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追いかけて、来た?
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カイン様に差し入れをして、アルティシア王国の王宮に転移で戻った。
「おかえりなさい、アイリーン」
エリーゼが私を抱きしめようとするから、王太子殿下が急いで私の持つ箱を受け取ってくれる。
「タルトとおススメケーキ買って来ました。お茶にしましょう?」
「ええ、そうね」
エリーゼが頷くと、王太子殿下がすぐにエリーゼの座る椅子を引いて、その後私の椅子も引いてくれた。
「ありがとうございます」
「エリーゼに習って、最近は僕も紅茶を淹れるんだ。今日は僕が淹れてもいいかい?」
「え?そうなんですね。お姉様、愛されてますね。お姉様のために覚えてくれたんですよね?」
「え、あ、ええ、そうね。エーリッヒありがとう、嬉しいわ」
エリーゼがにっこり笑ってお礼を言うと、王太子殿下は真っ赤になって嬉しそうに笑った。
「エリーゼが妹をとでも可愛がる気持ちが分かるな」
「ふふふっ。エーリッヒ、紅茶を淹れてくれる?」
エリーゼのご機嫌を取るのなら、私を褒めるに限る。
とにかくフィラデルフィア公爵家のみんなは、私を溺愛してくれているから。
まぁ、仲睦まじくやってるのなら、良かった。
椅子に座って、紅茶葉が蒸らされるのを待ってたら、いきなり転移魔法の魔法陣が浮かんだ。
「え?」
「アイリーン!来たなら声くらいかけてくれよ」
転移陣から現れたのはカイン様で、現れた早々に私は文句を言われていた。
「だって、カイン様お忙しいのに。というか、追いかけて来たんですか?」
私がよくカイン様と出かけるため、エリーゼの願いで、シェリエメール王国のカイン様の執務室と、アルティシア王国王太子殿下の第二執務室に転移魔法陣が設置された。
いや、おかしくない?
王宮だよ?他国だよ?
いくら転移できるのが、カイン様と王太子殿下、フィラデルフィア公爵家限定だって言っても、侵略とか問題視されない?
と疑問をぶつけたら、自由にシェリエメール王国の王宮にでも転移できるアイリーンに言われても・・・と言われた。
えー。だって国王陛下がいいって許可くれたんだもん。
侵略なんてするつもりないし、そんな面倒な手間をかけなくても、本気で滅ぼしたかったら、方法は他にもあるし。
というわけで、カイン様はアルティシア王国に危害を加えないという誓約書を書いて、転移を許可された。
「まあまあ。いいじゃないか、アイリーン。カイン殿下もお茶の一杯くらい飲んで帰って下さい」
王太子殿下はカイン様に私の隣の席を薦めると、紅茶のカップを置いた。
お仕事の邪魔になったらいけないから声かかなかったのにぃ。
「おかえりなさい、アイリーン」
エリーゼが私を抱きしめようとするから、王太子殿下が急いで私の持つ箱を受け取ってくれる。
「タルトとおススメケーキ買って来ました。お茶にしましょう?」
「ええ、そうね」
エリーゼが頷くと、王太子殿下がすぐにエリーゼの座る椅子を引いて、その後私の椅子も引いてくれた。
「ありがとうございます」
「エリーゼに習って、最近は僕も紅茶を淹れるんだ。今日は僕が淹れてもいいかい?」
「え?そうなんですね。お姉様、愛されてますね。お姉様のために覚えてくれたんですよね?」
「え、あ、ええ、そうね。エーリッヒありがとう、嬉しいわ」
エリーゼがにっこり笑ってお礼を言うと、王太子殿下は真っ赤になって嬉しそうに笑った。
「エリーゼが妹をとでも可愛がる気持ちが分かるな」
「ふふふっ。エーリッヒ、紅茶を淹れてくれる?」
エリーゼのご機嫌を取るのなら、私を褒めるに限る。
とにかくフィラデルフィア公爵家のみんなは、私を溺愛してくれているから。
まぁ、仲睦まじくやってるのなら、良かった。
椅子に座って、紅茶葉が蒸らされるのを待ってたら、いきなり転移魔法の魔法陣が浮かんだ。
「え?」
「アイリーン!来たなら声くらいかけてくれよ」
転移陣から現れたのはカイン様で、現れた早々に私は文句を言われていた。
「だって、カイン様お忙しいのに。というか、追いかけて来たんですか?」
私がよくカイン様と出かけるため、エリーゼの願いで、シェリエメール王国のカイン様の執務室と、アルティシア王国王太子殿下の第二執務室に転移魔法陣が設置された。
いや、おかしくない?
王宮だよ?他国だよ?
いくら転移できるのが、カイン様と王太子殿下、フィラデルフィア公爵家限定だって言っても、侵略とか問題視されない?
と疑問をぶつけたら、自由にシェリエメール王国の王宮にでも転移できるアイリーンに言われても・・・と言われた。
えー。だって国王陛下がいいって許可くれたんだもん。
侵略なんてするつもりないし、そんな面倒な手間をかけなくても、本気で滅ぼしたかったら、方法は他にもあるし。
というわけで、カイン様はアルティシア王国に危害を加えないという誓約書を書いて、転移を許可された。
「まあまあ。いいじゃないか、アイリーン。カイン殿下もお茶の一杯くらい飲んで帰って下さい」
王太子殿下はカイン様に私の隣の席を薦めると、紅茶のカップを置いた。
お仕事の邪魔になったらいけないから声かかなかったのにぃ。
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