拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

文字の大きさ
106 / 130

罪と罰。

しおりを挟む
「というわけで、シリルへの罰はレシピエンス王国王女殿下との婚約への前向きな対応と、王太子へ立太子するための努力、ね。実際に婚約するかどうかと、立太子できるかどうかは、本人の資質もあるからあくまでも予定だけれど」

 お母様の言葉に頷く。
シリルには資質はあると思うけど、その重責に潰されないかどうかは微妙なところね。

 シリルは優しすぎるから。

 婚約は・・・
レシピエンス王国の王女殿下と時間を多く共にした上に、シリルは責任感も強いから受け入れる可能性が高いかもしれないわ。

「それから例の男爵令嬢だけど、国王陛下たちの処罰と同時に捕縛するわ。捕縛後は、魔法師たちに下賜する予定よ。強い魅了使いだから、徹底分析するらしいわ」

 それは・・・
まぁ、当然の処罰かもしれないわ。

 魔法師の方たちは、ご自分たちを使ってたくさんの試行錯誤をして新たな魔道具を作られていると聞いた。

 強い魅了にも対応できる魔道具を作るためにも、分析は大切よね。

 もっと早く、そう対処するべきだったのではないかしら。

 彼女が魅了持ちだと判別出来なかったから、担当者が戻るまでは仕方なかったとしても、対応がおかしいことを私も早く気付くべきだったわ。

 他国のことだからと、深く考えなかった。

 お義兄様に相談していたら、すぐに国王陛下たちの対応がおかしいと気付かれていたはずだわ。

 陛下たちは、私を軽視していた。

 ルーファスお義兄様が皇配になっているから、メルキオール帝国との縁よりも他を望んだのでしょう。

 でも、シリルが私ではなければ駄目だと譲らなかった。

 そこに、現れたのがミリー様。
彼女を利用しようとしたのでしょうね。

 実際、結果として国王陛下たちの望むような結末となったわ。

 シリルと私の婚約は解消となり、レシピエンス王国の王女殿下との婚約が成る可能性が高い。

 もっとも彼らには表舞台から退場してもらうことになるけど。

 私の対応が違っていたら、この結末にはならなかったわ。

 シリル・・・
あなたの隣で強くなると決めたのに。

「それから・・・クロエ、あなたへの罰だけれど」

「はい」

「お母様?クロエに罰だなんて!」

 お姉様が抗議の声をあげてくれるけど、私に罪がないわけじゃないことは、私自身にも分かっているの。

「オーロラも理解っているでしょう?クロエは対応を間違ったの。仕方なかったとはいえ、これで二度も婚約解消となったわ。私たちはそれでもクロエが好きだし可愛いけど、他国からはに見られることになるわ」

しおりを挟む
感想 372

あなたにおすすめの小説

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。

梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。 ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。 え?イザックの婚約者って私でした。よね…? 二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。 ええ、バッキバキに。 もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

王子は婚約破棄を泣いて詫びる

tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。 目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。 「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」 存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。  王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。

お久しぶりです、元旦那様

mios
恋愛
「お久しぶりです。元旦那様。」

初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。 王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。 第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。 常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。 ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。 みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。 そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。 しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで

みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める 婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様 私を愛してくれる人の為にももう自由になります

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

処理中です...