私のことはお気になさらず

みおな

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緊張と疲れ

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 今日は、ヴィル様との結婚式。

 毎日毎日、マッサージをされている時はまだ続くのかと思ったけど、当日を迎えてみればあっという間だった気もするわ。

 ちなみに今日なんていつもより早く起こされて、湯浴みにマッサージ、髪の手入れに化粧も念入りにされたわ。

 結婚式前に息絶えるかと思ったわよ。

 そんなこと口にはできないけど。

 公爵家の侍女たちこそ、死にそうに疲れているもの。

 それでもなんだか妙な達成感なのか、お互い頷き合っているのが印象的だったわ。

 でも、彼女たちには感謝しているわ。

 だって、ウェディングドレスを着た私を、ヴィル様が「今まで見た誰よりも綺麗だな」とおっしゃってくれたのよ。

 もう、なんていうかそれだけで全てが報われた気がしたわ。

 リーデンス王国での結婚式は、教会で行われる。

 国によっては、王宮で国王陛下の前で婚姻書にサインするものもあるらしいけど、我が国は貴族も平民も式を挙げる場合は教会を使う。

 私の場合は、王族の遠縁になることと相手が筆頭公爵閣下ということ、そして私の妹が王太子殿下の婚約者ということで、なぜか王宮にある大聖堂で式が行われることになった。

 ええと。
迷惑なんだけど?

 いえ、分かってはいるわ。

 私を大好きなリリアとお兄様が、小さな教会で納得するわけがないことも。

 筆頭公爵であるヴィル様の結婚式が、貧相などと言われるわけにはいかないということも。

 でも、王家主催の夜会ばりの人にお祝いを言われて、それに応えなきゃいけないとか・・・

 考えただけで、頭がクラクラするわ。

「大丈夫か?」

 王宮に向かう馬車の中で、ヴィル様が気遣ってくれる。

「大丈夫ですわ。少し、緊張しているだけです」

 そうよね。
花嫁が疲れた表情をしていたら駄目よね。

 嬉しくないのかと誤解されちゃうわ。

「今日は、一日挨拶ばかりになる。疲れたら少し休憩出来るから無理はするな。それから一人にはなるなよ」

「はい。ありがとうございます。ええ、アデリアも付いてくれていますから大丈夫ですわ」

 筆頭公爵ともなれば、敵がいないわけではない。

 ヴィル様は立派な方だけど、まだ他の公爵方に比べればお若いし、その地位から蹴落とそうと考える輩もいないわけではない。

 ヴィル様ご自身は鍛錬もされていてお強いとカールは言っていたけど、そうなると弱点は私よね。

 私は口は達者だけど、ごくごく普通の令嬢だもの。

 グリフォン公爵夫人になるのなら、少しくらい鍛錬した方がいいのかしら?

もしもの時の対処法くらい、習った方がいいのかもしれないわ。
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