婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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訪問はお断りする件

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「あの、お嬢様。王太子殿下より訪問したい旨の連絡が・・・」

「お断りして」

 セットウ男爵令嬢・・・チェリー様とお呼びする許可を得たわ。

 私のこともルチルではなく、ルチル様と呼ぶように伝えた。

 《さん》呼びをするのは、平民の方だけで、貴族は下位の貴族相手でも様付けだと教えた。

 でもそれも、親しくなって許可を得てから。

 基本は家名呼びだとも念を押した。

 だから、もしお母様に呼びかけるとしたら『クォーツ公爵夫人』と呼ぶようにと言った。

 まぁ、お母様のお名前は知らないからお名前では呼べないだろうけど、おばさんなんて言われたら大変だもの。

 うちのお母様は、我が家の女神なんだから、使用人たちにも殺意を持たれるわよ。

 あ。そうそう。
王太子殿下の来訪ね。

 お断りよ。

 あと少しすれば学園が始まるんだから、それまで我慢しなさいよ。

 というか、王妃殿下による軟禁は終了したのかしら?

「今、チェリー様はマナー講座中なの。せっかく頑張っておられるのに、殿下に妙な茶々は入れられたくないわ。学園の始業式にお迎えに来て差し上げてとお伝えしてちょうだい」

「かしこまりました。もし、強引に訪問された場合は・・・」

「そうね。お父様がお帰りならお父様に、ままだならお母様にお知らせして、お断りしていただいて」

「はい」

 え?私が断らないのかって?
いやもう、顔も見たくないし、会ってまたわけわからない理論で嫉妬してる?とか言われたら嫌だし。

 せっかく洗脳?から解けているチェリー様に、悪影響与えて欲しくないから、会わせたくない。

 チェリー様は、愛妾になる道を選んだ。

 本当は、王太子妃というか、ランスロット王太子殿下の唯一になりたいらしいけど、どう頑張っても王太子妃になれる教養を身につけることが厳しいと判断したみたい。

 本気で王太子殿下を好きらしい彼女をかわいそうだとは思うけど、はっきり言ってあの王太子殿下には、しっかりと手綱を握ってくれる妻が必要だと思う。

 それは、殿下を好きなチェリー様には荷が重いと思うから。

 目指すのが愛妾なら、少なくとも二年近く猶予がある。

 今すぐ王太子殿下の婚約者を決めても、最低でも婚約期間が一年。

 愛妾を迎えられるのは、婚姻してから一年だから。

 なら、じっくりしっかりとマナーを身につけて、色々なことを学べばいい。

 セットウ男爵夫人のことは、お母様と王妃殿下に相談してあるから、何らかの対処をしてくれるはず。

 やっと言葉が通じるようになったのよ。

 元の木阿弥にされたくないわ。


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