婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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何故か私が責められる件

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「どういうことだ?ルチル!チェリーが何故、僕にあんなによそよそしい態度でっ!君が嫉妬から、チェリーに辛くあたったんだろう!」

 ええと。殴っていいかしら?
この人、何度言えば私があなたに関して嫉妬なんかするわけないと理解するの?

「王太子殿下。何度お伝えすれば、理解してくださいますの?私のことは、クォーツ公爵令嬢とお呼びください。私は、王弟殿下キッド様の婚約者であり、王太子殿下との婚約は白紙撤回されております」

 ザワザワザワ。

 私と王太子殿下の会話を聞いていた周囲の学生たちの、驚愕した様子が背中でも感じた。

 私たちが婚約していたことは、ほとんどの貴族家の令息令嬢が知っている。

 ただ、婚約の白紙撤回は学園の夏季休暇中に行われたため、高位貴族の令息令嬢はともかく知らない方々も多い。

 だから、皆んなに周知するように発言した。

 王太子殿下が、男爵令嬢を名で呼んでいることも、私が嫉妬していると世迷言を言っていることも、と理解してもらうために。

「る、ルチル・・・」

「それから、セットウ男爵令嬢チェリー様は、ご自分の意思でクォーツ公爵家で行儀見習いをしております。このことは、チェリー様のお父上であるセットウ男爵も納得の上のことです。セットウ男爵は、ご息女が我がクォーツ公爵家の庇護下にあることを望まれております。いくら王太子殿下といえど、イチ貴族家の教育に口を挟むのはいかがなものかと思いますわ」

「だ、だが・・・」

「以前もお伝えしましたが、マナーや教養がないことで困るのは、セットウ男爵令嬢です。彼女がそれらを身につけることの、何が駄目なのでしょう。彼女は殿下のお人形ではないのですよ?彼女自身が望んで学ぶことを止める権利は、たとえ王太子殿下といえどありませんわ」

 私が教育しているということは、ある意味王太子殿下の言った通り、私が支えているのと同じこと。

 しかも、チェリー様の後ろには我がクォーツ公爵家が付いていると、多くの生徒たちの耳に入った。

 これで、彼女をいじめるような真似をする人たちは確実に減る。

 私に近付くために、チェリー様を利用しようとする人たちは増えるかもだけど、そこは私が篩にかければいいだけだから、チェリー様の害にはならないはずよ。

 大体、あのままの言動では愛妾にすらなれなかったんだから、感謝をされることはあっても、文句を言われる覚えはないわ。

 この人、本当にこんなに愚か者だったのね。

 婚約していたときには気付かなかった。

 私も、まだまだね。
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