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第八話 両親の愛情
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「ただいま~!」
「おかえり、アイリーン」
「おう、遅かったな! なにかあった……え?」
食事を終えた後、もう夜だから家まで送っていくと言って聞かないエルヴィン様と共に、無事に帰宅することが出来た。
……それは良かったんだけど、エルヴィン様のことを両親に話してなかったから、突然知らない男性が現れたことに、驚きを隠せていないみたい。
「夜分遅くに申し訳ございません。アイリーンさんのご両親ですね。彼女からお噂はかねがね。僕はエルヴィン・シャムルと申します。僭越ながら、彼女とはご友人をやらせていただいております」
呆気にとられるパパとママを横目に、私は友人の箇所がまた嘘だと気づいていた。
さすがに初対面の相手に、私のことを特別な人とは言いにくいもんね。
「本日は、彼女と食事に行かせていただいたのですが、その時間があまりにも素晴らしいものでして。気づいたら太陽は沈み、月が町を照らしていました。これもロマンチックでよろしいのですが、夜は乱暴なことに手を出す輩もいますので、こうして家まで送らせていただきました」
「そ、そうですか。娘のために、ありがとうございます」
「僕には勿体無いお言葉です。では、僕はお暇させていただきます。アイリーン、またね」
「はい、また」
最初から最後まで、まさに作法を知り尽くした貴族と言わんばかりに、ピシッとした感じで帰っていった。
この辺りって、だいぶ町から離れているけど……ちゃんと帰れるかな――そんなことを考えていたら、ママに腕を引っ張られて、家の中に入れられた。
「ちょっとちょっと、なにあの素敵な男の子!? どこかの貴族の人!?」
「う、うん。そうだよ」
「シャムルって名乗ってたよな。そういう名前の家があるんか? 貴族なんて、俺らには縁のない話すぎて、よくわからねー! まあ、あいつが好青年ってことだけはわかったぜ!」
「こういうことを言うのはなんだけど、前にここに来た元婚約者の男の子より、何千倍も素敵で頼りになりそうな方だったわ」
なんだか、私が思っている以上に、パパにもママにも好評だったみたいだ。大切な人が家族に認められるのって、なんだか嬉しいね。
「アイリーン、あの人のこと、私達に教えてほしいわ」
「もちろん。エルヴィン様はね――」
私は、パパとママにエルヴィン様との出会いや、その後のことをゆっくりと話してあげた。
出会った日のことや、一緒に勉強したり、食事に行ったり……追放されたことを聞いてくれたこと。とにかくいろいろだ。
「そんなことが……エルヴィンさん、とっても優しくて素敵な人なのね」
「そうなんだよ、ママ! って……忘れるところだった。あのね、今日は私……大切な話があるの」
「大切な話?」
「うん。私、セレクディエ学園に受験しようと思うの」
突然の私の言葉に、パパもママも目を丸くして驚いていた。
こんなことを言われたら、驚くのも無理はないだろう。
「せ、セレクディエ学園? ずっと通ってみたいって言ってたのは知ってるし、通わせたいのは山々だけど……」
「大丈夫だよ、ママ。学費は何とかなるから」
「大丈夫って、何がだ? まさか、何か危ないことをして稼ごうとしているのか!? そんなの、パパは許さないぞ!」
「ちょっと、話が飛躍しすぎだよ! そんなことしないって!」
「そ、そうか。それならいいんだ」
いくらなんでも、憧れの学園に通うために人の道を外れるようなことはしないって。パパってば、さすがに考えが飛躍しすぎだよ。
「セレクディエ学園には、特待生って制度があるの。それになれれば、学費は免除で通えるの」
「でも、特待生ってすごい子しかなれないんじゃないの? それも、世界的に有名なセレクディエ学園の特待生だなんて……」
「大変だと思う。だから、やるなら既に通っているエルヴィン様に、色々教えてもらう予定。でも……勉強とか魔法の練習をしないといけないから、仕事は出来そうもなくて……だから二人に謝って、勉強の許可を――」
「バカやろう!!」
パパの一喝が家の中に響きわたり、辺りがしんと静まり返る。まるで、ここだけ時間が止まってしまったかのようだ。
「アイリーン、よく聞け。娘が夢のために頑張りたいって言ってんのに、その手助けをしない親はいないんだよ! こっちのことなんて気にしないで、勉強してこい!」
「パパの言う通りね。それに、あなたが近くにいるだけで、私もパパも嬉しいの」
「そういうこった! お前がいれば、仕事量を倍にしても問題ないってな! 心配なんてしなくていいから、パーッとやってこい!」
「パパ……ママ……」
両親の優しさに感動して涙を流していると、二人は私を抱きしめたり、乱暴だけど安心するように頭を撫でてくれた。
「……ありがとう……うん、わかったよ。私、精一杯頑張ってみる! それで宮廷魔術師になって、必ず二人を楽させてあげるからね!」
「それでこそ俺達の愛娘だ! だが俺達のためだけに夢を目指すんじゃなくて、ちゃんと自分のためにも夢を追えよ!」
「うんっ!!」
