婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

文字の大きさ
16 / 88

八方塞がりな件

しおりを挟む
 気を取り直して、キッド様と庭を散歩することにした。

 王太子殿下の色ボケ・・・いえ、真実の愛による私との婚約白紙撤回のせいで、キッド様は現在とてもお忙しい。

 それはそうよね。
だって、現在の王家にはランスロット王太子殿下しか子供がいない。

 普通は、こう言ってはなんだけどスペアを産むのが一般的だけど、王妃様はランスロット王太子殿下を産んだ時が難産で、命を落としかけたのだそう。

 キッド様がいらっしゃるということで、国王陛下はランスロット王太子殿下に弟妹を作ることは断念されたのだそうよ。

 そう。

 キッド様も、王位継承権を持っていらっしゃる。

 本来なら、王太子殿下の地位は盤石だった。

 公爵令嬢である私との婚約結婚で、クォーツ公爵家の後ろ盾を得ることはできるから。

 それが、真実の愛の相手がこともあろうにセットウ男爵令嬢だったことで、それが揺らいでいる。

 何故なら、セットウ男爵令嬢は愛妾になることも微妙だから。

 私の代わりに、公爵家か侯爵家あたりのご令嬢を新たに婚約者に据えなければ、ランスロット王太子殿下はその地位を失う可能性が高い。

 そして、代わりに王太子になる可能性があるのがキッド様。

 本人はなるつもりはないらしく、現在は王太子妃になれるご令嬢探しが忙しいみたい。

 ま、私も王太子妃になりたいとは思わないから、頑張って探して欲しいと思っている。

「誰か良い方はいらっしゃいまして?」

「いや、厳しいな」

 キッド様は顔をしかめる。

 そうよね。
この年齢になると、ほとんどのご令嬢は婚約している。

 五年前だったならいたでしょうけど、さすがにみんな来年くらいには婚姻する年齢だもの。

「他国も視野に入れているが、前例がないからな」

「そうですわね。それに愛妾ありきですし、難しいかもしれませんね」

 そもそも政略結婚相手としても、相手を敬うのが当たり前。

 子を授かれなかった場合の三年後なら側妃も許されるだろうけど、婚姻前から愛妾がいるなんて有り得ない。

 今の王太子殿下なら、他国の王族や高位貴族に「この子、僕の真実の愛の相手だから、君は政略結婚相手と理解してね」って言いかねないもの。

 どれだけ矯正してもセットウ男爵令嬢では王太子殿下の後ろ盾として弱過ぎるし、交流相手も下位の貴族だから社交界のトップに立つのは難しい。

 そもそも、あの子が常識を身につけた場合、自分の立場を鑑みて王太子妃になろうとは思わないはずだし、常識を身につけなかった場合は王太子妃どころか愛妾にすらなれない。

 八方塞がりじゃないの。
しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

ループ7回目の公爵令嬢は、もう恋愛も復讐も面倒なので、前世の知識で「魔導カフェ」を開き、異世界初のバリスタになります

希羽
恋愛
公爵令嬢アリスは、婚約破棄されて処刑される人生を6回繰り返してきた。7回目の人生が始まった瞬間、彼女は悟る。「もう何もかも面倒くさい」。 復讐も、破滅回避のための奔走も、王子への媚びもすべて放棄。彼女は早々に家を出奔し、市井の片隅で、前世(現代日本)の知識を活かした「魔導カフェ」を開店する。彼女が淹れる「魔力を込めたコーヒー」と、現代風の軽食(ふわふわパンケーキ、サンドイッチ)は、疲れた王都の人々の心を掴み、店は繁盛する。 すると、本来なら敵対するはずの王子や、ゲームの隠しキャラである暗殺者、堅物の騎士団長などが、「癒やし」を求めてカフェに入り浸るように。「君の淹れるコーヒーだけが私の安らぎだ」と勝手に好感度を上げてくる彼らを、アリスは「ただの客」としてドライにあしらうが、その媚びない態度と居心地の良さが、逆に彼らの執着を煽ってしまう。恋愛を捨てたはずが、過去最高のモテ期が到来していた。 ※本作は「小説家になろう」でも投稿しています。

『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ

夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」 華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで

みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める 婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様 私を愛してくれる人の為にももう自由になります

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました

ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」  その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。  王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。  ――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。  学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。 「殿下、どういうことでしょう?」  私の声は驚くほど落ち着いていた。 「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」

婚約破棄? 結構ですわ。私は領地を立て直します

鍛高譚
恋愛
――婚約破棄? むしろ好都合ですわ! 王太子エドワード殿下の婚約者として完璧な淑女教育を受けてきた伯爵令嬢ルシア。 だがある日、殿下は彼女を公衆の面前で一方的に婚約破棄し、新たな婚約者として平民出身の令嬢レイラを選んだ。 「あなたのような冷たい女より、愛に生きるレイラのほうがふさわしい!」 突然の屈辱に、一時は落ち込むルシアだったが――すぐに吹っ切れる。 「王太子妃になるための苦労をしなくて済むなんて、むしろ幸せでは?」 伯爵家の一員として新たな人生を歩むことを決意したルシアは、父の領地の改革に取り組みはじめる。 不作にあえぐ村を助け、農業改革や商業振興に奔走するうちに、村人たちから慕われるように。 そして、彼女の努力はやがて王宮にまで届き―― 「君のような女性こそ、王国に必要だ。」 そんな彼女のもとを訪れたのは、まさかの第二王子・アルベルト殿下!? 婚約破棄で人生が終わるどころか、むしろ最高の人生が始まった!? 元婚約者が没落する一方、ルシアは国を動かす存在へと成長していく――!

これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?

桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。 生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。 (……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)

処理中です...