嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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対決①〜ハデス視点〜

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 ゼウスの決断を、国王陛下は受け入れて下さった。

 しかし、両親が祖父母が亡くなってから領地管理や慈善事業に手を抜いているとは知らなかった。

 ウェルズ公爵家の領地の使用人は、祖父母時代から仕えてくれている者たちがほとんどだから何とかなっていたのだろうが・・・

 やはり俺は後継に向かない。

 学園に通っていた頃は仕方ないとしても、成人した時点で公爵家や領地のことを調べておくべきだった。

 溺愛している弟が継ぐのだから、ちゃんとしているものだと勝手に

 確かに、領地にも行っていたというか、家令から連絡が来たら行って処理していたらしいし、母も孤児院などに寄付はしていたらしいが。

 もし巧妙に使用人たちが、資産を横領していたら?

 もし、大きな災害がおきたら?

 こまめに領地に赴き、領地や領民を実際に見て経営するのが、当主の仕事だというのに。

 金銭的な寄付も大事だが、実際に孤児院などに赴き、手伝いなどで交流することが女主人の仕事なのに。

 祖父母は優しくも厳しい人だった。

 いや、違う。
高位貴族としての責務を理解している人たちだった。

 祖父母が亡くなって、最初は生きていた頃と同じようにしていたことが、少しずつ手抜きになっていったのだろう。

 国王陛下と俺たちの待つ部屋に、両親が連れて来られた。

「失礼いたします」

 部屋に入り、ゼウスの姿を目にした両親は駆け寄ろうとするが、陛下に止められる。

「ウェルズ公爵夫妻は、そこに座れ」

「え、あ、ですが・・・」

「聞こえなかったか?そこに座れ」

「は、はい」

 ゼウスの隣に向かおうとしていた両親は、俺から一番離れたところに置かれたソファーに座るように命じられた。

 ゼウスをチラチラ見る両親の目に、隣に座る俺の姿は映っていない。

 六年も会っていない、単に血の繋がっているだけの息子の顔なんか、もう忘れたということか。

 悲しいとは思わない。
もう、そんな感情を持つ時期は過ぎていた。

 むしろ、俺に縋って来られないだけホッとしていた。

 これから裁かれるのだから。

「さて、此度ウェルズ公爵家次男ゼウスより、ウェルズ公爵夫妻の罪状の報告があった。ウェルズ公爵夫妻が、領地管理を家令にほとんど任せきりであると。間違いないか?」

「え、いえ、陛下それは・・・」

?これは公式に詰問しているのだ」

「・・・ッ」

 国王陛下に嘘をつけば、それだけで罪になる。

 父は何も答えれずに俯き、母はチラチラとゼウスを見ていた。


 
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