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第三十七話 ずっと一匹……
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「そういえば、どうしてあなたはあそこに倒れていたの?」
濡れた服を脱いで肌着だけの状態で、焚火で暖を取りながら、シロちゃんを撫でていたあたしは、ずっと気になっていた問いを投げかける。
『オイラ、お腹がすいたから獲物を探してたんだぞ。それで、なんとか獲物を手に入れて食べ終わって……ちょっと油断してたら、地面から襲ってくる動物に襲われたんだぞ。何とか逃げれはしたけど……やられた所が痛くて、動けなくなってたところだったんだぞ』
「一匹で狩りをしてたの?」
『そうだぞ。前にも言ったけど、もうず「そういえば、どうしてあなたはあそこに倒れていたの?」
濡れた服を脱いで肌着だけの状態で、焚火で暖を取りながら、シロちゃんを撫でていたあたしは、ずっと気になっていた問いを投げかける。
『オイラ、お腹がすいたから獲物を探してたんだぞ。それで、なんとか獲物を手に入れて食べ終わって……ちょっと油断してたら、地面から襲ってくる動物に襲われたんだぞ。何とか逃げれはしたけど……やられた所が痛くて、動けなくなってたところだったんだぞ』
「一匹で狩りをしてたの?」
『そうだぞ。前にも言ったけど、もうずーっとオイラは一匹だ。仲間やかーちゃんが一緒にいたけど、オイラを守って死んじゃったんだぞ。オイラのことをなんて言うんだっけかな……えーっと、そうだ! 一族の最後の生き残りってやつだぞ!』
「最後……」
この子は、もうずっと一人ぼっちなんだ……これまでも、これからも……ずっと。そんなの、寂しくて……悲しいよ。
『一匹は寂しいし、この森も凄く危ない場所だけど、オイラだって立派なキツネだ。今回は油断したけど、ちゃんと一匹で生きていける。それに、故郷であるこの森を出るのも、思い出を捨てるみたいで気が引けるんだぞ。だから、ここで頑張って生きているんだぞ』
「そっか……シロちゃんは偉いんだね」
『偉い? 生きようとするのは当然だぞ』
「それでも……うん、偉いよ」
『やっぱりニンゲンって変な動物だぞ』
シロちゃんは、やれやれと言わんばかりに、ふぁ~っと欠伸をして丸くなった――と思ったら、すぐに体を起こし、とんがった耳をピンと立てた。
『ニンゲン、大変だ!』
「どうしたの、シロちゃん?」
『オイラ達に酷いことをしたあいつの、強烈な匂いがする! まだ遠いけど……確実に迫ってきている!』
あいつ……きっとラフレシアのことね。まだ追いかけてくるなんて、想像以上にしつこい人ね! じゃなかった……植物ね!
「どうやってここがわかったんだろう?」
『そういえば、あいつはカフンを獲物に付けるって、かーちゃんが言ってたぞ。そのカフンを頼りに、逃がした獲物を追うらしいぞ!』
「か、花粉? これだけビショビショになったのに!?」
『その程度じゃ取れないほど、厄介なカフンってことだと思うぞ!』
「さすが異世界、色々と規格外すぎる……あれ、ラフレシアが近くにいるなら、アラン様は……? シロちゃん、この辺りにアラン様の匂いはしない?」
『くんくん……あいつの匂いはしないぞ』
ラフレシアがいるなら、近くにアラン様がいてもおかしくないと思ったのに、近くにいないの?
