はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

文字の大きさ
14 / 126

第十三話

しおりを挟む
 まぁ、次に学園に通うのは月末なので、それまでは私は私のやるべきことをやりましょう。

 領地にも実際に行って、改善点も自分の目で見つけなきゃですし。

 ですが、今日はお客様がいらっしゃる予定です。

「いらっしゃいませ、第二王子殿下、カタロニア公爵令嬢様」

 もちろん三日前に、訪問したい旨の前触れをいただいております。

「突然の訪問を快く受けてくださり、感謝いたしますわ」

「僕とははじめまして、だね。カトル・クレメンタインだ。よろしく頼むよ」

 そう。
今日のお客様は、第二王子殿下とその婚約者のダイアナ・カタロニア公爵令嬢様です。

 まさか、王子殿下までご一緒に来られるとは思いませんでしたわ。

 多分、ドロシー王女殿下の件ですわよね。

 本来なら、お父様お母様がご挨拶させていただかなければならないのですが、非公式の訪問だからとお断りされてしまいました。

 まぁ公式の謝罪なら、兄である王子殿下ではなく国王陛下がなさるべきですけど。

「うちの愚妹が迷惑をかけた。申し訳ない」

「いえ、私は何も。絡まれていたのはカタロニア様ですわ」

 むしろ、婚約者が申し訳ありませんと私が謝罪しなければならないくらいです。

 全く交流していないとはいえ、一応書類上は婚約者ですし。

「ああ。ブレンディ侯爵家には、カタロニア公爵が抗議の手紙を送った。侯爵令息が、格上の公爵令嬢に暴言を吐くなど、阿呆にも程がある」

「殿下。お気持ちは分かりますが、ブレンディ侯爵令息はカリスタ様の婚約者ですのよ。お言葉がすぎますわ」

「お気になさらず。私もそう思っておりますから」

 むしろウェルカムです。
イーサン様が愚かであればあるほど、お父様の思惑通りになりますし。

「・・・カリスタ嬢は、二年前にブレンディ侯爵令息と婚約したと聞いた。そして、全く交流していないとも。何故だか聞いても?」

「元々、私とイーサン様が婚約したのは、ブレンディ侯爵家が我が家に融資を頼み込んで来たからです。ブレンディ侯爵家希望で私の婚約者にイーサン様がなりましたの。ですが、イーサン様は嫡男である自分が伯爵家に婿入りなんて納得いかなかったみたいです」

 別に私イーサン様を望んだわけでもないのに、と続けるのは我慢しました。

 年齢的にイーサン様になったのは仕方なかったと思いますけど、こちらから侯爵家の子息を婿に!なんて求めていないのですから、他の手段になされば宜しかったのに。

しおりを挟む
感想 383

あなたにおすすめの小説

さようなら、わたくしの騎士様

夜桜
恋愛
騎士様からの突然の『さようなら』(婚約破棄)に辺境伯令嬢クリスは微笑んだ。 その時を待っていたのだ。 クリスは知っていた。 騎士ローウェルは裏切ると。 だから逆に『さようなら』を言い渡した。倍返しで。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務

ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。 婚約者が、王女に愛を囁くところを。 だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。 貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。 それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。

ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。 ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。 対面した婚約者は、 「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」 ……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。 「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」 今の私はあなたを愛していません。 気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。 ☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。 ☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

【完結】恋は、終わったのです

楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。 今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。 『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』 身長を追い越してしまった時からだろうか。  それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。 あるいは――あの子に出会った時からだろうか。 ――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました

As-me.com
恋愛
完結しました。 番外編(編集済み)と、外伝(新作)アップしました。  とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。  例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。  なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。  ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!  あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。 ※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

2番目の1番【完】

綾崎オトイ
恋愛
結婚して3年目。 騎士である彼は王女様の護衛騎士で、王女様のことを何よりも誰よりも大事にしていて支えていてお護りしている。 それこそが彼の誇りで彼の幸せで、だから、私は彼の1番にはなれない。 王女様には私は勝てない。 結婚3年目の夫に祝われない誕生日に起こった事件で限界がきてしまった彼女と、彼女の存在と献身が当たり前になってしまっていたバカ真面目で忠誠心の厚い騎士の不器用な想いの話。 ※ざまぁ要素は皆無です。旦那様最低、と思われる方いるかもですがそのまま結ばれますので苦手な方はお戻りいただけると嬉しいです 自己満全開の作品で個人の趣味を詰め込んで殴り書きしているため、地雷多めです。苦手な方はそっとお戻りください。 批判・中傷等、作者の執筆意欲削られそうなものは遠慮なく削除させていただきます…

処理中です...