はい!喜んで!

みおな

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リエルとシリル姉妹の場合

呪いを解いても湧いてくる愚者

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 呪いを無事に解いたルアンとルインは、婚約者探しをしなければならない。

 それはイグリット王家の一員としての義務であるからだ。

 皇帝である父も皇帝妃である母も、四人のうち誰かが継いでくれるなら、残りの三人は好きな相手と結婚してもかまわないと言ってくれている。

 ただ、帝位を継ぐ者だけは、それに相応しい相手を婚約者にして欲しいと言った。

 そう言われると、可愛い妹たちには愛する相手と幸せな結婚をして欲しいと思ってしまう。

 別に帝位は継ぎたいとは思わないが、政略結婚の義務を弟に負わせたくないと思うルアンである。

 早速、婚約者探しを始めた。

 イグリット帝国で、それなりの力があり、王家を支えるに相応しい貴族家で、未婚で婚約者のいない令嬢。

 中々に厳しい条件である。

 ところが、ルアンが婚約者探しを始めた途端「是非、私を!」という令嬢が何人も現れた。

 公爵家一人に、侯爵家二人。それから伯爵家一人。

 身分としては問題ない。

 イグリット王家が突出しているため、下位の貴族では負担が大きいが、伯爵家くらいならば社交にも問題はないだろう。

 親共々やって来た公爵家と侯爵家一家。残りは、令嬢個人の判断ということだろうか。

「ルアン殿下。我が娘は、ツェーリカ公爵家の娘としてどこに出しても恥ずかしくない教育をしております。皇太子妃として隣に並ぶに相応しいかと!」

「いえいえ、ルアン殿下。エイフマン侯爵家は、イグリット王家に誠心誠意お仕えしております。どうぞ我が娘を」

 自分の家を売り込む父親の隣で、自信に溢れた表情の、公爵令嬢と侯爵令嬢。

「ルアン殿下。ずっとお慕いしておりました。私、殿下のためならばどんなことでもいたします」

「私は伯爵家の娘ですが、ルアン殿下のおそばにいたいのです。高位貴族の方々に比べたら家の力は弱いかもしれませんが、殿下を想う気持ちは誰よりも強いつもりです」

 自分の気持ちを全面に出して、情を訴えてくる侯爵令嬢と伯爵令嬢。

 そんな彼らを見て、手元にある報告書にルアンは視線を落とした。

 この報告書は、ルインが侍従を使って調べて来たものだ。

 そもそも、目の前の令嬢たちは十六歳から十九歳とルアンより年下の令嬢ばかりだが、令嬢の適齢期が二十歳ということから分かるように、婚約者がいての年齢なのである。

 しかも、高位貴族の令嬢だ。

 手元の報告書には、四人の令嬢全てにと記されていた。

 つまりは、ルアンの婚約者に名乗り出るために、決まっていた婚約を解消したということである。

 我が国にも愚者はいたのかと、ため息を吐きたくなるルアンだった。
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