やっぱりアラン様は、もうラフレシアに……そ、そんなことはないよね。きっと何かの事情で近くにいないだけだろう。
「あまり長居するのは良くないね。早くここから離れよう!」
あたしは、火事にならないように焚火を消してから、脱いでいた服を手早く着ると、シロちゃんを抱っこしてその場を離れる。
行くあてなんて無い。アラン様もどこにいるかわからないし、他の動物に襲われる可能性だってある。
でも、ここでラフレシアに襲われるのを黙って待っているよりも、少しでも生き残れる行動をとった方がいいよね。
「シロちゃん、わかる範囲で良いから、近くに何かいる時はあたしに教えて」
『任せるんだぞ。代わりに、オイラのことをちゃんと抱っこするんだぞ。オイラ、もうへとへとで一歩も動けないんだぞ』
「任せて! それで、ラフレシアの匂いはどっちからするの?」
『あっちだぞ!』
シロちゃんが向いた方向とは、逆の方向を目指して走りだす。
まだ体力は全然戻ってないし、濡れた服はほとんど乾いていないけど、泣き言なんて言っていられない。生きるために、目的を果たすために、行動しなきゃ。
――そう思ったあたしの気持ちを折るように、突然地響きが辺りに響いてきた。
「な、なにこの揺れ!?」
『これは……あいつが来てる!』
「あいつって……ひゃあ!?」
地響きと共に、地面が沸騰するした水のようにボコボコし、そこから巨大な動物が姿を現した。
少し長い顔に、黒っぽい体。それに、どんなものでも切り裂けそうな大きな爪を持っている。
「これ、大きなモグラ!? こんな動物までこの森にはいるの!?」
『ガルルルル……こいつだぞ! オイラを襲ってきたやつは!』
「そ、そうなの!? あ、あたしもこの子も、あなたの敵じゃないよ! だから、早くお家に帰って!」
必死に魔法を使って説得をするが、あたしの何倍も大きなモグラは全く聞く耳を持たず、あたりの木をなぎ倒しながら、ゆっくりとあたし達に近づいてくる。
「……は、早く逃げないと!」
太い木を簡単になぎ倒すパワーを持っている動物に、勝てるはずもない。だから、なるべく木々が密集している所を通って、余計な時間を使わせる作戦で逃げる。
もちろん、モグラはあたしを追いかけてきたけど……何かがおかしい。
さっきから、このモグラはあたしとの距離を一定に保ち、それ以上近づいてこない。
「えっ、これって……!?」
このモグラも、あたしやシロちゃんのことを食べようとしてるのかと思ったけど、そうじゃなさそうだ。
だって、このモグラから感じる気持ちは……快楽しかなかった。
それも、木を倒した音であたしが驚いたり、唸り声を上げてあたしが怯えた時に、その快楽の気持ちが一層強くなっている。
もしかして、このモグラ……あたしが怖がっているのを見て楽しんでるの!? もしそうなら、シロちゃんを襲ったのも、ただ自分が楽しみたかっただけ!? 性格が悪すぎるよ!
「あたし達で遊んで楽しんでる……そう考えたら、なんだかムカムカしてきた……!」
『ど、どうしたんだニンゲン? 顔が怖いぞ?』
「シロちゃん! あいつの弱点って何かない!?」
『弱点って言われても……そういえば、あいつは耳がよくて、音で獲物を探してるけど、そのせいで大きな音が苦手だから、襲われた時は仲間全員で吠えて追い払うんだって、かーちゃんが教えてくれたぞ』
大きな音か……それならあたしの頼りない魔法でも、何とかできそうだ!
「わかった。シロちゃん、ちょっと耳を押さえてて!」
『ちょ、急になんだニンゲン!』
「いいから!」
『わ、わかったぞ!』
あたしはシロちゃんが耳を塞ぐのを確認してから、自分も耳を塞ぎ、大きく息を吸い込む。そして、意識を集中して魔法の詠唱に入る。
魔法の才能があまり無くて、失敗ばかりのあたしだからこそできる、とっておきの方法……これであたしやシロちゃんで遊ぼうとした罰を与えちゃうんだから!
