私のことはお気になさらず

みおな

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叱責と甘やかし

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 私のお説教は小一時間ほど続いた。

 リリアは昔から、両親よりも私の言うことを聞く子で、というか私のいうこと聞かなかった。

 だから昔から、リリアを叱るのは私の役目。

 ここ最近、ヴィル様との婚姻があったから、寂しいだろうと叱っていなかったんだけど、ここに来てのマナー違反だ。

 私だけならかまわないけど、ヴィル様はお忙しい方だし、使用人たちにも迷惑をかけてしまった。

 彼らは優秀だけど、優秀で対応できるのと、迷惑なのは話が別だ。

 リリアがシュンとして、エーリッヒ王太子殿下が俯きがちになったところでお説教は終わりを迎えた。

 このままお説教を続けると、リリアとエーリッヒ王太子殿下は泣き出す。

 それを理解っているので、絶妙なタイミングでお説教を終えるようにしている。

 泣かれると、宥めなきゃならなくなるから。

「次は気をつけてね。さ、お茶にしましょう」

 私がパンパンと手を叩くと、スッとアデリアが現れてお茶の準備を始めた。

 本当、優秀。
しかも、紅茶をあまり好まれない殿下のために、今日はフルーツティーを淹れてくれたようだ。

「いい香りね」

「ルルルの実の紅茶です。甘みが強いのと香りがいいので、お口に合うかと」

「だそうですわ、王太子殿下。お口に合わなければ、いつものミルクティーをご準備しますわ」

 エーリッヒ王太子殿下もだけどリリアや私も、あまり好まない味だとしてもそれを気取らせずに食する必要がある。

 まぁ、妹であるリリアのことはともかく、王太子殿下が紅茶が苦手だとは私は気付かなかった。

 それに気づいたのはアデリアで、結婚前にブルーム侯爵家に付いてきていた時に気付いて指摘したのだ。

 驚いたのは、エーリッヒ王太子殿下本人だけでなくリリアと私もで。

 殿下が王宮で飲まれるのは、最高級の茶葉だから香りもいいし渋みもない。

 でも、高位貴族でもそういうのにこだわらない人もいるわけで、訪れた茶会での紅茶があまりにもクセが強くて美味しくなかったらしい。

 それ以来、どうも紅茶が苦手になってしまったそうだ。

 王宮での最高級茶葉でも飲みづらくなったそうで、ミルクを淹れたりして騙し騙し飲んでいるらしい。

 でも、気付かれたのは初めてらしかった。

 それ以降、アデリアはフルーツティーやハーブティーなど、色々なお茶を準備してくれている。

 改めて、本当優秀。

「いや、グリフォン公爵家でいただくお茶は、いつも美味しいから喜んでいただくよ」

「私もルルルの紅茶なんて初めて」

 甘みの強いルルルのお茶は、王太子殿下のお口に合ったらしい。

 お土産に、リリアと殿下用に少し包んでもらった。
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