拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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元婚約者と現婚約者。

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「ふふっ。クロエ様はやっぱり、全く興味がないご様子ですわね」

 ベリンダ様の言葉に、私もグレース様もカロリーナ様も苦笑してしまう。

 事実だから、否定出来ないわ。
だけど、やっぱり私が興味がないと思ったから話されなかったのね。

「顔合わせと婚約解消の時以外に、お会いすることもなかったですし、名前だけ?の婚約関係でしたから。お姉様も巻き込んでしまいましたから罰は必要ですけれど、不幸になれとは思っていませんわ。罪を償ったら、お二人が結婚されれば良いと思っていましたのよ」

「クロエ様はお優しいですわね。私などは腹立たしくて、不幸になれとは思っていましたわ。今回の件も、ザマアミロとすら思いましたのに」

 グレース様の言葉に、私は答えに困ってしまった。

 私は決して、優しくなどないと思う。

 元婚約者様がお姉様を私だと思った時も、面倒だからと放置していた。

 一年婚約者でいたら解消できるからと、交流を持たないことをこれ幸いとこちらから歩み寄ろうとはしなかった。

 卒業パーティーでも、許してあげてと言えば、伯母様もお姉様も渋々だとしても就労の罪にまでは問わなかったかもしれない。

 でも、私は知らんぷりをした。

 ほら。
ちっとも優しくなんかないわ。

 私は、恋愛的な感情がよく理解っていないから、当事者感が薄いだけなのよ。

「まぁ、彼の方と婚約されましたものね、あんなののことなんかどうでもいいでしょうね」

「クロエ様は、マキシミリオン王国の第三王子殿下と婚約されたのですわよね?どのような方ですの?」

 ベリンダ様がシリルと婚約したのだから、元婚約者様のことなどどうでもいいのは当たり前だと言い、カロリーナ様にシリルはどういう人なのか、と尋ねられた。

 どうと言われても。

「シリル殿下は、私の姉であるオーロラの夫、ルーファス様の弟です。姉が婚約した時に顔合わせをしましたから、七年ほどの付き合いですね。ですから、家族という感覚なのです」

「お姉様の旦那様の弟なら、義弟ですものね」

「ええ。しかも出会ったのが九歳の頃ですから、余計に。あの頃の彼は私と同じくらいの身長でしたし、女の子のように可愛らしい容姿でしたから、弟みたいに思っていましたのよ」

 今では、すっかり身長も伸びてしまったけど。

 容姿は相変わらず整ってるけど、さすぎにもう可愛い感じではないわね。

「でも、ずっとクロエ様をお好きだったのでしょう?素敵ですわ。一途に想ってくださるなんて!」
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