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目覚めたら処刑エンドの気弱令嬢だった!
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「いゃあ!」
悲鳴と共に、ベッドから起き上がった。
え?ここどこ?
視界に入ったのは、ラベンダー色のレースで覆われた天蓋。
その向こうには、真っ白なドレッサーやテーブルが見える。
これ、どこ?ラブホ?
私がそんなことを考えても無理はない。
こんな中世の貴族チックな部屋なんて、高級ホテルかラブホくらいしか思いつかない。
まぁお金持ちの中には、こういう嗜好の人もいるのかもだけど、少なくとも私の周囲にはいない。
そして、とりあえずベッドから降りようとして・・・
私は転がり落ちた。
痛っ!なんで・・・え?どうしてこんなに椅子やベッドが高いの?
妙な不安を感じながら、ドレッサーの椅子によじ登った。
鏡に映っていたのは。
は?え?誰?
癖のないサラサラとした紫色の髪。驚いたように見開かれている銀色のパッチリとした瞳。
白く透けるような肌。さくらんぼのように色づいた小さな唇。
小さな子供が、鏡の向こうから私を見ていた。
どう見ても、生粋の日本人の私ではない。
ん?どこかで見覚えが・・・
ジッと鏡の中の少女を見つめる。
紫色の髪に銀色の瞳。どこかで・・・
「あ!アイリーン・フィラデルフィア!」
かつて日本で読んだ小説。
その小説に出て来るキャラクターがアイリーン・フィラデルフィアだ。
聖女である姉を傷つけようとしたと言って、婚約者から断罪される悪女。
でも、アイリーンは気弱で、誰かを害することなんてできやしない。
犯人は別にいて、でも気弱故に反論ひとつ出来なかったアイリーンは、冤罪で処刑されてしまう。
本来なら、家族が助けの手を差し伸べてくれるのだけど、アイリーンは何故か家族から冷遇されている。
だから、誰にも助けてもらえず処刑される。
確か処刑後に姉のエリーゼだけは、アイリーンを思って涙を流すシーンがある。
え?泣くくらいなら、どうしてアイリーンを助けなかったの?
処刑の時には、エリーゼはそこにいなかったから仕方ないとしても、どうして普段からアイリーンに接しなかったの?
小説を読んだ時は、主人公であるエリーゼをよく見せるため?のせいか、気にならなかったけど・・・
これって、いわゆる異世界転生とかいうやつだよね?
ということは、前世?の私は死んだっていうことだよね。
覚えているのは、仕事終わりに横断歩道を渡っていた時に見た眩しいヘッドライト。
あれって、はねられて死んだってことだよね?
えー。
せっかく転生したのに、処刑エンドの気弱令嬢って、どういうこと?
悲鳴と共に、ベッドから起き上がった。
え?ここどこ?
視界に入ったのは、ラベンダー色のレースで覆われた天蓋。
その向こうには、真っ白なドレッサーやテーブルが見える。
これ、どこ?ラブホ?
私がそんなことを考えても無理はない。
こんな中世の貴族チックな部屋なんて、高級ホテルかラブホくらいしか思いつかない。
まぁお金持ちの中には、こういう嗜好の人もいるのかもだけど、少なくとも私の周囲にはいない。
そして、とりあえずベッドから降りようとして・・・
私は転がり落ちた。
痛っ!なんで・・・え?どうしてこんなに椅子やベッドが高いの?
妙な不安を感じながら、ドレッサーの椅子によじ登った。
鏡に映っていたのは。
は?え?誰?
癖のないサラサラとした紫色の髪。驚いたように見開かれている銀色のパッチリとした瞳。
白く透けるような肌。さくらんぼのように色づいた小さな唇。
小さな子供が、鏡の向こうから私を見ていた。
どう見ても、生粋の日本人の私ではない。
ん?どこかで見覚えが・・・
ジッと鏡の中の少女を見つめる。
紫色の髪に銀色の瞳。どこかで・・・
「あ!アイリーン・フィラデルフィア!」
かつて日本で読んだ小説。
その小説に出て来るキャラクターがアイリーン・フィラデルフィアだ。
聖女である姉を傷つけようとしたと言って、婚約者から断罪される悪女。
でも、アイリーンは気弱で、誰かを害することなんてできやしない。
犯人は別にいて、でも気弱故に反論ひとつ出来なかったアイリーンは、冤罪で処刑されてしまう。
本来なら、家族が助けの手を差し伸べてくれるのだけど、アイリーンは何故か家族から冷遇されている。
だから、誰にも助けてもらえず処刑される。
確か処刑後に姉のエリーゼだけは、アイリーンを思って涙を流すシーンがある。
え?泣くくらいなら、どうしてアイリーンを助けなかったの?
処刑の時には、エリーゼはそこにいなかったから仕方ないとしても、どうして普段からアイリーンに接しなかったの?
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これって、いわゆる異世界転生とかいうやつだよね?
ということは、前世?の私は死んだっていうことだよね。
覚えているのは、仕事終わりに横断歩道を渡っていた時に見た眩しいヘッドライト。
あれって、はねられて死んだってことだよね?
えー。
せっかく転生したのに、処刑エンドの気弱令嬢って、どういうこと?
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