気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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婚約だけは絶対に回避してやる!

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 アイリーンの婚約者は、はっきり言ってクズだと思う。

 百歩譲って、エリーゼを好きになることは許せる。

 エリーゼは聖女だし、見た目も小説の中では女神のように書かれていたし、挿絵でも確かに美人だった。

 あと、まぁ、アイリーンが処刑された後に泣いてくれた。

 処刑になる前にどうにか出来なかったのかとかは思うけど、その辺りは書かれていなかったから、エリーゼがどう思っていたのかは分からない。

 というわけで、エリーゼに惹かれた気持ちは分からないわけではない。

 が!

 なーにが聖女エリーゼを貶めようとした、だ!

 家族に冷たくされても反論ひとつ出来なかったアイリーンが?

 婚約者であるランディにどれだけ酷く罵られようと反論ひとつ出来なかったアイリーンが?

 寝言は寝てから言ってこい!

 大体、もし万が一、いや億が一にもアイリーンがエリーゼを害しようとしていたとしてもっ!

 それを罰する権利はランディにはない。

 ランディはあくまでも公爵令息でしかないし、王族でもない。

 貴族に罰を与える権利があるのは国王陛下だけだ。

 なのに、勝手に冤罪で処刑するとか、本気であり得ない。

 そういや、アイリーンの処刑のあとにランディがどうなったかは書かれていなかったな。

 ただ、アイリーンは無実だと、エリーゼとエリーゼの婚約者の王太子殿下が公表したとは書かれていた。

 遅いよ。エリーゼと王族!

 そんなの、死んだ後に名誉回復されても意味ないでしょ。

 とりあえず!

 ランディ・サンセット公爵令息との婚約は、回避一択だわ。

 ランディが、どういう性格なのかは分からないし、将来アイリーンを断罪するのかも分からないけど、その可能性がカケラでもある人間と婚約とか、絶対にお断りだ。

 アイリーンとランディが婚約したのは、十一歳の魔力選定を受けた後だ。

 つまりはまだ婚約を回避できる、はず。

 気弱令嬢化しているアイリーンは両親に嫌だと言えなかったとしても、私は全然全くちっとも平気で言える。

 前世で死んだっぽいのに、生まれ変わっても処刑エンドとか、誰得よ?って話だ。

 本当は、誰か他の・・・
出来ればアイリーンを大切にしてくれる人と婚約出来ればいいんだけど。

 あの小説は、聖女であるエリーゼが主人公だから、あくまでもアイリーンのことは添え物として書かれていただけだった。

 だから、アイリーンが誰かを好きだったとかは分からない。

 そういや、私が転生したことでアイリーンの精神ってどうなったんだろう?

 
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