私のことはお気になさらず

みおな

文字の大きさ
4 / 83

妹の婚約者

しおりを挟む
 可愛い妹のリリアの婚約者。

 それは我がリーデンス王国の第一王子殿下であり、王太子殿下のエーリッヒ・リーデンス様、十三歳。

 王妃殿下と同じ銀髪に、王家の紫色の瞳を持つ、とても可愛らしい王子殿下なの。

 そう。
紫色の瞳は、王家の血。

 お父様は、現国王陛下の従弟にあたるの。

 リリアはお母様の瞳を受け継いだけど、私とお兄様はお父様の瞳を継いだ。

 私がエーリッヒ殿下の婚約者にならなかったのは、年齢的なものもあるけど、私が紫色の瞳を継いだから。

 王家の血を強く引いたもの同士の婚姻は、リーデンス王家では許されていないのよね。

 瞳がピンク色でも、リリアは間違いなくお父様の子供で、リーデンス王家の血を継いでいるけど、瞳の色で血の濃さが出るらしくて、濃いと子供が授かりにくいそうなの。

 過去にそうだったからといって、現在もそうとは限らないけど、まぁそういう迷信?を信じがちなのよね。

 どちらにしろ、私とエーリッヒ殿下は年が離れてるし、私の方が年上なのもあるから、リリアが婚約者で良かったと思う。

 リリアは可愛いし、素直で一生懸命だし、賢いし、優しい子だから、王太子妃にピッタリだと思うわ。

「本当に、エーリッヒ殿下とリリアお嬢様は仲睦まじいですね」

 私にお茶を淹れてくれながら、東屋でお茶をしている二人を見ながら侍女が微笑む。

 まぁ、殿下はリリアのことが大好きだからね。

 それにもし、恋とかでなかったとしても、エーリッヒ殿下はどこかの誰かと違って『政略』というものを理解していると思う。

 政略結婚というのは、家と家の契約だけど、共に同じ時を生きるのだから、お互い尊重し合えなければならないわ。

 どうでもいい相手と、子供なんて作れないもの。

 まぁ、男性はそういうの平気かもしれないけど、女性は命の危険のある出産をするのよ。

 少なくとも敬愛できる相手じゃなきゃ、そんなリスク負いたくないわよ。

 私は、ケレス様に触れられるのも嫌だわ。

 他の人に触れた手で触れられるなんて、気持ち悪いもの。

 最近は、エスコートされることもないからいいけれど、早くどうにかしなくちゃ。

「リリアが王家の色を継がなくて良かったわ。あの子は本当に良い子だし、殿下はリリアをとても大切にしてくれているもの」

「ええ。どこぞの誰かに爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいです」

「ふふっ。駄目よ、そんなことを言っては。あの方には変わらずにを愛でてもらわなきゃ。今更、態度を改められても、受け入れられないもの」

 お祖母様をどうやって納得させるかの問題はあるけれど、私は婚約を継続させるつもりはないわ。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

お望み通り、別れて差し上げます!

珊瑚
恋愛
「幼なじみと子供が出来たから別れてくれ。」 本当の理解者は幼なじみだったのだと婚約者のリオルから突然婚約破棄を突きつけられたフェリア。彼は自分の家からの支援が無くなれば困るに違いないと思っているようだが……?

婚約者は王女殿下のほうがお好きなようなので、私はお手紙を書くことにしました。

豆狸
恋愛
「リュドミーラ嬢、お前との婚約解消するってよ」 なろう様でも公開中です。

お認めください、あなたは彼に選ばれなかったのです

・めぐめぐ・
恋愛
騎士である夫アルバートは、幼馴染みであり上官であるレナータにいつも呼び出され、妻であるナディアはあまり夫婦の時間がとれていなかった。 さらにレナータは、王命で結婚したナディアとアルバートを可哀想だと言い、自分と夫がどれだけ一緒にいたか、ナディアの知らない小さい頃の彼を知っているかなどを自慢げに話してくる。 しかしナディアは全く気にしていなかった。 何故なら、どれだけアルバートがレナータに呼び出されても、必ず彼はナディアの元に戻ってくるのだから―― 偽物サバサバ女が、ちょっと天然な本物のサバサバ女にやられる話。 ※頭からっぽで ※思いつきで書き始めたので、つたない設定等はご容赦ください。 ※夫婦仲は良いです ※私がイメージするサバ女子です(笑) ※第18回恋愛小説大賞で奨励賞頂きました! 応援いただいた皆さま、お読みいただいた皆さま、ありがとうございました♪

二度目の恋

豆狸
恋愛
私の子がいなくなって半年と少し。 王都へ行っていた夫が、久しぶりに伯爵領へと戻ってきました。 満面の笑みを浮かべた彼の後ろには、ヴィエイラ侯爵令息の未亡人が赤毛の子どもを抱いて立っています。彼女は、彼がずっと想ってきた女性です。 ※上記でわかる通り子どもに関するセンシティブな内容があります。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

あの子を好きな旦那様

はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」  目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。 ※小説家になろうサイト様に掲載してあります。

婚約破棄の前日に

豆狸
恋愛
──お帰りください、側近の操り人形殿下。 私はもう、お人形遊びは卒業したのです。

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。 彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。 なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか? それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。 恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。 その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。 更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。 婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。 生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。 婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。 後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。 「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

処理中です...