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許せること、許せないこと
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「第二王子殿下から、婚約破棄を告げられたことに関しては、お気になさらずともかまいません。責任も罪も問いません。ただし、フロラリアとの婚約者の交代は認められません。ご理解して下さいますね?」
私の言葉に、国王陛下に王妃様、そして第一王子殿下もコクコクと頷く。
すでにお父様お母様もお戻りになっていて、我がヴェルザンディ公爵家と第二王子を除く王家の話し合いになっていた。
そこに、教皇様と教皇子息様も何故か参加されてたけど、女神と聖女が関わることだからかしらね。
「もちろん、理解している!そもそも聖女様はジュリアーノの婚約者には絶対ならない、なりたくないとおっしゃっていた。なるくらいなら他国に亡命するとまで」
「・・・妹が失礼なことを言ったようで、申し訳ありません」
まさか、そこまで陛下たちに言ったとは思っていなかったわ。
毛嫌いしていたのは知っていたけど。
フロラリアには、高位貴族として聖女としての発言について、よぉく言いきかせなきゃ。
私の謝罪に、王妃様が苦笑しながら首を横に振られる。
「いいえ。今回のことを鑑みるに、聖女様はジュリアーノの愚かさを見通されていたのかもしれません。それよりも、ユースティティア様に仕方なく婚約者になっていただいたのに、あのような暴言を吐くなんて・・・わたくしたちの責任です。申し訳ありませんでした」
「王妃殿下。私は王家に責任を問うつもりはありません」
国王陛下や王妃様には、よくしていただいていると思う。
それに、ヴェルザンディ公爵家としても王家と険悪になるのは望ましくない。
だから王家にもこの世界にも罪を問うつもりはないけど、当人は別問題だ。
許すつもりもないし、大事な妹を差し出すつもりもない。
「ユースティティア様・・・」
「お姉様!殿下のことを許すつもりですかっ?」
「フロラリア。王族をアレ呼ばわりはやめなさい。貴女は聖女なのよ?女神が加護を与えた人間。常に人の上に立つに相応しい言動に心がけなさいと言っているでしょう?」
「・・・ごめんなさい、お姉様」
フロラリアが聖女になったことで、お父様もお母様もフロラリアを叱らない。
それは、フロラリアを聖女にした私が姉としているせいだ。
だから私は常に、口煩い姉をやっている。
まぁそれも、ひとつの経験として楽しいけれど。
せっかく人間として生きているのだし、泥臭く生きるのも楽しいわ。
フロラリアや両親、国王陛下たちが私のことを女神と呼ばないのも、私のお願いを聞いてくれてのことだ。
今の私はあくまでも女神としてでなく、ひとりの公爵令嬢として暮らしていたかった。
私の言葉に、国王陛下に王妃様、そして第一王子殿下もコクコクと頷く。
すでにお父様お母様もお戻りになっていて、我がヴェルザンディ公爵家と第二王子を除く王家の話し合いになっていた。
そこに、教皇様と教皇子息様も何故か参加されてたけど、女神と聖女が関わることだからかしらね。
「もちろん、理解している!そもそも聖女様はジュリアーノの婚約者には絶対ならない、なりたくないとおっしゃっていた。なるくらいなら他国に亡命するとまで」
「・・・妹が失礼なことを言ったようで、申し訳ありません」
まさか、そこまで陛下たちに言ったとは思っていなかったわ。
毛嫌いしていたのは知っていたけど。
フロラリアには、高位貴族として聖女としての発言について、よぉく言いきかせなきゃ。
私の謝罪に、王妃様が苦笑しながら首を横に振られる。
「いいえ。今回のことを鑑みるに、聖女様はジュリアーノの愚かさを見通されていたのかもしれません。それよりも、ユースティティア様に仕方なく婚約者になっていただいたのに、あのような暴言を吐くなんて・・・わたくしたちの責任です。申し訳ありませんでした」
「王妃殿下。私は王家に責任を問うつもりはありません」
国王陛下や王妃様には、よくしていただいていると思う。
それに、ヴェルザンディ公爵家としても王家と険悪になるのは望ましくない。
だから王家にもこの世界にも罪を問うつもりはないけど、当人は別問題だ。
許すつもりもないし、大事な妹を差し出すつもりもない。
「ユースティティア様・・・」
「お姉様!殿下のことを許すつもりですかっ?」
「フロラリア。王族をアレ呼ばわりはやめなさい。貴女は聖女なのよ?女神が加護を与えた人間。常に人の上に立つに相応しい言動に心がけなさいと言っているでしょう?」
「・・・ごめんなさい、お姉様」
フロラリアが聖女になったことで、お父様もお母様もフロラリアを叱らない。
それは、フロラリアを聖女にした私が姉としているせいだ。
だから私は常に、口煩い姉をやっている。
まぁそれも、ひとつの経験として楽しいけれど。
せっかく人間として生きているのだし、泥臭く生きるのも楽しいわ。
フロラリアや両親、国王陛下たちが私のことを女神と呼ばないのも、私のお願いを聞いてくれてのことだ。
今の私はあくまでも女神としてでなく、ひとりの公爵令嬢として暮らしていたかった。
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