「すぅぅぅぅぅ…………あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あたしは、出来る限り大きな声を出しながら、魔法を発動させる。すると、辺り一帯に、どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! という、巨大な爆発音が鳴り響いた。
今のは、あたしの炎の魔法だ。とはいって、あたしの炎の魔法は、発動すると何故か大きな音が鳴るだけで、肝心の炎はマッチ程度のものしか出ない。
でも、今はその方が都合がいい。だって、このモグラは大きな音が苦手なんだもん。変に魔法で攻撃したり、一か八かで心を通わすよりも、これでビックリさせた方が良いと思ったの。
『ああビックリしたぞ。まさか、オイラ達が吠えるよりも大きな音が出せるなんて!』
「なんとかなってよかったよ。驚いているうちに、早く逃げ――」
『くんくん……こ、この匂いは……ニンゲン、残念だけど逃げるのは難しそうだぞ』
「えっ?」
確実にうまくいったはずなのに、どうして逃げられないの? そう聞く前に、その理由は明らかになった。
なぜなら、あたし達の周りには……あの忌々しい触手達がうごめいていたから。ーっとオイラは一匹だ。仲間やかーちゃんが一緒にいたけど、オイラを守って死んじゃったんだぞ。オイラのことをなんて言うんだっけかな……えーっと、そうだ! 一族の最後の生き残りってやつだぞ!』
「最後……」
この子は、もうずっと一人ぼっちなんだ……これまでも、これからも……ずっと。そんなの、寂しくて……悲しいよ。
『一匹は寂しいし、この森も凄く危ない場所だけど、オイラだって立派なキツネだ。今回は油断したけど、ちゃんと一匹で生きていける。それに、故郷であるこの森を出るのも、思い出を捨てるみたいで気が引けるんだぞ。だから、ここで頑張って生きているんだぞ』
「そっか……シロちゃんは偉いんだね」
『偉い? 生きようとするのは当然だぞ』
「それでも……うん、偉いよ」
『やっぱりニンゲンって変な動物だぞ』
シロちゃんは、やれやれと言わんばかりに、ふぁ~っと欠伸をして丸くなった――と思ったら、すぐに体を起こし、とんがった耳をピンと立てた。
『ニンゲン、大変だ!』
「どうしたの、シロちゃん?」
『オイラ達に酷いことをしたあいつの、強烈な匂いがする! まだ遠いけど……確実に迫ってきている!』
あいつ……きっとラフレシアのことね。まだ追いかけてくるなんて、想像以上にしつこい人ね! じゃなかった……植物ね!
「どうやってここがわかったんだろう?」
『そういえば、あいつはカフンを獲物に付けるって、かーちゃんが言ってたぞ。そのカフンを頼りに、逃がした獲物を追うらしいぞ!』
「か、花粉? これだけビショビショになったのに!?」
『その程度じゃ取れないほど、厄介なカフンってことだと思うぞ!』
「さすが異世界、色々と規格外すぎる……あれ、ラフレシアが近くにいるなら、アラン様は……? シロちゃん、この辺りにアラン様の匂いはしない?」
『くんくん……あいつの匂いはしないぞ』
ラフレシアがいるなら、近くにアラン様がいてもおかしくないと思ったのに、近くにいないの?
