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転生王女の告白2
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「私は真のローズマリーではないのです」
わたしの告白に、アルフレッド様もフレイ様も目を見開いている。
まぁ、それはそうよね。・・・というか、これって偽証とかで婚約破棄されるのかしら。もしかして、罪に問われたり・・・
思い当たり、顔から血の気がひいていく。まずい。まずい。呪いのことを尋ねるについて、正直に転生のことを話そうと思ったけど、魔王陛下を謀ったって罪に問われる可能性まで、思い至らなかったわ!
く、国に損害を与えたりしたら・・・父様が!父様が魔王化する!!
「あ、あのっ!アルフレッド様を騙そうとか、そんなことはっ!」
「愛しいローゼ、落ち着いて?」
「は、はい。申し訳ございません」
アルフレッド様に髪を撫でられ、息を吐く。
そうだ、落ち着いて話さなければ。最悪、私だけが罪に問われるようにしてもらおう。・・・処刑とかじゃないといいなぁ。
「途方もないことを申しますが、信じて下さいますか?」
「もちろんだ。我が婚約者殿」
「私は・・・この国、いえ、この世界の住人ではございません。私の前世の名は、小山麻里と申します」
「どういうことですか?姫君」
フレイ様に促され、私は話を続ける。
「ローズマリー姫は、誰かに呪いをかけられ、残り僅かの命の中、呪いを解く術を探していたそうです。ですが、それは見つけられず、唯一見つけたのは、異世界からの転生者を自分の身に宿すことで、その身を残すことだったそうです」
「転生・・・」
「はい。そして、私を転生させたことにより、呪いはかけた者へ呪い返しとなり、ローズマリー姫の精神は・・・消滅いたしました」
私は息を吐き出すと、アルフレッド様とフレイ様を見つめた。
「ですが、呪い返しにあったのはかけた本人のみ。必ず黒幕がいるはずなのです。私は、その黒幕を見つけ出したいのです」
「それは、ローズマリー姫君のためですか?」
フレイ様の問いに、私は少し考えてから、首を横に振る。
「もちろん、それもあります。そして、ローズマリー様の決意に転生術を認めた陛下のためでもあります。だけど、何より私自身のためにですわ」
私は、聖人君子ではない。誰かのためになんて、そんな殊勝なことだけで動けるような人間ではない。
私は、何より、私自身のために、この先ローズマリーとして生きていくために、呪いをかけた人間を探したいのだ。
私の告白に、アルフレッド様もフレイ様も、少し考えているようだ。
私には、彼らが結論を出すまで待つしかない。1分1秒が永遠のように長く感じた。
「僕が知り合ったのは、今の君だ。君を呪う相手など許せるものではない」
「散々、興味がないと婚姻に後ろ向きだった我が主が、初めて興味を持たれた姫君です。私も姫君の為に微力ながら、力をお貸ししましょう」
しばらく経ったのち、アルフレッド様とフレイ様は、私への協力を口にしてくれた。
それは私にとって、最高の援軍を得た瞬間であったー
わたしの告白に、アルフレッド様もフレイ様も目を見開いている。
まぁ、それはそうよね。・・・というか、これって偽証とかで婚約破棄されるのかしら。もしかして、罪に問われたり・・・
思い当たり、顔から血の気がひいていく。まずい。まずい。呪いのことを尋ねるについて、正直に転生のことを話そうと思ったけど、魔王陛下を謀ったって罪に問われる可能性まで、思い至らなかったわ!
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「あ、あのっ!アルフレッド様を騙そうとか、そんなことはっ!」
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そうだ、落ち着いて話さなければ。最悪、私だけが罪に問われるようにしてもらおう。・・・処刑とかじゃないといいなぁ。
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「私は・・・この国、いえ、この世界の住人ではございません。私の前世の名は、小山麻里と申します」
「どういうことですか?姫君」
フレイ様に促され、私は話を続ける。
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「転生・・・」
「はい。そして、私を転生させたことにより、呪いはかけた者へ呪い返しとなり、ローズマリー姫の精神は・・・消滅いたしました」
私は息を吐き出すと、アルフレッド様とフレイ様を見つめた。
「ですが、呪い返しにあったのはかけた本人のみ。必ず黒幕がいるはずなのです。私は、その黒幕を見つけ出したいのです」
「それは、ローズマリー姫君のためですか?」
フレイ様の問いに、私は少し考えてから、首を横に振る。
「もちろん、それもあります。そして、ローズマリー様の決意に転生術を認めた陛下のためでもあります。だけど、何より私自身のためにですわ」
私は、聖人君子ではない。誰かのためになんて、そんな殊勝なことだけで動けるような人間ではない。
私は、何より、私自身のために、この先ローズマリーとして生きていくために、呪いをかけた人間を探したいのだ。
私の告白に、アルフレッド様もフレイ様も、少し考えているようだ。
私には、彼らが結論を出すまで待つしかない。1分1秒が永遠のように長く感じた。
「僕が知り合ったのは、今の君だ。君を呪う相手など許せるものではない」
「散々、興味がないと婚姻に後ろ向きだった我が主が、初めて興味を持たれた姫君です。私も姫君の為に微力ながら、力をお貸ししましょう」
しばらく経ったのち、アルフレッド様とフレイ様は、私への協力を口にしてくれた。
それは私にとって、最高の援軍を得た瞬間であったー
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