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第二十四話 仇となった正義感
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学園での生活が始まってから数日後。私は自分の席でノートと教科書を眺めながら、うーんと唸り声をあげていた。
今日の授業でやった内容を、帰る前に簡単に復習をしていたのだけど、少し引っ掛かるところがあるんだよね。
こういう疑問を残しておくと、後で苦手になったりするから、出来るだけ早めに理解しておきたい。
「今日は、いつもの図書館で勉強しようかな……あ、でも学園の大図書室に行くのもいいかも……?」
「あ、あの~……あ、アイリーン、さん……なにか、困ってるんですか?」
「ソーニャちゃん!」
一人でブツブツと独り言を言っていると、ソーニャちゃんが遠慮がちに声をかけてきた。
もしかして、独り言を言ってたから注意しにきたのかな……この前にクラスの係決めの時、クラス委員長に選ばれたから、さっそく仕事って感じだうか。
「ごめんなさい、うるさかったですよね。すぐに帰るから、心配しないでください」
「えっ!? うるさいだなんて、そんな! わたしは……アイリーンさんが、心配で……」
「心配……?」
「な、なんでもないです! 出過ぎた真似をしてごめんなさい! さようならっ!」
私が引き止める間もなく、ソーニャちゃんは一瞬にして逃げていってしまった。
ソーニャちゃん……やっぱり良い子だったんだ! うん、私……ソーニャちゃんと人生で初の友達になってみたい!
「アイリーン、話はもういいのかい?」
「エルヴィン様! 本当はもっと話したかったんですけど、逃げられてしまいました……」
「それは残念だったね。彼女は人見知りみたいだから、ゆっくりと接していけば、そのうちに心を開いてくれると思うよ」
エルヴィン様にそう言われると、絶対にそうだと思えるから不思議だ。それに、私のことを励ましてくれてるんだって感じて、胸がドキドキする。
「ところで、ずっと何を考えていたんだい?」
「今日の授業でやった範囲を復習してたんですけど、少し疑問に思うところがあったので、学園の図書室に行こうかどうか、考えてたんです」
「なんだ、それなら一緒に行って勉強しようじゃないか」
「いいんですか?」
「もちろん。アイリーンと最近勉強してなかったから、ちょうど良かったよ。ふふっ、さっそく勉強デートに行こうじゃないか」
「な、なんでそうなるんですか!? もう、エルヴィン様のバカっ……!」
まだ周りにはクラスメイトが何人も残っているというのに、いつものペースを崩さないエルヴィン様に照れ隠しをするように、悪態をついてしまった。
そんな私に罰を与えるかのように、突然教室の中に一人の知らない女子が飛び込んできた。
「ぜぇ……はぁ……エルヴィン様はいますか!?」
「ああ、ここにいるけど……どうかしたのか?」
「先生が大至急エルヴィン様を呼んできてくれって! なんだか、凄く切羽詰まってるみたいです!」
「えっ……?」
彼女の言葉からは、嘘の臭いがする。ということは、エルヴィン様を呼んでいるということも、切羽詰まっているということも無い。
「エルヴィン様、彼女は――」
「そうか、わかった。すまないアイリーン、すぐに戻ってくるから待っててくれ」
「エルヴィン様、待ってください!」
エルヴィン様は、彼女と一緒に教室を急いで後にしていった。
ダメだ、正義感の強くて優しいエルヴィン様が、あんなことを言われたら絶対に行ってしまうのは、わかりきっていた。だから、早く止めないといけなかったのに……!
「早く、エルヴィン様を呼び戻さないと! あんな嘘をついて連れていくなんて、絶対に何かあるはず!」
どこに行ったかわからないけど、ここでボーっとしていても仕方がない。
そう思って私も教室を飛び出すと、突然何人もの女子生徒に囲まれてしまった。
「あなた達は……」
全員を知っているわけではないけど、半分くらいはエルヴィン様のファンの人達だった。
彼女達が私に関わってくるだなんて……良い予感は全くしない。
「アイリーン、ちょっとわたくし達に付き合ってもらいますわよ」
「申し訳ないですけど、急いでいますので」
「あんたに拒否権なんて無いのよ! いいから来なさい!」
「きゃっ! 引っ張らないで!」
彼女達に囲まれたまま、無理やり連れて来られた場所は、学園の隅っこにある古い物置小屋の裏だった。
このタイミングで、こんな人気のないところに連れて来られるだなんて、あまりにも出来過ぎている。ということは……!
