気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな

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ノアが黒い。いや黒猫だけど!

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「フーッ!シャー!」

 キララにノアが威嚇している。
うーん。ちっちゃいノアが、逆毛を立てて威嚇とか・・・

 可愛すぎる!

「どうしたの、ノア?ほら、良い子、良い子」

 抱っこして頭を撫でてやる。

 そういえば、最近は魅了云々にかかりきりでノアと遊んでなかったな。

 拗ねたのかな。

「ごめんね、ノア。でももう、あとは王太子殿下の婚約者だけだから。そのへんはお母様にお任せしてあるから、ほぼ大丈夫だから。今日は一緒に遊ぼうか」

「にゃー」

 グリグリと頭を擦り付けてくる。

 うーん、可愛い。癒される!

「ノア。キララは、私のえーと・・・僕だから」

「に?」

「一応、みんなには侍女とは言ってるけどね。だって、私の言うことしか聞けないんだよ?それって僕だよね?どう思う?キララ」

「・・・アイリーン様のおっしゃる通りだと思います」

「ね?」

 ノアがキララと私の顔を交互に見て・・・なんかキララを鼻で笑うような表情をした。

 おおっ。
ノア、それは僕の方が上的なヤツかな?

 どんだけ可愛いんだ、うちの子は!

「とりあえず、キララは貴族令嬢としてのお勉強ね。私の侍女なんだから、礼儀作法は身につけてもらわないと。フィラデルフィア公爵家の侍女の服着てるんだから」

「ッ・・・はい」

「んー、キララは嫌そうだけど、マナーを学ぶのは悪いことじゃないよ?ちゃんと出来てれば、嫌な思いをすることも減るし、良縁にも恵まれるかもしれない。私の世話はセナがしてくれるからね。キララはお勉強」

「はい」

 転生した先が男爵家というのもあって、キララは全く淑女教育が出来てない。

 まぁ、あの様子だと自分はヒロインだからこのままでオッケーとか思ってたんだろうけど。

 本当、不思議だよね。
悪役令嬢に転生したり、正統派ヒロインに転生した人は皆んな努力して人に褒め称えられるような淑女になるのに、なんでヒドインはそれがなくても愛される認められるとか思うのかな。

 あんなの、物珍しいだけでしょ。
高位貴族や王族なんだよ?

 綺麗な所作で家族も自分も振る舞うのに、能天気に平民みたいな行いをする相手をいつまでも好きなわけがないじゃん。

 お父様たちの許可はもらっている。
というか、キララに関しては私の管轄ということにしてくれている。

 まずは、基本のマナーを覚えさせて、人前に出せる状態にしないとね。

 教師はうちのお母様。

 お母様は、厳しいぞ~。
なんたって元王女様だからね。所作も完璧。

 ちなみに、マナーを教わってる部屋の片隅で・・・

 私は刺繍のお勉強だ。
お母様、厳しい。
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