やっぱりアラン様は、もうラフレシアに……そ、そんなことはないよね。きっと何かの事情で近くにいないだけだろう。
「あまり長居するのは良くないね。早くここから離れよう!」
あたしは、火事にならないように焚火を消してから、脱いでいた服を手早く着ると、シロちゃんを抱っこしてその場を離れる。
行くあてなんて無い。アラン様もどこにいるかわからないし、他の動物に襲われる可能性だってある。
でも、ここでラフレシアに襲われるのを黙って待っているよりも、少しでも生き残れる行動をとった方がいいよね。
「シロちゃん、わかる範囲で良いから、近くに何かいる時はあたしに教えて」
『任せるんだぞ。代わりに、オイラのことをちゃんと抱っこするんだぞ。オイラ、もうへとへとで一歩も動けないんだぞ』
「任せて! それで、ラフレシアの匂いはどっちからするの?」
『あっちだぞ!』
シロちゃんが向いた方向とは、逆の方向を目指して走りだす。
まだ体力は全然戻ってないし、濡れた服はほとんど乾いていないけど、泣き言なんて言っていられない。生きるために、目的を果たすために、行動しなきゃ。
――そう思ったあたしの気持ちを折るように、突然地響きが辺りに響いてきた。
「な、なにこの揺れ!?」
『これは……あいつが来てる!』
「あいつって……ひゃあ!?」
地響きと共に、地面が沸騰するした水のようにボコボコし、そこから巨大な動物が姿を現した。
少し長い顔に、黒っぽい体。それに、どんなものでも切り裂けそうな大きな爪を持っている。
「これ、大きなモグラ!? こんな動物までこの森にはいるの!?」
『ガルルルル……こいつだぞ! オイラを襲ってきたやつは!』
「そ、そうなの!? あ、あたしもこの子も、あなたの敵じゃないよ! だから、早くお家に帰って!」
必死に魔法を使って説得をするが、あたしの何倍も大きなモグラは全く聞く耳を持たず、あたりの木をなぎ倒しながら、ゆっくりとあたし達に近づいてくる。
「……は、早く逃げないと!」
太い木を簡単になぎ倒すパワーを持っている動物に、勝てるはずもない。だから、なるべく木々が密集している所を通って、余計な時間を使わせる作戦で逃げる。
もちろん、モグラはあたしを追いかけてきたけど……何かがおかしい。
さっきから、このモグラはあたしとの距離を一定に保ち、それ以上近づいてこない。
「えっ、これって……!?」
このモグラも、あたしやシロちゃんのことを食べようとしてるのかと思ったけど、そうじゃなさそうだ。
だって、このモグラから感じる気持ちは……快楽しかなかった。
それも、木を倒した音であたしが驚いたり、唸り声を上げてあたしが怯えた時に、その快楽の気持ちが一層強くなっている。
もしかして、このモグラ……あたしが怖がっているのを見て楽しんでるの!? もしそうなら、シロちゃんを襲ったのも、ただ自分が楽しみたかっただけ!? 性格が悪すぎるよ!
「あたし達で遊んで楽しんでる……そう考えたら、なんだかムカムカしてきた……!」
『ど、どうしたんだニンゲン? 顔が怖いぞ?』
「シロちゃん! あいつの弱点って何かない!?」
『弱点って言われても……そういえば、あいつは耳がよくて、音で獲物を探してるけど、そのせいで大きな音が苦手だから、襲われた時は仲間全員で吠えて追い払うんだって、かーちゃんが教えてくれたぞ』
大きな音か……それならあたしの頼りない魔法でも、何とかできそうだ!
「わかった。シロちゃん、ちょっと耳を押さえてて!」
『ちょ、急になんだニンゲン!』
「いいから!」
『わ、わかったぞ!』
あたしはシロちゃんが耳を塞ぐのを確認してから、自分も耳を塞ぎ、大きく息を吸い込む。そして、意識を集中して魔法の詠唱に入る。
魔法の才能があまり無くて、失敗ばかりのあたしだからこそできる、とっておきの方法……これであたしやシロちゃんで遊ぼうとした罰を与えちゃうんだから!
