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悪役令嬢?との出会い
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人気のカフェに入ってすぐに、奥のテーブルに座っているご令嬢に気付いた。
あれって、あれって、王太子の婚約者の公爵家のご令嬢!!
なんでこうも次々と乙女ゲームの登場人物たちと遭遇するのか。
神様。私、前世でそんな悪いことしましたか?全く覚えはないけど!!
で。なんでご令嬢に気づいたかというと、絡まれてるから!
ええっ?公爵家のご令嬢なのに、護衛は?しかも王太子の婚約者だよね?普通王家の護衛とかも付くんじゃないの?
でも、ご令嬢の側にいて彼女を守ろうとしているのは侍女っぽい女性だけで、周囲も遠巻きに見るだけで止めようともしない。
いやいやいや。お店としてもダメでしょ!トラブル対策ちゃんとしないと!
そりゃ、ちょっと鬱陶しそうな男たちだけど、あんなお嬢様が絡まれてるのに放置とかって。警備とかどーなってるの?
ええい!駄目だ。ほっとけない。
「お待たせしましたぁ。さ。お買い物に参りましょう?」
男たちを無視して、公爵令嬢様の手を取る。
突然割り込んできた私に、ご令嬢も侍女さんも男たちも言葉もなく固まった。
ああ。イヴァンだけはやれやれって顔してるけど。
「さ。行きますよ」
「ま、待て!!なんだ?お前は。勝手に割り込んできやがって。俺たちはその女に話が・・・ぐっ!」
男は私に掴みかかろうとして、イヴァンに喉元を締め付けられている。
「うちの大事なお嬢に触れないでくれますか?」
「な、何しやがる!この女に・・・ギャッ!」
男がイヴァンに拘束されたことで、私を人質にしようとした男の仲間の顎を、私は勢いよく蹴り上げた。
お洒落なワンピース姿でやることじゃないけど、見事に蹴りは顎にヒットして男はそのまま倒れ込む。
アリアはお嬢様だけど、有莉愛は現代で護衛術を習っていたのよね。
さすがに飛び道具を出されると敵わないし、男の力で捕まえられると太刀打ちできないけど、油断してくれてたら対処できる。
私が蹴り飛ばすとは思わなかったのだろう。男たちは呆然としている。
そんな中、イヴァンだけは楽しそうに、さすがお嬢とか言ってるけど。
「どなたか、この方たちを拘束して下さい。あと、警備隊にも連絡を」
私に言われて、やっと周囲の男たちが破落戸たちを拘束する。
イヴァンが拘束していた男も、大人しくそのまま縄をかけられた。
「どうして彼女に絡んでいたんですか?」
「ああ?金持ってそうなのが女2人だったからな。まさか、嬢ちゃんみたいな護衛がいるとは思わなかった」
いえ。私、護衛じゃないですけどね。というか、こんな可愛い護衛がいるか!
でも、単なるお金目当てみたいで良かった。なんか変な犯罪に巻き込まれてるんじゃなくて。
すぐに警備隊がやってきて、破落戸たちは連れて行かれた。
私とイヴァンはお店の店主からお礼を言われて、お代は結構ですからと色々出されたけど、戴かずに店を出ることにした。
「こんなことしてくれるくらいなら、どうして彼女を助けなかったんですか?」
「え、いや・・・その・・・」
「もちろん、危険はあったかもしれませんけど。ご令嬢たち女性を助けることもしないなんて、大人として男として、そしてお店の店主としていかがなものかと思いますわ」
私の、ちょっとした嫌味に、店主も店内にいた男たちも顔を伏せていた。
店内にいた男たちは、同席していた女性たちから随分と睨まれていたから、あとで何か買わされるかもね。などと思いながら、私はイヴァンと店を後にした。
すっかり助けた公爵令嬢のことなど忘れて。
あれって、あれって、王太子の婚約者の公爵家のご令嬢!!
なんでこうも次々と乙女ゲームの登場人物たちと遭遇するのか。
神様。私、前世でそんな悪いことしましたか?全く覚えはないけど!!
で。なんでご令嬢に気づいたかというと、絡まれてるから!
ええっ?公爵家のご令嬢なのに、護衛は?しかも王太子の婚約者だよね?普通王家の護衛とかも付くんじゃないの?
でも、ご令嬢の側にいて彼女を守ろうとしているのは侍女っぽい女性だけで、周囲も遠巻きに見るだけで止めようともしない。
いやいやいや。お店としてもダメでしょ!トラブル対策ちゃんとしないと!
そりゃ、ちょっと鬱陶しそうな男たちだけど、あんなお嬢様が絡まれてるのに放置とかって。警備とかどーなってるの?
ええい!駄目だ。ほっとけない。
「お待たせしましたぁ。さ。お買い物に参りましょう?」
男たちを無視して、公爵令嬢様の手を取る。
突然割り込んできた私に、ご令嬢も侍女さんも男たちも言葉もなく固まった。
ああ。イヴァンだけはやれやれって顔してるけど。
「さ。行きますよ」
「ま、待て!!なんだ?お前は。勝手に割り込んできやがって。俺たちはその女に話が・・・ぐっ!」
男は私に掴みかかろうとして、イヴァンに喉元を締め付けられている。
「うちの大事なお嬢に触れないでくれますか?」
「な、何しやがる!この女に・・・ギャッ!」
男がイヴァンに拘束されたことで、私を人質にしようとした男の仲間の顎を、私は勢いよく蹴り上げた。
お洒落なワンピース姿でやることじゃないけど、見事に蹴りは顎にヒットして男はそのまま倒れ込む。
アリアはお嬢様だけど、有莉愛は現代で護衛術を習っていたのよね。
さすがに飛び道具を出されると敵わないし、男の力で捕まえられると太刀打ちできないけど、油断してくれてたら対処できる。
私が蹴り飛ばすとは思わなかったのだろう。男たちは呆然としている。
そんな中、イヴァンだけは楽しそうに、さすがお嬢とか言ってるけど。
「どなたか、この方たちを拘束して下さい。あと、警備隊にも連絡を」
私に言われて、やっと周囲の男たちが破落戸たちを拘束する。
イヴァンが拘束していた男も、大人しくそのまま縄をかけられた。
「どうして彼女に絡んでいたんですか?」
「ああ?金持ってそうなのが女2人だったからな。まさか、嬢ちゃんみたいな護衛がいるとは思わなかった」
いえ。私、護衛じゃないですけどね。というか、こんな可愛い護衛がいるか!
でも、単なるお金目当てみたいで良かった。なんか変な犯罪に巻き込まれてるんじゃなくて。
すぐに警備隊がやってきて、破落戸たちは連れて行かれた。
私とイヴァンはお店の店主からお礼を言われて、お代は結構ですからと色々出されたけど、戴かずに店を出ることにした。
「こんなことしてくれるくらいなら、どうして彼女を助けなかったんですか?」
「え、いや・・・その・・・」
「もちろん、危険はあったかもしれませんけど。ご令嬢たち女性を助けることもしないなんて、大人として男として、そしてお店の店主としていかがなものかと思いますわ」
私の、ちょっとした嫌味に、店主も店内にいた男たちも顔を伏せていた。
店内にいた男たちは、同席していた女性たちから随分と睨まれていたから、あとで何か買わされるかもね。などと思いながら、私はイヴァンと店を後にした。
すっかり助けた公爵令嬢のことなど忘れて。
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