拝啓、婚約者様。婚約破棄していただきありがとうございます〜破棄を破棄?ご冗談は顔だけにしてください〜

みおな

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身分違いも何のその

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 ラナリス様は、このヴァルフリーデ王国の唯一の王女殿下で嫡子です。

 そして、我がお兄様は子爵家嫡男。

 普通ならお見合いの場に下位貴族の我が家が赴くこともないのですが、ラナリス様自身が「身分がなくても、優秀な人はいるはず」とおっしゃって、陛下たちもそれを認められたのです。

 そして、ラナリス様はお兄様に一目惚れされて、お兄様以外の伴侶は望まない、と。

 幸いにもお兄様は優秀な方で、妹の私が言うのも何ですけど、見目も麗しい方なのです。

 ええ。
婚約が決まった当初は荒れました。

 自分の方が容姿端麗だと言うご令息。
まぁ、学園を首席で卒業されたお兄様に、自分の方が優秀とは言えませんよね。

 人の好みはそれぞれですから、その方々をお兄様より素敵だとおっしゃる方もいると思います。

 ただ、ラナリス様の好みがお兄様だっただけですわ。

 お兄様を脅して、婚約者から下させようと考える方もいらっしゃいました。

 おかわいそうな方々です。

 お兄様は剣の腕も優れておりますけど、何よりその性格が・・・

 いえ。やめておきましょう。
そんなことを考えているのが兄にバレたら、私しばらく立ち直れませんわ。

 とにかく兄は、ある意味為政者にとても向いている人間だったのです。

 ラナリス様は容姿に惹かれたのかもしれませんけど、人を見る目があったということでしょう。

 本来なら、アデライン子爵家はお兄様がお継になる予定だったのですが、私が後を継ぐ必要が出てきました。

 ああ。ヴァルフリーデ王国は、女性でも爵位を継ぐことが出来ます。

 ですから普通ならラナリス様が女王陛下、お兄様が王配となられるのですが、お兄様を気に入られた陛下たちはお兄様を国王に、ラナリス様を王妃にと考えられているようです。

 ラナリス様はお兄様には頭が上がりませんから、どっちに転んでも関係ない気がします。

 それで、私の婚約も慌てて決まったのですが・・・

 侯爵夫妻と嫡子の方があれだけ優秀でしたのに、次男の方があんなに酷いとは予想外でした。

 調査の段階では、あんな酷いという情報は入ってなかったのですが。

 お兄様が王家の一員になることもあり、私の婚約は王家の許可を必要としています。

 また婚約者探しですか。
一年間も無駄にしてしまいました。

 しかし元婚約者様は、私のお兄様がラナリス王女殿下の婚約者だと知らなかったのかしら?

 当時は周囲を騒がせましたし、お兄様の腹黒さ・・・いえ、優秀さは有名なのですけど。

 ああ。妹が婚約破棄されたからって、兄は何もしませんわ。ラナリス様が関わっていない限り。

 あれでいてお兄様、ラナリス様にゾッコンなのです。
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