こうして、パパとママから正式に許可を貰えた私は、セレクディエ学園の特待生編入を目指して、猛勉強が始まった――
「おかえり、アイリーン」
「おう、遅かったな! なにかあった……え?」
食事を終えた後、もう夜だから家まで送っていくと言って聞かないエルヴィン様と共に、無事に帰宅することが出来た。
……それは良かったんだけど、エルヴィン様のことを両親に話してなかったから、突然知らない男性が現れたことに、驚きを隠せていないみたい。
「夜分遅くに申し訳ございません。アイリーンさんのご両親ですね。彼女からお噂はかねがね。僕はエルヴィン・シャムルと申します。僭越ながら、彼女とはご友人をやらせていただいております」
呆気にとられるパパとママを横目に、私は友人の箇所がまた嘘だと気づいていた。
さすがに初対面の相手に、私のことを特別な人とは言いにくいもんね。
「本日は、彼女と食事に行かせていただいたのですが、その時間があまりにも素晴らしいものでして。気づいたら太陽は沈み、月が町を照らしていました。これもロマンチックでよろしいのですが、夜は乱暴なことに手を出す輩もいますので、こうして家まで送らせていただきました」
「そ、そうですか。娘のために、ありがとうございます」
「僕には勿体無いお言葉です。では、僕はお暇させていただきます。アイリーン、またね」
「はい、また」
最初から最後まで、まさに作法を知り尽くした貴族と言わんばかりに、ピシッとした感じで帰っていった。
この辺りって、だいぶ町から離れているけど……ちゃんと帰れるかな――そんなことを考えていたら、ママに腕を引っ張られて、家の中に入れられた。
「ちょっとちょっと、なにあの素敵な男の子!? どこかの貴族の人!?」
「う、うん。そうだよ」
「シャムルって名乗ってたよな。そういう名前の家があるんか? 貴族なんて、俺らには縁のない話すぎて、よくわからねー! まあ、あいつが好青年ってことだけはわかったぜ!」
「こういうことを言うのはなんだけど、前にここに来た元婚約者の男の子より、何千倍も素敵で頼りになりそうな方だったわ」
なんだか、私が思っている以上に、パパにもママにも好評だったみたいだ。大切な人が家族に認められるのって、なんだか嬉しいね。
「アイリーン、あの人のこと、私達に教えてほしいわ」
「もちろん。エルヴィン様はね――」
私は、パパとママにエルヴィン様との出会いや、その後のことをゆっくりと話してあげた。
出会った日のことや、一緒に勉強したり、食事に行ったり……追放されたことを聞いてくれたこと。とにかくいろいろだ。
「そんなことが……エルヴィンさん、とっても優しくて素敵な人なのね」
「そうなんだよ、ママ! って……忘れるところだった。あのね、今日は私……大切な話があるの」
「大切な話?」
「うん。私、セレクディエ学園に受験しようと思うの」
突然の私の言葉に、パパもママも目を丸くして驚いていた。
こんなことを言われたら、驚くのも無理はないだろう。
「せ、セレクディエ学園? ずっと通ってみたいって言ってたのは知ってるし、通わせたいのは山々だけど……」
「大丈夫だよ、ママ。学費は何とかなるから」
「大丈夫って、何がだ? まさか、何か危ないことをして稼ごうとしているのか!? そんなの、パパは許さないぞ!」
「ちょっと、話が飛躍しすぎだよ! そんなことしないって!」
「そ、そうか。それならいいんだ」
いくらなんでも、憧れの学園に通うために人の道を外れるようなことはしないって。パパってば、さすがに考えが飛躍しすぎだよ。
「セレクディエ学園には、特待生って制度があるの。それになれれば、学費は免除で通えるの」
「でも、特待生ってすごい子しかなれないんじゃないの? それも、世界的に有名なセレクディエ学園の特待生だなんて……」
「大変だと思う。だから、やるなら既に通っているエルヴィン様に、色々教えてもらう予定。でも……勉強とか魔法の練習をしないといけないから、仕事は出来そうもなくて……だから二人に謝って、勉強の許可を――」
「バカやろう!!」
パパの一喝が家の中に響きわたり、辺りがしんと静まり返る。まるで、ここだけ時間が止まってしまったかのようだ。
「アイリーン、よく聞け。娘が夢のために頑張りたいって言ってんのに、その手助けをしない親はいないんだよ! こっちのことなんて気にしないで、勉強してこい!」
「パパの言う通りね。それに、あなたが近くにいるだけで、私もパパも嬉しいの」
「そういうこった! お前がいれば、仕事量を倍にしても問題ないってな! 心配なんてしなくていいから、パーッとやってこい!」
「パパ……ママ……」
両親の優しさに感動して涙を流していると、二人は私を抱きしめたり、乱暴だけど安心するように頭を撫でてくれた。
「……ありがとう……うん、わかったよ。私、精一杯頑張ってみる! それで宮廷魔術師になって、必ず二人を楽させてあげるからね!」
「それでこそ俺達の愛娘だ! だが俺達のためだけに夢を目指すんじゃなくて、ちゃんと自分のためにも夢を追えよ!」
「うんっ!!」
こうして、パパとママから正式に許可を貰えた私は、セレクディエ学園の特待生編入を目指して、猛勉強が始まった――
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