悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな

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迫り来る危険発怒り行き

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「お前を人質に取れば、あの冷酷魔王を追い詰めることが出来るからな」

 その男の言葉に、頭に血が上るのが分かりました。

 冷酷魔王。
お兄様がそう呼ばれていることは、知っています。

 確かに、陽気なアグニス様や物静かなユスタフ様とは印象が違うでしょう。

 闇の魔法を得意とするところも、その呼び名の起因かもしれません。

 ですが。

 私は知っています。

 ローズが三日間、目を覚まさなかった時に、お兄様がどれだけ心配して下さったのか。

 どれだけ、私のことを大切に思い、気遣ってくださっているのか。

 そして、お兄様のことをよく理解しているからこそ、エセルもロインもリカルドとエラルドもお兄様に仕えているのです。

 そのお兄様を追い詰める?

 そして、そのためにエセルを傷つけたというのですか?

 許せません。

 ローズの体中を、ヴァイオレットとしての怒りが巡るのを感じます。

「エセル」

「姫様・・・」

「絶対に助けてあげるから。私を信じて」

 私に・・・ローズの中に、お兄様が認めてくれるほどの力があるというのなら。

 大切な人を守れる力を示して!

 大切な人を傷つけず、大切な人を悲しませない力を!

 光の魔法の使い方は、先日お兄様が教えて下さいましたが、魔法の使い方そのものは

 ヴァイオレットとして生きた記憶があり、ヴァイオレットにもローズに比べれば微々たるものですが魔力があり、水魔法が使えましたから。

 血が上った頭を鎮めるように、ゆっくりと息を吐きます。

 落ち着いて。

 私が、お兄様もエセルも気に病んでしまいます。

 それに、こんなことを誰が企んだのか調べなくてはいけません。

 そうですね。
なら、まず声を出せないように口を塞いで、これ以上エセルを傷つけないように動けなくして・・・

 私が結界に近付くと、男は勝ち誇ったような表情をしました。

 ここにいるのはこの男だけでしょうか?

 目をつぶって、辺りの気配を観察します。

 自分の魔力を薄く広く辺りにか広げると、離れた場所に五人ほどいるのを感じました。

 私は王宮に仕えている人たちを全員知っているわけではありませんから、この五人も敵ではないかもしれません。

 ですが、目の前の男と同じがします。

 つまり、お兄様や私に敵意を持っているのを感じるのです。

 これも、ローズの全魔法使いである能力のひとつなのでしょうか。

 敵でなかったとしても、拘束する分には問題ありません。

 私は結界から右の手首を出し、男に向けました。

 
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