婚約者から婚約破棄されたら、王弟殿下に捕まった件

みおな

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愚者は去るのみな件

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「ランスロットの王太子の座を剥奪。その身分を第一王子とし、セットウ男爵令嬢と共に再度王子教育を施すものとする。また、教育終了後は王家管轄領の領主としての任を与える」

 全貴族家当主や夫人を集めた王宮の広間は、国王陛下のお言葉にシン!と静まり返った。

 高位貴族の当主は、ランスロット殿下の愚行を知っていたし、学園に通うご子息ご令嬢から報告を受けていた方もいると思う。

 だから、貴族家当主と夫人で驚いている方は少ない。

 一番驚いているのは、ランスロット殿下その人だ。

「ち、父上?な、なにを・・・」

「また、王太子の座には王弟キッドを据える。キッドの意思で、これはあくまでも臨時でのものとして、次期王太子は王子ランスロットの子とキッドの子の成長を見て、王太子を継がせるものとする」

 今回、王太子の座を継ぐにあたり、キッド様が出した条件は二つ。

 ひとつは、ランスロット殿下の再教育を徹底的に行い、未来の国王陛下の父として問題ない状態にすること。

 そして、次期王太子の第一候補はランスロット殿下のお子であること。

 はっきり言って、今のランスロット殿下を矯正するのは大変だと思う。

 彼は、居心地のいいところに逃げる傾向があるから。

 でも、チェリー様がお側にいれば頑張ってくれるかしら。

「ランスロット。我々はお前の父と母である前に、このオブシディアン王国の国王であり王妃なのだ。今のお前に、この国を任せることは出来ない。キッドが、どうしてもと言うから、お前には何度かチャンスを与えた。だが、お前は踏み止まる事ができなかった。残念だ」

「ち、父上・・・嘘ですよね?僕のことを捨てるのですか?母上・・・」

「貴方はわたくしたちの大切な息子です。ですから、何度も踏み止まるための機会を与え続けて来ました。ですが、貴方は陛下のその親心に気付かず、愚かな選択をし続けた。貴方の婚約者をセットウ男爵令嬢にしたのは、クォーツ公爵令嬢のたっての願いだからです。愛する人となら、頑張れるでしょう?ランスロット、せめて王族として誇り高く生きなさい」

 国王陛下も王妃殿下も、親として本当にランスロット殿下に愛情を持っている。

 この場にいる誰もがそう感じたと思う。

 言っている内容は厳しいことだけど、その声に愛情が込められていたから。

 さすがにランスロット殿下もそれには気付いたみたいで、反論できずに俯いてしまった。

 良かったわ。
ここでまだ反論するような馬鹿なら、幽閉コースになる可能性があったもの。
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