私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?

みおな

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更生施設

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「ユースティティア様、本当によろしいのですか?」

 第一王子・・・お名前をクリストファーという、が私に改めて尋ねてくる。

 私はこくりと頷いた。

「私は確かに女神ですが、ジュリアーノ様と婚約していたユースティティアは人間です。ですから、ヴェルザンディ公爵令嬢として、婚約破棄と暴言に対する責任はジュリアーノ様に取っていただくつもりですが、王家にその罪を問うつもりはありません」

 それに、研修途中で離脱はできないだろうから、この国をどうにかしたら生き辛くなっちゃうじゃない。

 私は人としての生を満喫してから女神として生きるつもりなのよ。

「ユースティティア様の恩情に感謝いたします」

 国王陛下、王妃様、第一王子殿下は深々と頭を下げた。

「それで、ジュリアーノ第二王子殿下のことはどうするつもりですか?」

 ここで初めて、お父様が口を開いた。

 私が『女神』としてでなく『公爵令嬢』として対応すると言ったからだろう。

 公爵令嬢としてなら、ヴェルザンディ公爵家当主であるお父様が対応するのが当たり前だからだ。

「廃籍は当然だが、アレを炭鉱や漁港の荷積みに送っても、役に立たないどころか周囲に迷惑をかけてしまう。隣国にある更生施設に送るつもりだ」

「ああ。あそこへ・・・まぁ、妥当ですな」

 国王陛下の言葉に、お父様やお母様が頷き、王妃様と第一王子殿下が複雑な顔をされている。

 ジュリアーノ様はお口は達者だけど、我慢とか出来ない根性なしだから、確かに炭鉱とかに送っても何の役にも立たないでしょうね。

 政略結婚を自分の感情で台無しにしたことは罪だけど、私は別にジュリアーノ様に死んで欲しいとは思っていない。

 やっぱりここは女神として、更生を願うのが一般的だと思うの。

「隣国に更生施設があるのですか?」

「ここマクシミリアン王国にも一応はありますが、厳しさが天と地ほどの差があるのです。隣国の更生施設は、常に監視が付きますし、炭鉱や荷下ろしと比べても、とても厳しい場所です。あそこは更生施設という名の監獄なのですよ」

「監獄・・・」

 そんな厳しい場所に送って、ジュリアーノ様は耐えられるのかしら?

「耐えれる耐えられないではないのです。更生施設に行くのが嫌なら、毒杯を与えます。ですが、ユースティティア様はジュリアーノに反省させることを望まれているとお見受けいたします」

「そう・・・ですね。死んで終わりでは駄目な気がします」

「ならば、施設に行くのが一番かと」

 更生したと判断されれば、施設を出ることも可能らしい。

 ただ、出た人はほんのひと握りらしいけど。

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