嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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その後の元婚約者③〜国王視点〜

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「お前が何を言おうと、リビエラ嬢との婚約は解消。お前はコンフォート公爵家に婿入りすることが決まっている」

 そう宣言すると、情けなくも息子は地獄に落ちたような表情をした。

 本当の地獄を知るのは、この後だというのに。

「それから不貞行為を犯したお前には、これから子が成せない処置をする」

「・・・えっ?」

「本来なら、薬で子種を殺す処置になるのだが・・・お前の場合は、男としての機能を切り離す。理由は、お前がリビエラ嬢に執着しているからだ。リビエラ嬢相手に限ったことではないが、子を成せなくてもそういう行為をされれば、ご令嬢はお前に嫁ぐか修道院に行くしか道がなくなる。だが、お前はコンフォート公爵令嬢との婚姻が決定している。そうなると、疵を負ったご令嬢は、修道院に行くしかない」

 私の言っていることを理解したのか、シリウスの顔から血の気が失せ、青を通り越して白くなっていく。

「い・・・やだっ!僕はっ!僕は、ジュエルを愛しているんだっ!父上っ!ジュエルに会わせてよっ!ジュエルならきっと!きっと許してくれるっ!ジュエルへの欲を・・・発散させるためだったんだ!ジュエルを傷つけたくなくて・・・」

 拘束されたベッドの上で暴れる息子を、なんて愚かなのだとため息がもれる。

 欲の発散なら、娼館に行けば良かったのだ。

 リビエラ嬢はいい気持ちはしないだろうが、伯爵たちもやむ得ないことだと宥めてくれただろう。

 王妃が泣き崩れていた場所に視線を向ける。

 この先の処置の邪魔になるので、王妃は部屋へと連れて行かせた。

 シリウスの妙な執着性は、王妃似だろう。
 アレも私の周囲に対して異常に嫉妬していた。

 さすがに、不貞行為を行うことはなかったが。

「ジュエルは殿下の行為に傷つき、この国を出ました」

 ずっと黙ったまま様子を見ていたリビエラ伯爵が、私の隣に立つ。

「なっ・・・どうしてっ?」

「このままこの国に置いていたら、修道院に行きかねなかったのですよ。このローゼン王国では、修道院に入れば二度と出ることが出来ない。殿下もご存知ですよね?何の咎もない可愛い娘にそんなことをさせるわけにはいきません」

「そんな・・・ジュエル・・・ジュエル・・・」

 泣きながらリビエラ嬢の名前を呼ぶシリウスを、かわいそうだと思う気持ちはある。

 愚かな行為はしたが、大切にしてきた息子だ。

 だが、親だからではなく国王として・・・いや、親だからこそ厳しい罰を与えなければならない。

 ここで甘い対応をして、もしシリウスがリビエラ嬢に、他の誰かに行為を強要したら?

 その時は毒杯を与えることになる。
 毒杯ならまだいいが、場合によっては斬首になる。

 子を成すことは出来なくても・・・死なせたくはなかった。
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