「ちょっと待った」コールをしたのはヒロインでした

みおな

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全部アイツが悪い《ジョエル視点》

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「学園にジュリがいないとは、どういうことだっ!」

 僕は報告に来た侍従に怒鳴り散らす。

 僕は現在、国王陛下である父上の命令で、自室で謹慎中だ。

 あの後、父上と上の兄上から、学園卒業後は僕は王籍を抜けなければいけないことを、何度も説明された。

 そして、僕の将来の生活を考えての婚約だったのだと言われたが、意味がわからない。
 どうして、あんな傲慢な女と結婚するのが、僕のことを考えてのことになるんだ?

 大体、あんな女と結婚しなくても、僕に爵位を与えてくれたらいいじゃないか。
 あの女と結婚したとしても、僕がアルベーヌ公爵になるということだろう?

 そう言ったら、父上も兄上もとんでもないものを見るような顔で僕を見てきた。

 そのあと、アルベーヌ公爵家はあの女が女公爵となると言われ、この国の貴族の在り方を勉強しろと、自室に放り込まれたのだ。

 しかも、父上の許可が出るまで謹慎だと言われた。
 部屋から出たら、廃嫡だと言うんだ。横暴すぎる!

 しかも、監視まで付けられてる。
仕方ないから、学園にジュリを迎えに行ってこいと、侍従に伝えた。

 きっと僕が学園に来なくて、不安で寂しがっているはずだ。
 どうせ僕の妻になるんだから、謹慎が解けるまで僕の部屋で一緒に暮らしてもいい。

 そう思うと、この謹慎も悪いものじゃないな。ジュリとの関係も1歩先に進める。
 ジュリの愛らしい様子を脳裏に浮かべて、ニヤニヤしながら部屋でゴロゴロしていると、青い顔をした侍従が戻ってきた。

「ジュリはどうした?」

「ジュリ嬢は、現在学園をお休みされているそうです。ご実家の方に伺いましたが、行儀見習いのためにアルベーヌ公爵家にいらっしゃるそうです。アルベーヌ公爵家に赴いたのですが、公爵と国王陛下の許可なく会わせることは出来ないと・・・」

 何だと!!

 あの女、自分が婚約破棄されたから、僕とジュリが婚約できないようにジュリを攫ったのか!

 許せない!きっとジュリは怯えているだろう。僕が助けに来るのを待っているに違いない!

 そうだ!
ここで僕が、あの傲慢で卑劣な女を退治して、ジュリを救い出したら、父上は僕を褒めて下さるだろう。
 そんな優秀な僕を王太子にと言うかもしれない。

 だけど、王太子の執務はなんだが面倒だし、ここは「頑張っている兄上に申し訳ないから」と辞退しよう。
 代わりに、ジュリと結婚して、このまま王室で暮らせるようにして貰えばいいな。

 アルベーヌ公爵にも責任を取らせて、公爵家は取り潰そう。
 あの公爵は、娘そっくりで傲慢だからな。

 問題は、どうやって監視の目をくぐり抜けるかだ。
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