はい!喜んで!

みおな

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リエルとシリル姉妹の場合

愚かな婚約者はいらない

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「ハァァ・・・」

 ルアンは大きなため息を吐いた。

 まさか自国にも、婚約破棄案件の愚か者がいるとは思いもしなかった。

「兄上、お気持ちはわかりますが・・・」

「分かってる。分かってはいるんだが」

 相手がいくら愚者だからといって、婚約の打診を受けてため息で返すというのは態度として良くない。

 良くないのは分かっているのだが・・・

「る、ルアン殿下?」

「・・・すまない、礼儀に欠いたな。だが、我が国にもこんな愚か者がいるとは思いもしなかったのだ」

「愚か者ですと?」

 ムッとした表情の公爵を見て、今度はルインがため息を吐いた。

「兄上が出した婚約者の条件は、確かに婚約者の令嬢です。ですが、何の問題もなく結ばれていた婚約を一方的に解消してまで婚約者に名乗りをあげて、それを我が王家が良しとすると?もしそう思ったのなら、心底愚か者だと思いますよ」

「ルイン殿下!少々言葉が過ぎますぞ!」

「ああ、申し訳ありません。ですが、いい勉強になりました。僕の婚約者を選ぶ時は、この四家は除かねばなりませんね」

 他にも愚か者はいるかもしれないから、この際自分の婚約者も募集してみるといいかもしれない、とルインは考えた。

「兄上」

「分かっている。すまないが、貴方達と婚約を結ぶことはない。お帰り願おう」

「な、何故ですかっ!」

「なら聞くが、何の問題もない婚約を何故解消した?しかも、四人とも強引かつ一方的に解消しているだろう。そんなことをして、恨まれないと思ったのか?そのような相手を妃にする王家を、支えてくれると思うのか?確かに婚約解消は犯罪ではない。だが、犯罪でなければ何をしてもかまわないと思っているのか?」

 彼らに告げた通り、婚約を解消することは犯罪ではない。

 破棄だとしてもだ。

 だが、それが正しいことかというと、そうではない。

 正しくないから、ルアンもルインも、そしてシリルもリエルも愚か者達を罰するために婚約破棄を行ったのだ。

「婚約者家より自分たちが高位の爵位だからと、強引に婚約解消したのかもしれないが、その後のことは考えなかったのか?解消とはいえ、強引なやり方を知った貴族はお前たちから婚約を打診されても受け入れないだろう。となれば、他国で婚約者を探さねばならないな。だが、このような愚行をする貴族家を他国に推薦することはできない。自分たちで当たるんだな」

 他国の貴族と婚約を結ぶ場合、王家を通すのがイグリット帝国では普通だ。

 他国も、イグリット帝国王家が推薦するのならと細かい審査もなく受け入れてくれる。

 だから王家も、信頼するに値しない者を推薦はしない。

 こんな愚者を推薦したら、イグリットの名が地に落ちるとルアンは思った。
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