていて・・・。
「そろそろ、夫婦の寝室を使わないか?」
勇気を出してそう言うと、トリシアの頬が一瞬で真っ赤になった。
使用人達も、固唾を飲んで見守っている。
私の部屋とトリシアの部屋の間には、公爵夫妻の寝室がある。
しかし、契約結婚だった私達は、勿論その部屋を使った事は無い。
トリシアの部屋側の扉に鍵を掛けて、封鎖してあるのだ。
結婚式後の初夜をスルーしてしまった私達は、同じ部屋で寝る切っ掛けを失っていた。
このままでは、一生清い関係のままである。
契約結婚だった頃は、それでも仕方ないと覚悟していたのだが、気持ちが通じたのであれば、触れたいと思うのは当然だろう。
「直ぐで無くても構わない。
トリシアの心の準備が整うまで待つから、ゆっくり検討して欲しい」
「はい」
消え入りそうな声でそう答えたトリシアを見て、まだ早かったかと少し申し訳無い気持ちになった。
それから10日程経った、ある日。
「奥様が、明日からは旦那様と同じお部屋でお休みになるそうです」
就寝する直前、マリベルが笑みを隠せない様子で、ニヨニヨと報告しに来た。
翌日のトリシアは挙動不審で、私と目が合っただけで、ポッと頬を染めて、オロオロと視線を彷徨わせる。
非常に可愛らしい。
もしもトリシアが怖がったら、暫くの間は、抱き締めて眠るだけで我慢しようか。
無理はさせたくない。
ある意味、今まで以上の禁欲生活になるが、それも仕方あるまい。
そう決意したのだが・・・・・・。
夜になって夫婦の寝室に入れば、セクシーな薄い夜着に身を包んだトリシアが、恥じらいながらベッドの縁にちょこんと座っている。
隣に座ると、涙目で見上げて来た。
えっ?可愛過ぎない?
上目遣い+涙目の破壊力が半端無い。
これ、野放しにしたらヤバくないか?
いっその事、何処かに閉じ込め・・・・・・
危なっっ!!
もう少しで危険な願望に支配される所だった。
そして、彼女の可愛らしい唇が開いて飛び出した言葉は、更に凄まじい破壊力だった。
「・・・か、可愛がって、くださいませ」
誰だよ、こんなけしからん台詞をトリシアに教えたのは。
マリベルか?
よし、特別報酬を出そう。
「そんな可愛い事言われると、手加減出来なくなりそうだ」
この時点で、『添い寝で我慢』の選択肢は完全に消失した。
いや、マジで。
この状況で、ぶっ飛びそうになる理性を、ギリギリで保った私を、誰か褒めて欲しい。
軽く肩に触れただけで、ビクッと震えるトリシアの顔を覗き込む。
「緊張しているね。大丈夫?」
余裕があるフリをしてそう聞くと、トリシアが小さく頷いた。
「少し・・・怖いけど」
「私もだよ。
今迄の人生で一番緊張しているし、君を怖がらせる事が、怖い」
「ふふっ」と、小さく笑ったトリシアの髪をそっと撫でると、栗色の瞳が微かに揺れた。
「トリシア、愛してるよ」
薄紅色の艶やかな唇が「私も」と、吐息混じりに囁く。
その唇に誘われるように、結婚式以来の口付けをした。
───翌朝、目が覚めると、隣に人肌の温もりを感じて安堵した。
(良かった。夢じゃなかった)
ゆっくりとそちらに顔を向けると、隣でスヤスヤと寝息を立てる天使の顔が目に入る。
露出した肩が艶かしくて、昨夜の彼女を思い出してしまいそうになり、そっと毛布を掛けた。
(朝から刺激が強すぎる)
暫く寝顔を愛でていた。
この天使が私の妻なのだと思うと、口元が自然と緩む。
その存在を確かめたくなって、思わず頬に触れると、微かに顔を顰めた天使が、ゆっくりと瞼を開いた。
「おはよう、トリシア」
視線が絡まると、驚いた様に目を見張り、ややあって状況を理解したらしい。
見る見る真っ赤になった彼女は、ガバッと頭まで毛布に潜ってしまった。
(残念。逃げられた。
もう少しだけ、大人しく寝顔を見ていれば良かったな)
モコモコした毛布の塊になってしまったトリシアの頭(らしき部分)を撫でながら、幸せを噛み締める。
「身体は大丈夫?」
するとモコモコの塊が、無言でコクコクと頷いた。
「ねぇトリシア、君の可愛い顔を見せてくれないか?」
今度はブンブンと首を横に振る。
(ダメかぁ。仕方ないなぁ)
苦笑しながら、毛布に包まったままの彼女を、ギュッと抱き締めた。
「ひゃあっ」と小さな悲鳴があがる。
結婚式の後は、軽く触れただけの口付けに照れて、確か、一週間程様子がおかしくなった。
今回は、それ以上も覚悟しなければならないな。
まあ、いいか。
そんな所も可愛いから。
─────────────────
《おまけ》
ダ「あの台詞を教えたのはマリベルか?」
マ「そうですよ。だって、下手したら、慣れるまで手を繋いで寝ようとか言い出しそうだったので」
ダ「な、何故分かった!?」
マ「何年坊ちゃんに仕えていると思ってるんですか?」
ダ「・・・坊ちゃんって呼ぶな」
マ「大体、結婚式以来、唇へのキスをしてなかったなんて、そんな情けない男に育てた覚えはありません!
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ダ「・・・・・・」←何も言えない
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