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婚約者と魔王が降臨した件
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「本当に、ルチルは心優しいな。そんな愚物にまで情けをかけるなんて」
「キッド様・・・と、お父様っ?」
かけられた声に振り返ると、婚約者であるキッド様と、何故かお父様がいた。
いや、お父様も公爵だし王宮にいてもおかしくはないんだけど・・・
「お、お父様が王宮にいらしてるなんて珍しいですわね」
さっきの『おばさん』発言、聞こえてないわよね?
いくら常識がないからって、彼女はセットウ男爵家の娘。
公爵でしかないお父様が手を下せば、それは犯罪になってしまう。
人を裁く権利があるのは、国王陛下だけ。
「ルチル。私の最愛の女神を、形容し難い呼び名でそこの塵が呼んだ気がしたのだが?」
「え、えと・・・そ、空耳ですわ。キッド様、聞こえませんでしたよね?ね?」
お父様を止められるのは、お母様のみ。
お父様にとって、お母様は最愛であり女神に等しい存在。
そのお母様のことを悪く言ったりしたら、娘の私でさえタダですまないわ。
ここ一ヶ月、お母様の手を煩わせているセットウ男爵令嬢のことを、お父様はよく思っていないはず。
その上、お母様のことをひどく言ったりしたら・・・
お願い!キッド様。
お父様を犯罪者にさせないで!
私の必死な様子にキッド様は気付いてくれ、こくりと頷いてくれた。
「閣下、聞き間違えだろう。あの美しく聡明で閣下の最愛である夫人を悪く言う人間などいるわけがない」
「ならば、ソレは人間ではないから、処分しても問題はないな?」
「だ、駄目ですわ、お父様!そういうことはお母様の許可を得てからでないと駄目ですっ!」
「ム・・・そうか」
お父様が納得したことで、私はホッとした。
そのやりとりを聞いていたセットウ男爵令嬢は、顔を引きつらせていた。
そもそも、貴女がお母様のことをおばさんだなんて言うからいけないのよ。
お父様はお母様のことに関しては、抑えが効かないんだから。
「え、ええと、お父様?今日は珍しく王宮にいらしてたのですね?」
「ん?ああ。陛下にその小娘の教育の進捗状況を聞きに来た。いい加減、リシアを返して欲しいからな」
「・・・そうなんですね」
そうよね。
お母様が王妃殿下に頼まれて、お母様が決めたからお父様も我慢してたけど、もう一ヶ月もたったものね。
「分かりましたわ。王妃殿下にお願いしてみます。お母様もお忙しい方ですし、少し休養も必要でしょうし」
私が教育してもいいけど・・・
絶対いじめられたとか言いそうだし、王太子殿下に関わられたくないし。
どうするべきかしらね。
「キッド様・・・と、お父様っ?」
かけられた声に振り返ると、婚約者であるキッド様と、何故かお父様がいた。
いや、お父様も公爵だし王宮にいてもおかしくはないんだけど・・・
「お、お父様が王宮にいらしてるなんて珍しいですわね」
さっきの『おばさん』発言、聞こえてないわよね?
いくら常識がないからって、彼女はセットウ男爵家の娘。
公爵でしかないお父様が手を下せば、それは犯罪になってしまう。
人を裁く権利があるのは、国王陛下だけ。
「ルチル。私の最愛の女神を、形容し難い呼び名でそこの塵が呼んだ気がしたのだが?」
「え、えと・・・そ、空耳ですわ。キッド様、聞こえませんでしたよね?ね?」
お父様を止められるのは、お母様のみ。
お父様にとって、お母様は最愛であり女神に等しい存在。
そのお母様のことを悪く言ったりしたら、娘の私でさえタダですまないわ。
ここ一ヶ月、お母様の手を煩わせているセットウ男爵令嬢のことを、お父様はよく思っていないはず。
その上、お母様のことをひどく言ったりしたら・・・
お願い!キッド様。
お父様を犯罪者にさせないで!
私の必死な様子にキッド様は気付いてくれ、こくりと頷いてくれた。
「閣下、聞き間違えだろう。あの美しく聡明で閣下の最愛である夫人を悪く言う人間などいるわけがない」
「ならば、ソレは人間ではないから、処分しても問題はないな?」
「だ、駄目ですわ、お父様!そういうことはお母様の許可を得てからでないと駄目ですっ!」
「ム・・・そうか」
お父様が納得したことで、私はホッとした。
そのやりとりを聞いていたセットウ男爵令嬢は、顔を引きつらせていた。
そもそも、貴女がお母様のことをおばさんだなんて言うからいけないのよ。
お父様はお母様のことに関しては、抑えが効かないんだから。
「え、ええと、お父様?今日は珍しく王宮にいらしてたのですね?」
「ん?ああ。陛下にその小娘の教育の進捗状況を聞きに来た。いい加減、リシアを返して欲しいからな」
「・・・そうなんですね」
そうよね。
お母様が王妃殿下に頼まれて、お母様が決めたからお父様も我慢してたけど、もう一ヶ月もたったものね。
「分かりましたわ。王妃殿下にお願いしてみます。お母様もお忙しい方ですし、少し休養も必要でしょうし」
私が教育してもいいけど・・・
絶対いじめられたとか言いそうだし、王太子殿下に関わられたくないし。
どうするべきかしらね。
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