「あなた達ね……嘘をついて、エルヴィン様を連れて行ったのは!」
「あら、随分とお利口さんですのね」
「っ……! この声は……!」
ここに連れてきた彼女達ではなく、出来るなら聞きたくもない声が聞こえてくると同時に、彼女達は私から少しだけ離れた。
すると、出来るなら会いたく無い人が、物陰からずっと出てきた。
「シンシア様、アイリーンをここまで連れてきましたわ」
「ご苦労様。あとはワタクシに任せておきなさい。必ず、あなた達の物をこの女狐から取り返して差し上げますわ」
今日の授業でやった内容を、帰る前に簡単に復習をしていたのだけど、少し引っ掛かるところがあるんだよね。
こういう疑問を残しておくと、後で苦手になったりするから、出来るだけ早めに理解しておきたい。
「今日は、いつもの図書館で勉強しようかな……あ、でも学園の大図書室に行くのもいいかも……?」
「あ、あの~……あ、アイリーン、さん……なにか、困ってるんですか?」
「ソーニャちゃん!」
一人でブツブツと独り言を言っていると、ソーニャちゃんが遠慮がちに声をかけてきた。
もしかして、独り言を言ってたから注意しにきたのかな……この前にクラスの係決めの時、クラス委員長に選ばれたから、さっそく仕事って感じだうか。
「ごめんなさい、うるさかったですよね。すぐに帰るから、心配しないでください」
「えっ!? うるさいだなんて、そんな! わたしは……アイリーンさんが、心配で……」
「心配……?」
「な、なんでもないです! 出過ぎた真似をしてごめんなさい! さようならっ!」
私が引き止める間もなく、ソーニャちゃんは一瞬にして逃げていってしまった。
ソーニャちゃん……やっぱり良い子だったんだ! うん、私……ソーニャちゃんと人生で初の友達になってみたい!
「アイリーン、話はもういいのかい?」
「エルヴィン様! 本当はもっと話したかったんですけど、逃げられてしまいました……」
「それは残念だったね。彼女は人見知りみたいだから、ゆっくりと接していけば、そのうちに心を開いてくれると思うよ」
エルヴィン様にそう言われると、絶対にそうだと思えるから不思議だ。それに、私のことを励ましてくれてるんだって感じて、胸がドキドキする。
「ところで、ずっと何を考えていたんだい?」
「今日の授業でやった範囲を復習してたんですけど、少し疑問に思うところがあったので、学園の図書室に行こうかどうか、考えてたんです」
「なんだ、それなら一緒に行って勉強しようじゃないか」
「いいんですか?」
「もちろん。アイリーンと最近勉強してなかったから、ちょうど良かったよ。ふふっ、さっそく勉強デートに行こうじゃないか」
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まだ周りにはクラスメイトが何人も残っているというのに、いつものペースを崩さないエルヴィン様に照れ隠しをするように、悪態をついてしまった。
そんな私に罰を与えるかのように、突然教室の中に一人の知らない女子が飛び込んできた。
「ぜぇ……はぁ……エルヴィン様はいますか!?」
「ああ、ここにいるけど……どうかしたのか?」
「先生が大至急エルヴィン様を呼んできてくれって! なんだか、凄く切羽詰まってるみたいです!」
「えっ……?」
彼女の言葉からは、嘘の臭いがする。ということは、エルヴィン様を呼んでいるということも、切羽詰まっているということも無い。
「エルヴィン様、彼女は――」
「そうか、わかった。すまないアイリーン、すぐに戻ってくるから待っててくれ」
「エルヴィン様、待ってください!」
エルヴィン様は、彼女と一緒に教室を急いで後にしていった。
ダメだ、正義感の強くて優しいエルヴィン様が、あんなことを言われたら絶対に行ってしまうのは、わかりきっていた。だから、早く止めないといけなかったのに……!
「早く、エルヴィン様を呼び戻さないと! あんな嘘をついて連れていくなんて、絶対に何かあるはず!」
どこに行ったかわからないけど、ここでボーっとしていても仕方がない。
そう思って私も教室を飛び出すと、突然何人もの女子生徒に囲まれてしまった。
「あなた達は……」
全員を知っているわけではないけど、半分くらいはエルヴィン様のファンの人達だった。
彼女達が私に関わってくるだなんて……良い予感は全くしない。
「アイリーン、ちょっとわたくし達に付き合ってもらいますわよ」
「申し訳ないですけど、急いでいますので」
「あんたに拒否権なんて無いのよ! いいから来なさい!」
「きゃっ! 引っ張らないで!」
彼女達に囲まれたまま、無理やり連れて来られた場所は、学園の隅っこにある古い物置小屋の裏だった。
このタイミングで、こんな人気のないところに連れて来られるだなんて、あまりにも出来過ぎている。ということは……!
「あなた達ね……嘘をついて、エルヴィン様を連れて行ったのは!」
「あら、随分とお利口さんですのね」
「っ……! この声は……!」
ここに連れてきた彼女達ではなく、出来るなら聞きたくもない声が聞こえてくると同時に、彼女達は私から少しだけ離れた。
すると、出来るなら会いたく無い人が、物陰からずっと出てきた。
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