平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました

「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」

 その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。
 王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。

 ――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。

 学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。

「殿下、どういうことでしょう?」
 私の声は驚くほど落ち着いていた。
「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」
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