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結婚式と愚か者
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王宮の大聖堂で行われる結婚式には、国王陛下や親族、あとは高位貴族の当主しか参加できない。
その代わり、聖堂から移動して王宮の広間で多くの方たちから祝福を受ける。
ヴィル様は警戒するようにおっしゃっていたけど、それはヴィル様の地位を狙う者たちがいるということよ。
決して、目の前にいる人のことじゃないわ!
「ティア!迎えに来たよ。待たせてしまったけど、僕はこうやってちゃんと迎えに来たよ」
「・・・」
この方、こんなに意味の分からないことを言う方だったかしら?
出会った頃は・・・
普通に感じたわ。
少なくとも、花婿の隣で幸せそうに微笑んでる花嫁に、こんなことを言う人じゃなかったわ!
というか、書面だけの婚姻をした後は国外追放じゃなかったの?
ケレス様はもう成人されたはずよ。
私よりお誕生日は前だったもの。
カバヤン伯爵令嬢のことは・・・
ええと、ええと、興味がなかったからほとんど二人の話は右から左に流してたから・・・
駄目だわ、思い出せない。
いえ。いいわ。問題点はそこじゃないもの。
軟禁されているはずのケレス様が、何故ここにいるの?
監視はどうなってるの?
それに、あれほど優先してきたカバヤン伯爵令嬢はどうしたの?
あれこれ考えてたけど、とりあえずは!
「タービン公爵令息様。名前を呼ぶのをおやめください。私のことは、グリフォン公爵夫人と」
「ティア!ああ、そうか。迎えに来るのが遅くなったから拗ねているんだね?でも、ほら僕はちゃんと迎えに来ただろ?」
「拗ねてなどおりませんし、貴方様を待ってもいません。私は今日、最愛の夫と結婚しましたの。そもそも何故ここにいらっしゃるのです?カバヤン伯爵令嬢はどちらに?」
「ああ。やっぱりティアはミネルバとのことを誤解していたんだね。だから、こんなふうに他の男と結婚するふりをして、僕の気を引こうと。でも、ミネルバは幼馴染なんだよ。僕はちゃんと君のことを愛しているよ」
ケレス様の言葉に、背中がぞわぞわっとした。
やめてよ!背中を虫が這ってるみたいに、嫌悪感が半端ないわ。
大体、誤解もへったくれもないし、私と貴方の婚約はすでになくなっているのよ。
タービン公爵は、あっさりと婚約関係の解消に応じたんだから。
公爵は夫人の言うことに絶対で、夫人はカバヤン伯爵令嬢のことを気に入っていたし、嫌いな公爵の母親が決めた私との婚約に不満を持っていたもの。
「私とタービン公爵令息との婚約は、貴方のご両親が解消手続きをなさいました。すでに私たちは婚約者ではありませんわ」
せっかくの結婚式なのに!いい加減にしてよ!
その代わり、聖堂から移動して王宮の広間で多くの方たちから祝福を受ける。
ヴィル様は警戒するようにおっしゃっていたけど、それはヴィル様の地位を狙う者たちがいるということよ。
決して、目の前にいる人のことじゃないわ!
「ティア!迎えに来たよ。待たせてしまったけど、僕はこうやってちゃんと迎えに来たよ」
「・・・」
この方、こんなに意味の分からないことを言う方だったかしら?
出会った頃は・・・
普通に感じたわ。
少なくとも、花婿の隣で幸せそうに微笑んでる花嫁に、こんなことを言う人じゃなかったわ!
というか、書面だけの婚姻をした後は国外追放じゃなかったの?
ケレス様はもう成人されたはずよ。
私よりお誕生日は前だったもの。
カバヤン伯爵令嬢のことは・・・
ええと、ええと、興味がなかったからほとんど二人の話は右から左に流してたから・・・
駄目だわ、思い出せない。
いえ。いいわ。問題点はそこじゃないもの。
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監視はどうなってるの?
それに、あれほど優先してきたカバヤン伯爵令嬢はどうしたの?
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「タービン公爵令息様。名前を呼ぶのをおやめください。私のことは、グリフォン公爵夫人と」
「ティア!ああ、そうか。迎えに来るのが遅くなったから拗ねているんだね?でも、ほら僕はちゃんと迎えに来ただろ?」
「拗ねてなどおりませんし、貴方様を待ってもいません。私は今日、最愛の夫と結婚しましたの。そもそも何故ここにいらっしゃるのです?カバヤン伯爵令嬢はどちらに?」
「ああ。やっぱりティアはミネルバとのことを誤解していたんだね。だから、こんなふうに他の男と結婚するふりをして、僕の気を引こうと。でも、ミネルバは幼馴染なんだよ。僕はちゃんと君のことを愛しているよ」
ケレス様の言葉に、背中がぞわぞわっとした。
やめてよ!背中を虫が這ってるみたいに、嫌悪感が半端ないわ。
大体、誤解もへったくれもないし、私と貴方の婚約はすでになくなっているのよ。
タービン公爵は、あっさりと婚約関係の解消に応じたんだから。
公爵は夫人の言うことに絶対で、夫人はカバヤン伯爵令嬢のことを気に入っていたし、嫌いな公爵の母親が決めた私との婚約に不満を持っていたもの。
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