ヒロインだと言われましたが、人違いです!

みおな

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乙女ゲームと違う設定?

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 私とイヴァンさん・・・イヴァンが婚約者。
 婚約者?ええ?
私、乙女ゲームのヒロインだよね?『悪役令嬢に手を出すな』のヒロインだよね?

 え?ええ?ヒロインが婚約者持ちってあり得ないよね?だって、攻略するの絶対おかしいよね?

 どうなってるの?
乙女ゲームの世界と同じだと思ってだけど、単にキャラが同じなだけで、全く違うの?

 混乱している私に、イヴァンはクスクスと微笑う。

「お嬢、顔真っ赤。すげー可愛い」

「い、イヴァン!」

「はい、はい。でもなんか王子たち微妙にお嬢に興味持ってたましたね。ムカつくな~。学園に行ったら顔合わせますよね。行かせたくないな~」

 イヴァンはそんなこと言うけど、私だって行かずに済むなら行きたくないわよ。
 何が悲しくて、断罪決定の学園にわざわざ行かなきゃいけないの。

 というか、興味持ってた?
えええー。冗談やめてよ。婚約者いるんでしょ。婚約者を大事にしようよ。

 おかしいな。これ、『悪役令嬢に手を出すな』の世界じゃないのかな。

 ヒロインの名前がアリア・ローズレットだったのは間違いないし、容姿もゲームで見たのと同じだった。
 それに、攻略対象たちも名前も顔も同じだったし。

 なのに。ゲーム舞台に立つ前に、ヒロインが婚約してる?

 いや。おかしいでしょ。
攻略対象たちを攻略するつもりのない私には好都合だけど。

「お嬢。学園なんか行かずに俺の側に居てよ」

「ばっ、馬鹿。貴族の義務なんだから、行かないわけにいかないでしょ」

「そうだけどぉ。お嬢、可愛いから不安なんだよぉ。王子たちもお嬢のこと好きになりそうだしぃ」

「その、語尾を伸ばして話すのやめなさい。馬鹿みたいよ。それに、王子たちには婚約者がおられるでしょ?公爵家や侯爵家のご令嬢が」

 いるよね?私に婚約者が居るから、そのまんまの乙女ゲームの世界でないとしても、王族や高位貴族の彼らにはいるよね?婚約者。

「んー。確かにいますけど」

 あ。良かった。居たわ。
ん?良かったの・・・よね?乙女ゲームでは婚約者である彼女たちに断罪されるけど、私としては攻略対象を攻略どころか近づきたくもないし。

 それにイヴァンっていう婚約者がいるっていうのも、ご令嬢たちを安心させるポイントになるかも!

 私は貴方の婚約者に興味なんてありませんよ~的な。

 王子たちが興味持ってたっていうのがちょっと引っかかるけど、どっちにしろ学園に通わないわけにはいかない。

 年が上っぽいから、イヴァンはもう卒業してるのかな?
 ギフトって姓もあるし、平民でないことは確かよね。なら、学園にも通ってるはず。

 私は色々と疑問に思いながらも、イヴァンの手に自分のそれを重ねた。

 とりあえずは伯爵家に帰ってからだわ。今は、デート?なんだから。

「さ。買い物続けましょう?」

「お嬢には敵いませんね。わかりました。行きましょう。次はカフェでお茶でも飲みますか?」

 イヴァンはしかたなさそうに、でも私から繋いだ手に嬉しそうに笑う。

 その笑顔に、私の胸がドキドキしたのは、秘密。



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