「すぅぅぅぅぅ…………あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あたしは、出来る限り大きな声を出しながら、魔法を発動させる。すると、辺り一帯に……。
どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
という、巨大な爆発音が鳴り響いた。
今のは、あたしの炎の魔法だ。とはいって、あたしの炎の魔法は、発動すると何故か大きな音が鳴るだけで、肝心の炎はマッチ程度のものしか出ない。
でも、今はその方が都合がいい。だって、このモグラは大きな音が苦手なんだもん。変に魔法で攻撃したり、一か八かで心を通わすよりも、これでビックリさせた方が良いと思ったの。
『ああビックリしたぞ。まさか、オイラ達が吠えるよりも大きな音が出せるなんて!』
「なんとかなってよかったよ。驚いているうちに、早く逃げ――」
『くんくん……こ、この匂いは……ニンゲン、残念だけど逃げるのは難しそうだぞ』
「えっ?」
確実にうまくいったはずなのに、どうして逃げられないの? そう聞く前に、その理由は明らかになった。
なぜなら、あたし達の周りには……あの忌々しい触手達がうごめいていたから。
濡れた服を脱いで肌着だけの状態で、焚火で暖を取りながら、シロちゃんを撫でていたあたしは、ずっと気になっていた問いを投げかける。
『オイラ、お腹がすいたから獲物を探してたんだぞ。それで、なんとか獲物を手に入れて食べ終わって……ちょっと油断してたら、地面から襲ってくる動物に襲われたんだぞ。何とか逃げれはしたけど……やられた所が痛くて、動けなくなってたところだったんだぞ』
「一匹で狩りをしてたの?」
『そうだぞ。前にも言ったけど、もうず「そういえば、どうしてあなたはあそこに倒れていたの?」
濡れた服を脱いで肌着だけの状態で、焚火で暖を取りながら、シロちゃんを撫でていたあたしは、ずっと気になっていた問いを投げかける。
『オイラ、お腹がすいたから獲物を探してたんだぞ。それで、なんとか獲物を手に入れて食べ終わって……ちょっと油断してたら、地面から襲ってくる動物に襲われたんだぞ。何とか逃げれはしたけど……やられた所が痛くて、動けなくなってたところだったんだぞ』
「一匹で狩りをしてたの?」
『そうだぞ。前にも言ったけど、もうずーっとオイラは一匹だ。仲間やかーちゃんが一緒にいたけど、オイラを守って死んじゃったんだぞ。オイラのことをなんて言うんだっけかな……えーっと、そうだ! 一族の最後の生き残りってやつだぞ!』
「最後……」
この子は、もうずっと一人ぼっちなんだ……これまでも、これからも……ずっと。そんなの、寂しくて……悲しいよ。
『一匹は寂しいし、この森も凄く危ない場所だけど、オイラだって立派なキツネだ。今回は油断したけど、ちゃんと一匹で生きていける。それに、故郷であるこの森を出るのも、思い出を捨てるみたいで気が引けるんだぞ。だから、ここで頑張って生きているんだぞ』
「そっか……シロちゃんは偉いんだね」
『偉い? 生きようとするのは当然だぞ』
「それでも……うん、偉いよ」
『やっぱりニンゲンって変な動物だぞ』
シロちゃんは、やれやれと言わんばかりに、ふぁ~っと欠伸をして丸くなった――と思ったら、すぐに体を起こし、とんがった耳をピンと立てた。
『ニンゲン、大変だ!』
「どうしたの、シロちゃん?」
『オイラ達に酷いことをしたあいつの、強烈な匂いがする! まだ遠いけど……確実に迫ってきている!』
あいつ……きっとラフレシアのことね。まだ追いかけてくるなんて、想像以上にしつこい人ね! じゃなかった……植物ね!
「どうやってここがわかったんだろう?」
『そういえば、あいつはカフンを獲物に付けるって、かーちゃんが言ってたぞ。そのカフンを頼りに、逃がした獲物を追うらしいぞ!』
「か、花粉? これだけビショビショになったのに!?」
『その程度じゃ取れないほど、厄介なカフンってことだと思うぞ!』
「さすが異世界、色々と規格外すぎる……あれ、ラフレシアが近くにいるなら、アラン様は……? シロちゃん、この辺りにアラン様の匂いはしない?」
『くんくん……あいつの匂いはしないぞ』
ラフレシアがいるなら、近くにアラン様がいてもおかしくないと思ったのに、近くにいないの?
