気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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姉の怒りが凄まじい!

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「へぇ。そう・・・そうなの」

 声だけ聞けば、とても穏やかなのだけど・・・

 怖い!お母様ばりにエリーゼが怖い!

 やっぱりエリーゼはお母様の子だわ!似てる!その目が笑ってないところ、めっちゃ似てる!

 ちなみに、報告後のアスランとイグニスは、魔力を暴走させて部屋内を氷漬けにして暴風を巻き起こした。

 まぁそこは、お父様とお母様が治めたのだけど。

 ただし、お母様の手にあった扇はピシリと妙な音を立て、お父様の持っていた万年筆もバキッと二つに折れてた。

 王太子殿下。
なんでランディの味方をしたのかなぁ。

 お父様は宰相だよ?

 お母様は、国王陛下あなたのお父様の妹だよ?

 そんな人たちを怒らせることをして、婚約が継続されると思ったの?

 小説の中では、確かにアイリーンは家族から冷遇されていた。

 だから、誰に何を言われても言い返せない気弱になっていたけど。

 でも私が何言い返せない気弱だったとしても、いずれ国を背負う王太子がそんなじゃダメでしょ。

 確かにランディは私に暴言を吐いたりしなかったし、本人の自惚かなんかは理由は分からなかったけど、普通に尋ねて来ただけだった。

 私が正直に好みの問題だと答えても文句を言ったりしなかったし、悪い奴ではないのかもしれない。

 そもそもまだ十一歳だし。

 でもねぇ、王太子殿下。
貴方はアスランと同い年だよね?

 しかも王族、王太子だよね?

 もう少し、考えて行動するべきじゃないのかな。

 言っておくけど、私は一切脚色して話したりしてないよ?

 事実を淡々と述べただけだからね?

 つまりは、自身のしたことが自分に返って来るだけだからね?

 今回のことは、私だけのことでは済まない。

 カイン様貸切をお願いしていたわけで、つまりは王太子殿下の行動はシェリエメール王国第二王子殿下を軽く見たってことになってしまう。

「ふふっ。ふふふっ。そう。王太子殿下は私の可愛い可愛いアイリーンのデートの邪魔をしたの。ふふっ。そう。よく分かったわ」

「そうね。王太子として正しい判断が出来てないわね。お兄様に注意しなきゃいけないわね」

「そうだな。宰相としても苦言を呈させて貰おう」

 どうしよう。
お母様も怖いけど、エリーゼの笑顔の方が怖い。

「お、お姉様・・・怒ってる?」

「あ!違うのよ、アイリーンに怒っているわけじゃないの。ごめんなさい、怖かった?」

「・・・うん。ね、お姉様。カイン様もね、王太子殿下にお願いして貸切にしてもらったから、今回は抗議しないっておっしゃってたの。だからね?お姉様もするだけにしてね?」

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