私のことはお気になさらず

みおな

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王家と侯爵家

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 王家と我がブルーム侯爵家の仲は、すこぶる良い。

 まず、国王陛下は従弟であるお父様と仲が良い。

 ちょーーっと腹黒・・・為政者として立派な国王陛下は、容姿だけでなく中身も森のクマさんであるお父様を信頼されている。

 まぁ、お父様に裏表はないからね。

 次にお母様のことは、従弟に良き嫁が来てくれたとこれまた信頼している。

 まぁ、素直で真っ直ぐなお父様が侯爵家当主としてやれているのは、お母様が采配しているからだと思う。

 王妃様は隣国から嫁いで来られた方だけど、良くも悪くも『お姫様』な方で、国王陛下とお母様の手のひらの上で上手く転がされていると思う。

 この方もお父様と同じで裏表がないから、嫌な思いはしない。

 従甥でありながら、お兄様が一番国王陛下に似ている気がする。

 容姿は森のクマさん二号だけど、性格は国王陛下似よね。

 私とリリアのことも、陛下も王妃様も可愛がってくれている。

 特にエーリッヒ殿下の婚約者であるリリアのことは、すでに娘扱いで、王妃様に着せ替え人形によくされている。

 まぁ、リリアは控えめに言っても天使だから、その気持ちはよく分かる。

 そして、私とケレス様の婚約に関して、国王陛下も王妃様も不満を言いたいけどお祖母様には言えずに悶々としている、らしい。

 まぁ、弟の嫁に物申しにくいわよね。

 お祖父様、つまりお父様のお父様と、国王陛下の仲は決して悪くはないらしいのだけど、お祖父様はお祖母様を溺愛していらして、お祖母様至上主義なの。

 だから、お祖母様が望んだ婚約を解消という考えはないらしいわ。

 仲がよろしいのも、ご友人が大切なのも構わないけど、孫の婚約なのよ?

 カバヤン伯爵令嬢が帰って来る前のケレス様ならともかく、いくらお祖母様の大切なご友人の孫だからって。

 お祖母様も悪い方ではないのだけど。

 そうそう。
我が家は、確かに国王陛下の弟をお祖父様に持つけど、王位継承権はないの。

 リーデンス王国では、臣下に下った時点で、王位継承権は返上されるのよ。

 だから、王家は必ず子供を二人はもうけることが義務付けられている。

 正妃に子供が生まれなかった場合は、側妃を娶ることも決められているの。

 だから、リリアの婚約者であるエーリッヒ殿下にも三歳年下の弟殿下がいらっしゃるわ。

 婚約から逃げれる相手となると、タービン公爵家以上の家でないと、お祖母様を納得させるのは難しいわね。

 王家には私は嫁げないから、そうなると限られて来るわ。

 リーデンス王国に五家ある公爵家か、他国かしらね。



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