拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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侍女の教え。

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 翌日、朝食を終えてからベリンダ様とビビアン様と共に街に出かけることにした。

 深紅のワンピースに、編み上げの踵の低い靴。

 黒髪は編み上げて、つばの広い帽子で隠した。

 もちろん護衛と侍女も一緒に行くけれど、あからさまに皇女と分かると散策していても楽しくないから。

 もちろん二人の王女殿下にも、同じように良家の子女の装いをしてもらった。

「良いですね?約束ですよ?勝手に先に行ったりしないこと。いくら治安が良いとはいえ、お美しいお三方が護衛もなくいたら危険です。それから、ご自分で欲しいものを買えるようにお金をお渡ししておきますが、買う前に必ず私かリリアに確認してください」

 私の専属侍女であるラッテとリリアが、私たちの散策に同行してくれる。

 でも何だか、私たちのことを小さな子供扱いしていない?

「ラッテ、大丈夫よ?」

「ハァ。良いですか?クロエ私たちから離れないでください。お嬢様たちは目立ちすぎるんです。姫様だと分らなくても、悪意を持っていなくても、お嬢様方に近付こうとする輩は多くいるのです!お約束いただけないのなら、散策は中止です!」

「・・・わ、わかったわ。約束します」

 大丈夫だと思うけれど、せっかくの散策が中止になんてなったら、楽しみにしてくれてたベリンダ様とビビアン様に申し訳ないもの。

 それに確かに私たちは、お金を自分で払って買ったことなんかないのよね。

 チラリとベリンダ様とビビアン様を見ると、二人もリリアに頷いている。

 護衛たちも、いつもの騎士服ではなく私服で、ラッテの言葉に苦笑していた。

 ラッテは、私がアルトナー王国に行く時に連れて行かなかったから・・・

 戻ってからは、片時も私のそばを離れようとしない。

 申し訳なかったけど、ラッテの恋人がメルキオール帝国にいるのに、ラッテを連れて行くわけにはいかなかったのよ。

 可哀想じゃない。離れ離れなんて。

 それに結婚していたら、公爵家で侍女をつけて貰えばいいし、普段は伯母様が王家の侍女を貸してくださっていたから、問題なかったのよ。

 もちろん、ラッテのように痒いところに手が届くことはなかったけど、王家の侍女だから、優秀な方だったし。

 私にとってラッテは、侍女というより大切な友人だもの。

 恋人と離れ離れになんか、させたくなかったのよ。

 だけど、マキシミリオン王国に留学すると伝えたら、絶対について行くと言われてしまった。

 三年もあるのよ?

 でも、ラッテの意志は固かった。
恋人も一緒に連れて行くべきかしら。
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