婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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やっぱりリセットされてる件

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「ルチルさんは、ランスロット様のことが好きだから、私からランスロット様を奪うつもりなんですね!」

「・・・」

 セットウ男爵夫人、すごいわ。
あの納得した様子だった令嬢を、二晩で元の状態に戻すなんて。

 洗脳なの?凄すぎるんだけど。

「・・・セットウ男爵令嬢、安心してください。私は王弟殿下であるキッド様の婚約者で、あの方をお慕いしております。王太子殿下とは五年間共におりましたが、あくまでも政略結婚相手としてです。殿下はもちろんのこと、私も殿下に恋愛感情は持っていませんわ」

 確かにあの頃は、王太子殿下と共にこの国を支えていこうと思ってたわ。

 私は公爵家の娘だし、ちゃんと貴族としての責務を果たそうと思ってた。

 恋愛としての好きでなくても、敬愛し合えて、お互いを尊重し合える仲になれればいいと考えてた。

 それを、台無しにしたのは王太子殿下よ。

 他に好きな人ができることもあると思うわ。

 そのことを責めるつもりはない。

 でも、自分の立場をよく考えるべきだったと思う。

 彼は王太子。

 そして私との婚約の意味を、よく考えるべきだったわ。

 それでも、婚約をなくした時点では嫌悪感は持っていなかった。

 あの、意味不明な・・・私が自分のことを好きだと思っていることや、それから支えるのが当たり前と思っていることが、気持ち悪いと思ってしまったのよ。

「で、でも・・・」

「セットウ男爵令嬢、それなら少しの間クォーツ公爵家で過ごしてみませんか?そうしたら、私が王太子殿下ではなく王弟殿下をお慕いしていることがご理解いただけると思うのですけど」

 正確に言うならば、セットウ男爵夫人と離して、どうするのか決めて欲しいのよ。

 別に王家が決めてもいいとは思うけど、陛下も唯一のお子の王太子殿下を切り捨てたくはないだろうし、キッド様も私も王位を望んではいないし。

 それに先延ばしにして、いつまでもこんな堂々巡りなことを言われたくない。

「セットウ男爵令嬢がどの選択をするにしろ、時間はあまりありません。幸いなことに今は夏季休暇中です。学園が始まる日まで、我が家でマナーなどを学びませんか?」

「る、ルチルさんに教わるんですか?」

「そうですね。これ以上お母様のお時間をいただくと、お父様が犯罪者になりかねませんから。私は王宮で王太子妃教育も受けていますから、問題なくお教えできますわ」

 お父様がいない時ならいいけど、これ以上お父様からお母様を取ると、セットウ男爵令嬢の頭と体が物理的に物別れしそうだもの。
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