拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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誰に何を買うか。

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 最近人気だというカフェに寄ったり、これまた人気だという洋菓子店に寄って、お土産用に大量のケーキを買ったり。

 初めて普通の少女のように街を歩くことは、私にとってもベリンダ様たちにとっても新鮮で、それこそどんなパーティーに出るよりも楽しいことだった。

「あ。次はあそこの雑貨店に入りたいですわ」

 ベリンダ様は、お姉様であるビアンカ王太女殿下へのお土産を買いたいらしい。

 私もグレース様やカロリーナ様に、何か贈ろうかしら。

 婚約解消騒動があって、卒業式のあとにこっちに戻ってしまったから、ゆっくり話も出来なかったのよね。

 特にカロリーナ様は、コンラッド公爵家の後継になったから、お忙しかったし。

「私も、グレース様やカロリーナ様に何か買いますわ。届けて下さる?」

「もちろんです。でも二人とも、クロエ様にお会いしたいと思ってらっしゃいますわ」

「そうですね・・・留学前に会いに行こうかしら。グレース様、お嫁に行かれてしまうかもしれませんものね」

 アルトナー王国では学園卒業を以て成人だから、卒業後すぐに結婚されるご令嬢も多い。

 カロリーナ様は、コンラッド公爵家の後継だから婿養子を取るから会えるけど、グレース様は婚約者が他国の方だから、アルトナー王国から出てしまうのよね。

 シリルには手紙を書いて、アルトナー王国まで迎えに来て貰えば良いし、ビビアン様を送って行く時に一緒に行こうかしら。

「あら?これ素敵・・・」

 私が手に取ったのは、ガラスペン。

 エメラルド色で、持ち手の部分には金色でガーベラの花が描かれていて、まるで宝石の中に閉じ込められているように見える。

 隣のペンは、描かれた木の枝に白い小鳥が留まっているデザインで、青色が爽やかさを感じさせる。

 初夏を感じさせる小鳥のデザインは、カロリーナ様のイメージにピッタリだった。

 金色のガーベラの大人っぽさは、グレース様によく似合う。

 公爵家を継ぐカロリーナ様はもちろん、グレース様も女主人としてお茶会の招待状やお礼の手紙を書く時に役立つだろう。

「あー、素敵!私もお姉様に買おうかしら」

「コンラッド公爵子息様とペアで贈られては?喜ばれますわよ」

「アドルファス様は青い瞳で、お姉様は紫色だから・・・あ、これとかどうかしら?」

 ベリンダ様が手に取ったのは、紫色と青色が絡み合うように螺旋を描いているガラスペン。

 少し太めだから、ビアンカ様の婚約者であるコンラッド公爵子息様にはちょうどいいかも。

「良いと思いますわ」
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