気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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私、失敗しないので!

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「「「本当にアイリーンは可愛いだけじゃなく、魔法の才能もあるなんて、天使・・・いやもう女神だろう」」」

 魔法行使が上手くいって、お父様と兄ズが私を褒め称えた。

 うん。日常だ。

「えへへ」

「アイリーン、疑問なんだが」

「なんですか?イグニスお兄様」

「アイリーンが全力で結界を張って、そこに全力で魔法を打ち込んだら・・・どっちが勝つんだ?」

 うん?ええと、私の全力の防御と全力の攻撃のどっちが強いか?

 魔法攻撃力とかステータスに書いてなかったけど、魔力値と魔力耐性値が同じだったから、両方が相殺し合う・・・とか?

「分からないです。攻撃力と防御力を比べて、僅かでも強い方が勝つと思いますけど。ここでは、試せないですね」

「念の為に聞くけど、今のってどのくらいの力を出したんだ?」

「えーと、ちょびっとです」

 正確に言うと、線香花火の消え行く感じをイメージして作った水の玉だった。

 大きさはバレーボールくらいにしたけど。

 小さいと結果が分かりにくいから。

 でも、思ってたより消滅時の音が激しかったんだよね。

「・・・僕が全力で魔法を放っても、アイリーンには簡単に防がれそうだな」

「イグニスお兄様。魔法は威力だけが全てではないと思います。戦略とか色々と考慮した上での結果になるものだとカイン様から伺いましたわ。ですから、いつも鍛錬を頑張っておられるイグニスお兄様相手だと苦戦すると思います」

「ほんっとに、アイリーンは可愛くて優しくて、最高の妹だよ」

「ふふっ。私もアスランお兄様とイグニスお兄様、エリーゼお姉様が兄姉で嬉しいです」

 にっこり笑ってそう言うと、隣でお父様が「父様は??」って顔をしていた。

 いや、お父様?
いま私、すごくいい感じに収めたよね?

「もちろん、お父様とお母様の子供に生まれて、良かったです」

「そっ、そうか。うん。私もアイリーンもだがみんなが私の子供で嬉しいよ」

「えへへ。じゃ、もう少し訓練しますね。とりあえず、結界は機能してるみたいなので、使える魔法を順番に使ってみます」

 そう言って、火の玉を出したり、それを水の玉で消したり、雷を発生させたり、竜巻を作ったり、と色々と試してみた。

 もちろん、怪我人が出たりしないように、防御魔法も使いながらね。

「アイリーン、ずいぶんと魔法を使ったけど、魔力は大丈夫かい?欠乏症になると命の危険があるから、そろそろやめたらどうだい?」

 アスラン兄の注意に、にっこり笑って首を横に振った。

「大丈夫です。まだまだいけます。私、失敗しないので!」



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