やっぱりアラン様は、もうラフレシアに……そ、そんなことはないよね。きっと何かの事情で近くにいないだけだろう。
「あまり長居するのは良くないね。早くここから離れよう!」
あたしは、火事にならないように焚火を消してから、脱いでいた服を手早く着ると、シロちゃんを抱っこしてその場を離れる。
行くあてなんて無い。アラン様もどこにいるかわからないし、他の動物に襲われる可能性だってある。
でも、ここでラフレシアに襲われるのを黙って待っているよりも、少しでも生き残れる行動をとった方がいいよね。
「シロちゃん、わかる範囲で良いから、近くに何かいる時はあたしに教えて」
『任せるんだぞ。代わりに、オイラのことをちゃんと抱っこするんだぞ。オイラ、もうへとへとで一歩も動けないんだぞ』
「任せて! それで、ラフレシアの匂いはどっちからするの?」
『あっちだぞ!』
シロちゃんが向いた方向とは、逆の方向を目指して走りだす。
まだ体力は全然戻ってないし、濡れた服はほとんど乾いていないけど、泣き言なんて言っていられない。生きるために、目的を果たすために、行動しなきゃ。
――そう思ったあたしの気持ちを折るように、突然地響きが辺りに響いてきた。
「な、なにこの揺れ!?」
『これは……あいつが来てる!』
「あいつって……ひゃあ!?」
地響きと共に、地面が沸騰するした水のようにボコボコし、そこから巨大な動物が姿を現した。
少し長い顔に、黒っぽい体。それに、どんなものでも切り裂けそうな大きな爪を持っている。
「これ、大きなモグラ!? こんな動物までこの森にはいるの!?」
『ガルルルル……こいつだぞ! オイラを襲ってきたやつは!』
「そ、そうなの!? あ、あたしもこの子も、あなたの敵じゃないよ! だから、早くお家に帰って!」
必死に魔法を使って説得をするが、あたしの何倍も大きなモグラは全く聞く耳を持たず、あたりの木をなぎ倒しながら、ゆっくりとあたし達に近づいてくる。
「……は、早く逃げないと!」
太い木を簡単になぎ倒すパワーを持っている動物に、勝てるはずもない。だから、なるべく木々が密集している所を通って、余計な時間を使わせる作戦で逃げる。
もちろん、モグラはあたしを追いかけてきたけど……何かがおかしい。
さっきから、このモグラはあたしとの距離を一定に保ち、それ以上近づいてこない。
「えっ、これって……!?」
このモグラも、あたしやシロちゃんのことを食べようとしてるのかと思ったけど、そうじゃなさそうだ。
だって、このモグラから感じる気持ちは……快楽しかなかった。
それも、木を倒した音であたしが驚いたり、唸り声を上げてあたしが怯えた時に、その快楽の気持ちが一層強くなっている。
もしかして、このモグラ……あたしが怖がっているのを見て楽しんでるの!? もしそうなら、シロちゃんを襲ったのも、ただ自分が楽しみたかっただけ!? 性格が悪すぎるよ!
「あたし達で遊んで楽しんでる……そう考えたら、なんだかムカムカしてきた……!」
『ど、どうしたんだニンゲン? 顔が怖いぞ?』
「シロちゃん! あいつの弱点って何かない!?」
『弱点って言われても……そういえば、あいつは耳がよくて、音で獲物を探してるけど、そのせいで大きな音が苦手だから、襲われた時は仲間全員で吠えて追い払うんだって、かーちゃんが教えてくれたぞ』
大きな音か……それならあたしの頼りない魔法でも、何とかできそうだ!
「わかった。シロちゃん、ちょっと耳を押さえてて!」
『ちょ、急になんだニンゲン!』
「いいから!」
『わ、わかったぞ!』
あたしはシロちゃんが耳を塞ぐのを確認してから、自分も耳を塞ぎ、大きく息を吸い込む。そして、意識を集中して魔法の詠唱に入る。
魔法の才能があまり無くて、失敗ばかりのあたしだからこそできる、とっておきの方法……これであたしやシロちゃんで遊ぼうとした罰を与えちゃうんだから!
