気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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シスコンとロリコン?

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「カイン様っ!」

 嬉しそうにカイン様に駆け寄ろうとしたご令嬢は、見えない壁にぶつかってその場にひっくり返った。

 あちゃー。
あれは痛い。

 床も板張りのままだし、しかも今顔から行ったよね。

「痛そ・・・」

「アイリーンは優しいわね。あんなの自業自得よ」

 エリーゼがそう言って眉を顰める。

 いや、まぁ、エリーゼを叩こうとしたことは私も許してないけど、でもだからって他国の公爵令嬢をこうやって拘束しててもいいのかなぁ。

「サブリナ・ミノフスキー公爵令嬢。君は勝手に他国にやって来て何をしている」

「か、カイン様。わたくしはカイン様が沿婚約を結ばされるのを防ごうと・・・」

「意に沿わぬ?僕望んだ婚約だが?それに、もし僕が望んでいなかったとしても、納得の上で婚約だ。たかが公爵令嬢に過ぎない君にどうこう言われる覚えはない」

 え?カイン様が望んだ?
そんなわけないよね。うちの王妃様から打診されて、仕方なく結んだ偽装だよね?

 それに、たかが公爵令嬢って。
結構、辛辣な人なんだ。

「え?ご、ご冗談ですよね?カイン様が望まれたなんて。十歳の子供ですよ?カイン様より八歳も年下じゃないですか」

「ああ。だから?あと七年もすれば、歳の差なんて関係なくなる。貴族にその程度の歳の差は普通だからね」

「でも、だって・・・どうしてですかっ?我が国にはカイン様に相応しい年齢の令嬢も多くいます。何故、他国のそんな子供を・・・」

「カイン。はっきり言ってやってくれないか?うちの可愛い可愛いアイリーンを子供子供と連呼されると、その口を引き裂きたくなる」

 いや!ちょっと待って。
アスラン、怖い!口裂け女は、怖いから!

 え。アスランってこんなだったっけ?
 シスコン拗らせ過ぎて怖いんだけど。

 この人、公爵家の嫡男だよね?
婚約者がいないのって・・・この性格が問題なんじゃ・・・

「アイリーン?何か失礼なことを考えてないかい?」

「ピッ!な、何のことでしょうか?アスランお兄様がちょっと怖いって思ってただけです」

「ああ、ごめんよ、アイリーン。天使なアイリーンの前で言うことじゃなかったね」

 アスラン。
天使でなくても、そんなことを口にするべきじゃないと思うよ。

「やれやれ。本当にアスランはアイリーン嬢が好きだね。だから婚約者をんだろ。アイリーン嬢を溺愛する令嬢しか受け入れないって公言してるからね」

「あら?それは私も同じですし、イグニスお兄様も同じでしてよ」

 はい?何ですか?それ。
シスコンの極意ってやつですか?
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