拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

文字の大きさ
117 / 130

私の選ぶ道。

しおりを挟む
 あれから二年の歳月が流れた。

 マキシミリオン王国の国王陛下と王太子殿下は毒杯を賜り、一定の期間をおいてそれぞれ病死と公表された。

 幽閉予定だったのだけれど、王妃殿下はお母様と相談後に毒杯という選択をされたそうだ。

 幽閉でも彼らが表舞台に立つことはもうないからと思っていたけど、王妃殿下は後顧に憂いを残したくなかったみたい。

 国王陛下の弟のおひとりである大公閣下が、シリルが国王陛下になれるまでの中継ぎとして国王の座につかれた。

 同時に王妃殿下と王太子妃殿下は、離宮へと下がられた。

 というのも、王太子となったシリルが婚約者を決めていないために、王太子妃殿下・・・マーガレット様が色々と手伝ってくださっていたの。

 本来、王妃や王太子妃は、王家の秘匿すべきことも知るから、夫が亡くなっても王家から出ることはない。

 もっともマキシミリオン王国の場合は、国王陛下たちが男尊女卑の傾向が強かったために、お二人というか女性陣には王家の極秘情報は全く知らされていなかったのだそう。

 今回の場合は、良かったというべきかしら。

 マーガレット様はまだお若い。
新たな幸せを探しても良いと思うもの。

 シリルとレシピエンス王国の王女リルラ様は、国王陛下たちの処置が終わった後に顔合わせをした。

 その場でシリルははっきりと、自分がした愚行のせいで私との婚約が解消になったこと。

 リルラ殿下が望むのならば婚約し、婚約者そして妻として大切にするつもりだけど、私のことを好きな気持ちは一生消えないこと。

 二年間は、婚約者を作らないつもりだということを伝えたそうだ。

 リルラ様は、それを納得の上でマキシミリオン王国で過ごされていたのだけれど、半年後にレシピエンス王国からリルラ様をずっと好きだったという公爵令息が迎えに来て・・・

 手を引かれて帰っていかれたそうだ。

 シリルに一目惚れして、ずっと想っていらっしゃったみたいだけど。

 半年の間に、リルラ様にも色々と思うところがあったのかもしれない。

 まだ幼い彼女が、政略結婚よりも自分を想ってくれる相手に心が揺れるのは自然だと思う。

 それ以来、シリルは大臣たちからの婚約話にも頷かず、黙々と王太子としての政務に励んでいるそうだ。

 一方、私はというと、カグレシアン公爵閣下と交流を続けていた。

 海を渡らなきゃだから、半年に一度くらいしかお会いすることは出来なかったけど、お手紙はお送りしたしお返事もいただいた。

 少なくとも、元婚約者様よりは交流していたわ。

 そして、明日十八歳になる私は今日、シリルと二年ぶりに会う。


 


しおりを挟む
感想 372

あなたにおすすめの小説

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

侯爵家に不要な者を追い出した後のこと

mios
恋愛
「さあ、侯爵家に関係のない方は出て行ってくださる?」 父の死後、すぐに私は後妻とその娘を追い出した。

お久しぶりです、元旦那様

mios
恋愛
「お久しぶりです。元旦那様。」

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。

梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。 ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。 え?イザックの婚約者って私でした。よね…? 二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。 ええ、バッキバキに。 もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。

こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。 彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。 皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。 だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。 何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。 どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。 絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。 聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──…… ※在り来りなご都合主義設定です ※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です ※つまりは行き当たりばったり ※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください 4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!

王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~

由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。 両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。 そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。 王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。 ――彼が愛する女性を連れてくるまでは。

(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?

青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。 けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの? 中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。

処理中です...