悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな

文字の大きさ
21 / 84

可愛い妹発魔王会議行き

しおりを挟む
「魔王会議・・・って何?」

 エセルが言った聞き慣れない単語に、首を傾げます。

 六歳になってから半年。

 ローズとして生活することにも、すっかり慣れました。

 ローズとしてというか、六歳児として過ごすことに、ですね。

 ヴァイオレットは子供らしさというか無邪気さがなく、ウッド様にも王宮の使用人の方にも、可愛げがないと陰口を叩かれていたのを聞いたことがあります。

 あの時は、悲しかったです。

 決して私が望んで、幼い頃から淑女らしくあろうとしたわけではありません。

 私だって、子供らしくお父様やお母様に甘えたりしたかったです。

 だけど、王太子殿下であるウッド様の婚約者として、未来の王太子妃として、子供らしさは不要と教えられたのです。

 泣くことも笑うことも制限され、淑女の笑みを浮かべることを教え込まれ・・・挙げ句に感情がない人形のようだと陰口を叩かれて・・・

 でも、ここのみんなは違います。

 魔王陛下の妹ということは、ローズも王女です。

 だけど、誰も王女らしくとか、みんなの見本になるようにとか、言ったりしません。

 むしろ、子供は子供らしくあればいいと、声を出して笑うことも泣くことも、皆んな受け入れてくれるのです。

 ここでいると・・・
自分を好きでいられる気がします。

 私の問いに、エセルが私の髪を結いながら答えてくれます。

 今日はサイドを三つ編みにして、耳の上でお団子に纏めて、花の髪飾りを留めます。

 エセルはいつも、可愛らしい髪型にしてくれます。

「わ、可愛い。くまさんの耳みたい」

「ふふっ。ローズ姫様は可愛らしいので、どんな髪型も似合いますね」

「ううん、エセルが可愛くしてくれるから。ありがとう、エセル」

 そういえば、ナーシサス公爵家の使用人たちにお礼を言ったのはいつだったでしょうか。

 少なくとも五歳から後は、なかった気がします。

 お礼を言うことを禁じられたわけではありませんが、私自身にそんな余裕がなくなっていたのかもしれません。

 両親とも、使用人とも、友人とも、婚約者とも、誰とも距離があって、私はずっと孤独で・・・

「あ、魔王会議のことでしたね。魔王会議というのは、言葉通り魔王三人が集まって、一年間の近況報告をする会議のことなんです。毎年、持ち回るのですが、今年は我がサフィラスで行われるのです」

「じゃあ、他の魔王様がこのお城に来るの?」

「はい。滞在中は、王宮にお部屋を準備いたしますので。一週間の滞在になりますので、現在はその準備のために多くの者が王宮に出入りしています。ですから、ローズ姫様は居住区からお出になられませんよう」

 元々、信用できる人たち以外との接触は、禁じられていましたからそれは構わないんですけど。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

私は《悪役令嬢》の役を降りさせて頂きます

・めぐめぐ・
恋愛
公爵令嬢であるアンティローゼは、婚約者エリオットの想い人であるルシア伯爵令嬢に嫌がらせをしていたことが原因で婚約破棄され、彼に突き飛ばされた拍子に頭をぶつけて死んでしまった。 気が付くと闇の世界にいた。 そこで彼女は、不思議な男の声によってこの世界の真実を知る。 この世界が恋愛小説であり《読者》という存在の影響下にあることを。 そしてアンティローゼが《悪役令嬢》であり、彼女が《悪役令嬢》である限り、断罪され死ぬ運命から逃れることができないことを―― 全てを知った彼女は決意した。 「……もう、あなたたちの思惑には乗らない。私は、《悪役令嬢》の役を降りさせて頂くわ」 ※全12話 約15,000字。完結してるのでエタりません♪ ※よくある悪役令嬢設定です。 ※頭空っぽにして読んでね! ※ご都合主義です。 ※息抜きと勢いで書いた作品なので、生暖かく見守って頂けると嬉しいです(笑)

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。  彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。  彼女は思った。 (今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。  今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

透明な貴方

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。  私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。  ククルス公爵家の一人娘。  父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。  複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。 (カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)

処理中です...