悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな

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断罪発牢屋行き

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「私は、フローラ様に何もしておりません!」

 そう言った私を、フローラ様が両手を胸の前で組んで、その大きな瞳に涙を浮かべて見つめていました。

「ヴァイオレット様、どうか罪をお認めになって下さい!そうすれば、きっとウッド様も慈悲をくださいます。謝ってくだされば、私も許しますから」

「何と優しいっ!慈悲深い聖女のようではないか。それに比べ、ヴァイオレット!お前は悪女そのものだ!このように優しいフローラをいじめるなど、心優しいフローラが許そうと、僕は許せないっ!衛兵っ!このを地下牢へ連れて行けっ!」

「お待ち下さい!私は本当にフローラ様をいじめてなど・・・」

 必死にウッド様に訴えますが、私の婚約者は私を憎々しげに睨みつけるばかりで、私の言葉など聞いて下さいませんでした。

 確かに、私が本当にフローラ様をいじめていたのならば、彼女の言葉はとても優しく慈悲深いものでしょう。

 ですが、私は彼女をいじめてなどいないのです。

 本当なら、婚約者のいるウッド様への親しげな振る舞いを注意するべき立場でした。

 ですが、そうしようとした矢先に、ウッド様の嬉しそうな笑顔を見てしまったのです。

 想う相手との時間を大切にしてあげたい。

 そう思う程度には、私はウッド様のことが好きでした。

 だから私は、フローラ様と挨拶以外に言葉を交わしたことなどないのです。

 ドサッ!

 何故?どうして?

 そう考えているうちも、衛兵により両腕を捕られ、私は広間から引きずり出されて王宮の地下にある牢へと放り込まれました。

 地下牢は、石造りの冷たく暗い場所です。

 爵位を持たない平民や、沙汰の決まった重罪人が入れられる場所。

 なのに何故、公爵令嬢である私が。

 本当にフローラ様をいじめていたとしても、証拠を掲示して国王陛下の沙汰が下るまでは、私は貴族のままのはずです。

 ならばそれまでは、貴族牢に入れられるはずなのに。

 冷たく暗く、ジメジメした牢の中はカビ臭く、ドレスを着たままの私の体からどんどん体温を奪っていきます。

 私は鉄格子の近くにしゃがみ込むと、膝を抱えて体を丸くしました。

 きっと、お父様お母様が私の無罪を証明してくださる。

 国王陛下と王妃様が、ウッド様の間違いに気付いてくださる。

 それまで、何としても生き延びなければ。

 私は、その蜘蛛の糸のような希望に縋り付くように、牢の中で過ごしました。

 ですが、梳くこともない紫色の髪は艶をなくし、一日コップ一杯の水と固いパンだけなためか、何日経ったのか分からなくなった頃には起き上がっていることも難しくなっていました。
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