「すぅぅぅぅぅ…………あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あたしは、出来る限り大きな声を出しながら、魔法を発動させる。すると、辺り一帯に、どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! という、巨大な爆発音が鳴り響いた。
今のは、あたしの炎の魔法だ。とはいって、あたしの炎の魔法は、発動すると何故か大きな音が鳴るだけで、肝心の炎はマッチ程度のものしか出ない。
でも、今はその方が都合がいい。だって、このモグラは大きな音が苦手なんだもん。変に魔法で攻撃したり、一か八かで心を通わすよりも、これでビックリさせた方が良いと思ったの。
『ああビックリしたぞ。まさか、オイラ達が吠えるよりも大きな音が出せるなんて!』
「なんとかなってよかったよ。驚いているうちに、早く逃げ――」
『くんくん……こ、この匂いは……ニンゲン、残念だけど逃げるのは難しそうだぞ』
「えっ?」
確実にうまくいったはずなのに、どうして逃げられないの? そう聞く前に、その理由は明らかになった。
なぜなら、あたし達の周りには……あの忌々しい触手達がうごめいていたから。ーっとオイラは一匹だ。仲間やかーちゃんが一緒にいたけど、オイラを守って死んじゃったんだぞ。オイラのことをなんて言うんだっけかな……えーっと、そうだ! 一族の最後の生き残りってやつだぞ!』
「最後……」
この子は、もうずっと一人ぼっちなんだ……これまでも、これからも……ずっと。そんなの、寂しくて……悲しいよ。
『一匹は寂しいし、この森も凄く危ない場所だけど、オイラだって立派なキツネだ。今回は油断したけど、ちゃんと一匹で生きていける。それに、故郷であるこの森を出るのも、思い出を捨てるみたいで気が引けるんだぞ。だから、ここで頑張って生きているんだぞ』
「そっか……シロちゃんは偉いんだね」
『偉い? 生きようとするのは当然だぞ』
「それでも……うん、偉いよ」
『やっぱりニンゲンって変な動物だぞ』
シロちゃんは、やれやれと言わんばかりに、ふぁ~っと欠伸をして丸くなった――と思ったら、すぐに体を起こし、とんがった耳をピンと立てた。
『ニンゲン、大変だ!』
「どうしたの、シロちゃん?」
『オイラ達に酷いことをしたあいつの、強烈な匂いがする! まだ遠いけど……確実に迫ってきている!』
あいつ……きっとラフレシアのことね。まだ追いかけてくるなんて、想像以上にしつこい人ね! じゃなかった……植物ね!
「どうやってここがわかったんだろう?」
『そういえば、あいつはカフンを獲物に付けるって、かーちゃんが言ってたぞ。そのカフンを頼りに、逃がした獲物を追うらしいぞ!』
「か、花粉? これだけビショビショになったのに!?」
『その程度じゃ取れないほど、厄介なカフンってことだと思うぞ!』
「さすが異世界、色々と規格外すぎる……あれ、ラフレシアが近くにいるなら、アラン様は……? シロちゃん、この辺りにアラン様の匂いはしない?」
『くんくん……あいつの匂いはしないぞ』
ラフレシアがいるなら、近くにアラン様がいてもおかしくないと思ったのに、近くにいないの?
やっぱりアラン様は、もうラフレシアに……そ、そんなことはないよね。きっと何かの事情で近くにいないだけだろう。
「あまり長居するのは良くないね。早くここから離れよう!」
あたしは、火事にならないように焚火を消してから、脱いでいた服を手早く着ると、シロちゃんを抱っこしてその場を離れる。
行くあてなんて無い。アラン様もどこにいるかわからないし、他の動物に襲われる可能性だってある。
でも、ここでラフレシアに襲われるのを黙って待っているよりも、少しでも生き残れる行動をとった方がいいよね。
「シロちゃん、わかる範囲で良いから、近くに何かいる時はあたしに教えて」
『任せるんだぞ。代わりに、オイラのことをちゃんと抱っこするんだぞ。オイラ、もうへとへとで一歩も動けないんだぞ』
「任せて! それで、ラフレシアの匂いはどっちからするの?」
『あっちだぞ!』
シロちゃんが向いた方向とは、逆の方向を目指して走りだす。
