拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

文字の大きさ
116 / 130

閑話〜愚か者たちの最後③〜自称ヒロイン?視点〜

しおりを挟む
「ああ、無意識のやつか・・・かわいそうだが、殿下を怒らせたんだ。運が悪かったと諦めてもらうしかないな」

 言われている意味が分からない。

 殿下って、シリル殿下?
怒っているわけないわ!だって、パーティーのエスコートをしてくれるって言ったくらいだもの!

「ん?ああ。第三王子殿下じゃないぞ?ルーファス殿下さ。第三王子殿下の兄君で、皇女殿下の義兄って方さ。我々はな、マキシミリオン王国の王家ではなく、ルーファス殿下に仕えているのさ。あの阿呆の国王陛下や王太子殿下は気付いていなかったみたいだけどな。殿下は、弟君と妹君をとてもとても大切に思われているんだ。その二人の婚約を壊した時点で、アンタに未来はないんだよ」

 婚約を壊した?
そんなことしてないわ!

「アンタは、魅了魔法持ちなんだよ。自分では気付いてなかったみたいだけどな。無意識だったみたいだから、まぁ、うち預かり程度で済んだんだが、陛下たちが阿呆にも皇女殿下を蔑ろにしやがった。おかげで第三王子殿下と皇女殿下の婚約は解消されることになった。その発端となったのがアンタさ。ああ、勘違いすんなよ?殿下がアンタの相手をして、パーティーのエスコートをすると言ったのは、アンタの魅了魔法を公にして、捕縛するためさ」

 嘘!
じゃあ、今まで男の子たちが私に優しかったのって・・・

「アンタさ、ものの見事に男ばっかりに魅了魔法使ってるよな。無意識だってのに。第三王子殿下にはけど、かけようとしたってだけで、処罰されんだよ」

 でもっ!でもでもっ!
わざとじゃないんだもの!

 無意識に魅了魔法を使ってるというなら、どうしてこの人たちは私の言うことを聞いてくれないの?

「あー、我々に魅了魔法は効かないから。この部屋は魔法は発動するけど効果は出ない特殊加工された部屋なんだ。だから、思う存分魔法を発動するといい」

 それから、その人は私から離れたみたいだった。

 目隠しされてるから分からないけど、離れたところで別の誰かと話してる声が聞こえた。

 ベッド?みたいなところに座らされて、目隠しされて手には何かを付けられて。

 不浄に行きたいって逃げ出そうとしたのに、漏らしたかったら漏らせと言われた。

 女の子に何てこと言うのよ!
も、漏らすだなんて・・・

 でも、そんな心配?は必要なかった。

「特殊なものじゃないな。単に力が基本より強いだけだ。問題ない。

 そんな声の後、体から何かが失われていく感覚がして、私はベッドに倒れ込んだ。

「常識ある言動をしてたなら、違う結末もあったのにな」

 意識を失う直前に、そんな声が聞こえた気がした。
 
しおりを挟む
感想 372

あなたにおすすめの小説

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。

梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。 ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。 え?イザックの婚約者って私でした。よね…? 二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。 ええ、バッキバキに。 もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

王子は婚約破棄を泣いて詫びる

tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。 目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。 「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」 存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。  王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。

お久しぶりです、元旦那様

mios
恋愛
「お久しぶりです。元旦那様。」

初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。 王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。 第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。 常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。 ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。 みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。 そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。 しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで

みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める 婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様 私を愛してくれる人の為にももう自由になります

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

処理中です...