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第2章
ヒロインvs悪役令嬢
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それは突然やって来た。
今日もエスコートもしない婚約者を放置して、さっさと帰ろうとしていた私は、空き教室に引きずり込まれた。
さすがの私も顔を青く・・・はしてないけど、驚いて引きずり込んだ犯人を見ると、そこにはビクビクしているヒロインの姿があった。
は?
私、なんでヒロインに拉致?もどきされてるの?
これってもしかして、この後にサイードがやって来て、私がヒロインを虐めてたとか言われるやつ?
「キャンディさん・・・何の御用かしら?」
「しっ!私、隠れてますから、サイード様が来たらここにはいないって言って下さい!」
はぁ?なんで私がそんな面倒なことしなきゃならないの?
文句を言おうと思ってるのに、ヒロインが教壇の下に隠れると同時に、教室のドアが開いた。
「キャ・・・ん、ヴィヴィか。こんなところで何をしている?」
「人と待ち合わせですわ。サイード様こそ、どなたかお探しですか?」
「キャンディ・・・いや、なんでもない。人と待ち合わせとは、男か?」
「女性ですわ」
貴方のお探しのキャンディさんですけどね。そして、待ち合わせではないのだけど。
「・・・」
「お疑いなら、いてくださっても構いませんわよ。ですが、その間にお探しの方が帰られたからといって、私を責めないで下さいませね」
「っ・・・お前は本当に可愛げがない」
サイードはそう言い捨てると、教室から出て行った。
可愛げがない・・・か。
どうやって可愛げにしろと言うんだか。
ヒロインと出会ってから、婚約者である私を蔑ろにして、全く交流を持とうともせず、顔を合わせば人を睨みつける人相手にどうやって可愛げにするのよ。
私は確かにアンタと婚約解消しようと思ってるけど、アンタがヒロインによろめいたりしないで、ちゃんと私に向き合ってたなら、私だって婚約者としてちゃんと向き合ったわよ。
自分の行いの結果を、私のせいにしないでよ。
なんで側近候補が3人も外れたのか、よく考えてみなさいよ。
「キャンディさん。用件を早くお話下さいませ。また殿下が戻って来られても、次はお庇いしませんわ」
冷ややかにそう言うと、のそのそと教壇の下から這い出してくる。
うーん。これ、平民だからオッケーだけど、貴族のご令嬢ならアウトだわ。
制服、汚れてるし。
はっ。もしかして、私に突き飛ばされたとか言う気?
だってこの子、絶対転生者よね?
むしろ転生者でなくて、あれを素でやってるんなら逆に引くわ。
汚れた制服をパンパンと叩きながら、ヒロインは私の前で両手を祈るように組んだ。
「私、アゼル様のことが好きなのです!お願いします!力を貸して下さいっ!」
は?
今日もエスコートもしない婚約者を放置して、さっさと帰ろうとしていた私は、空き教室に引きずり込まれた。
さすがの私も顔を青く・・・はしてないけど、驚いて引きずり込んだ犯人を見ると、そこにはビクビクしているヒロインの姿があった。
は?
私、なんでヒロインに拉致?もどきされてるの?
これってもしかして、この後にサイードがやって来て、私がヒロインを虐めてたとか言われるやつ?
「キャンディさん・・・何の御用かしら?」
「しっ!私、隠れてますから、サイード様が来たらここにはいないって言って下さい!」
はぁ?なんで私がそんな面倒なことしなきゃならないの?
文句を言おうと思ってるのに、ヒロインが教壇の下に隠れると同時に、教室のドアが開いた。
「キャ・・・ん、ヴィヴィか。こんなところで何をしている?」
「人と待ち合わせですわ。サイード様こそ、どなたかお探しですか?」
「キャンディ・・・いや、なんでもない。人と待ち合わせとは、男か?」
「女性ですわ」
貴方のお探しのキャンディさんですけどね。そして、待ち合わせではないのだけど。
「・・・」
「お疑いなら、いてくださっても構いませんわよ。ですが、その間にお探しの方が帰られたからといって、私を責めないで下さいませね」
「っ・・・お前は本当に可愛げがない」
サイードはそう言い捨てると、教室から出て行った。
可愛げがない・・・か。
どうやって可愛げにしろと言うんだか。
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