まだ体力は全然戻ってないし、濡れた服はほとんど乾いていないけど、泣き言なんて言っていられない。生きるために、目的を果たすために、行動しなきゃ。
――そう思ったあたしの気持ちを折るように、突然地響きが辺りに響いてきた。
「な、なにこの揺れ!?」
『これは……あいつが来てる!』
「あいつって……ひゃあ!?」
地響きと共に、地面が沸騰するした水のようにボコボコし、そこから巨大な動物が姿を現した。
少し長い顔に、黒っぽい体。それに、どんなものでも切り裂けそうな大きな爪を持っている。
「これ、大きなモグラ!? こんな動物までこの森にはいるの!?」
『ガルルルル……こいつだぞ! オイラを襲ってきたやつは!』
「そ、そうなの!? あ、あたしもこの子も、あなたの敵じゃないよ! だから、早くお家に帰って!」
必死に魔法を使って説得をするが、あたしの何倍も大きなモグラは全く聞く耳を持たず、あたりの木をなぎ倒しながら、ゆっくりとあたし達に近づいてくる。
「……は、早く逃げないと!」
太い木を簡単になぎ倒すパワーを持っている動物に、勝てるはずもない。だから、なるべく木々が密集している所を通って、余計な時間を使わせる作戦で逃げる。
もちろん、モグラはあたしを追いかけてきたけど……何かがおかしい。
さっきから、このモグラはあたしとの距離を一定に保ち、それ以上近づいてこない。
「えっ、これって……!?」
このモグラも、あたしやシロちゃんのことを食べようとしてるのかと思ったけど、そうじゃなさそうだ。
だって、このモグラから感じる気持ちは……快楽しかなかった。
それも、木を倒した音であたしが驚いたり、唸り声を上げてあたしが怯えた時に、その快楽の気持ちが一層強くなっている。
もしかして、このモグラ……あたしが怖がっているのを見て楽しんでるの!? もしそうなら、シロちゃんを襲ったのも、ただ自分が楽しみたかっただけ!? 性格が悪すぎるよ!
「あたし達で遊んで楽しんでる……そう考えたら、なんだかムカムカしてきた……!」
『ど、どうしたんだニンゲン? 顔が怖いぞ?』
「シロちゃん! あいつの弱点って何かない!?」
『弱点って言われても……そういえば、あいつは耳がよくて、音で獲物を探してるけど、そのせいで大きな音が苦手だから、襲われた時は仲間全員で吠えて追い払うんだって、かーちゃんが教えてくれたぞ』
大きな音か……それならあたしの頼りない魔法でも、何とかできそうだ!
「わかった。シロちゃん、ちょっと耳を押さえてて!」
『ちょ、急になんだニンゲン!』
「いいから!」
『わ、わかったぞ!』
あたしはシロちゃんが耳を塞ぐのを確認してから、自分も耳を塞ぎ、大きく息を吸い込む。そして、意識を集中して魔法の詠唱に入る。
魔法の才能があまり無くて、失敗ばかりのあたしだからこそできる、とっておきの方法……これであたしやシロちゃんで遊ぼうとした罰を与えちゃうんだから!
「すぅぅぅぅぅ…………あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あたしは、出来る限り大きな声を出しながら、魔法を発動させる。すると、辺り一帯に……。
どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
という、巨大な爆発音が鳴り響いた。
今のは、あたしの炎の魔法だ。とはいって、あたしの炎の魔法は、発動すると何故か大きな音が鳴るだけで、肝心の炎はマッチ程度のものしか出ない。
でも、今はその方が都合がいい。だって、このモグラは大きな音が苦手なんだもん。変に魔法で攻撃したり、一か八かで心を通わすよりも、これでビックリさせた方が良いと思ったの。
『ああビックリしたぞ。まさか、オイラ達が吠えるよりも大きな音が出せるなんて!』
「なんとかなってよかったよ。驚いているうちに、早く逃げ――」
『くんくん……こ、この匂いは……ニンゲン、残念だけど逃げるのは難しそうだぞ』
「えっ?」
確実にうまくいったはずなのに、どうして逃げられないの? そう聞く前に、その理由は明らかになった。
なぜなら、あたし達の周りには……あの忌々しい触手達がうごめいていたから。
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